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俺が異世界で魔王になって勇者に討伐されるまで  作者: 幽霊配達員
第4章 海原のアクア
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278 アクア・タカハシ

 海にはたくさんの生物が暮らしている。

 大っきなクジラなんかいれば、小さな微生物やプランクトンもいる。

 海底にへばりついているイソギンチャクもいるし、貝やヒトデなんかも生きている。

 深海魚なんかは形が様々すぎて、一括りに出来ないくらい。

 みんな当然生きていて、同種で群れを成すのはもちろん、全く違った種族同士でも共存する。

 逆に天敵に狙われて食べられちゃうことも日常茶飯事。

 食物連鎖のヒエラルキーは当然のようにある。仲間が食べられたからって各上相手に復讐なんてまず起こらない。

 だから私、わからないんだよね。大切な人を殺されたとき、相手を憎んだり恨んだりする気持ちが。

 悲しいのはわかるよ。お母さんが死んだと思った時、ものすごく悲しかったもん。

 けど復讐したいって気持ちにはなれなかった。

 お母さんは使命を背負って、無事に果たして、海に果てた。だからきっと悲しくても、喜ばしいことなんだ。

 私たちも使命を持っている。人以外の生物じゃ抱くことの出来ない物。

 海で生きる生物はみんな、今を生きるのに精一杯で、将来こうなってやるって夢をまず持たない。

 使命とか夢とかってきっと、人間に生まれた特権なんだと思う。

 シンプルになりきれないから強くなりすぎてしまう。ヒエラルキーの上にいる生物に闘いを挑み、勝利してしまう。挙げ句、同族同士で大きな争いをする。

 海よりも陸地の方が広さに制限があるから、狭い場所を奪い合う。

 だからどこかで、誰かが帳尻を合わせなきゃいけない。

 人間が必要以上に好き勝手出来ないように。今一度、人間は海に適応していない生物だと教えなきゃいけない。

 それが私の使命。ホントは、使命なんて気にしないでお父さんやチェル様、弟や妹達と暮らしていけるのが一番なんだけどね。

 けどしょうがないよね、お父さんが必死でかっこいいんだもん。私も手助けしたい。例え命に代えても、お父さんの役に立ちたい。

 だから私、精一杯がんばるの。

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