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俺が異世界で魔王になって勇者に討伐されるまで  作者: 幽霊配達員
第4章 海原のアクア
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291 真っ暗な視界

「お姉さんが魔物に乗ってる……魔物がお姉さんを守ってる……」

「ジュンっ! シッカリしなさいよジュン」

 アタシが呼びかけても呆然と立ち尽くして動かない。そりゃショックは大きかっただろうけど、今はそれどころじゃないのよ。

 アタシとジュンは巨大なタコから一番離れているし、間にジャスとクミンもいる。けどあのクネクネした足、どこまでも伸びてきそうで怖い。

「エリス。まず自身を、そして次にその子を守るんだ」

 ジャスが剣を構えながら、背中越しに指示をしてくれた。

 矢を番え、態勢を万全に。ジュンが自分で逃げられたらよかったんだけど、こうなったら守り抜くしかない。下手に背中を見せたくもないもん。始まった!

 まず一本の足が振り下ろされる。ジャスとクミンは左右へ分かれて跳びんだ事で、タコの足は砂浜に打ち付けられた。

 砂が勢いよく舞い上がってる。どれだけ勢いついたらあぁなるのよ。

 タコはウネウネと進行しながら、左右にいる二人に攻撃の足を一本ずつ伸ばしてる。デカいわりに器用な動きするじゃないの。

「なかなか勢いあるじゃない。けど攻撃の手が単純だよ」

 クミンが横薙ぎに払われる足を跳んで回避しつつ、大剣を振るう。

「ちっ、デカすぎて一刀両断とはいかないかい。って足癖悪いね、二本に増やすんじゃないよ!」

 タコ足の追加。ジャスの方にもおかわりの足がいってる。しなるタコ足は一撃一撃が強力で、まともに受けたら一溜まりもなさそう。

 おまけに手数が増えて反撃の隙も少なくなってる。

「速いし威力もあるけど、動きは単純だ。問題があるとすれば、デカくて刃が通りにくいところか」

 ジャスも躱す間際に剣で切りつけてる。けど軽い切り傷をつけるのがやっとみたい。

 けど左右を同時に攻撃するのって複雑で難しいよね。正面がら空きなんじゃない。

 まずは視界を奪う。大きくてつぶらな瞳、射貫かせてもらうよ。

 ビィィんと弦の音を残し、矢が飛来していく。決まって。

 タコは残っている足の一本を振り上げると、矢を宙へと叩き飛ばした。

「ちょっと、どこまで器用なのよ」

「来るよエリス!」

「なっ!」

 タコが反撃とばかりに、口から黒い球体を吐き出してきた。そんな遠距離攻撃を持ってるなんて聞いてないんだけど。

「けどそんな攻撃なんて、簡単に射落とせるんだから」

 二の矢を番えて速射。寸分のブレもなく矢が黒い球体に命中。

「はっ?」

「あっ、わぁぁぁぁ」

 球体が弾けた。黒の液体が視界いっぱいに広がり、アタシとジュンに降りかかってくる。

「エリス」

 どうすることもできず、思うがままに浴びてしまう。粘っこくて生臭いけど、痛みとかは感じない。

「ぶえっ、ぺっ。何よこれ。嫌がらせもいいところじゃない。気持ち悪っ」

「エリス逃げろっ!」

 えっ?

 タコスミを拭って見渡すと、タコの足がアタシ達に迫っていた。

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