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俺が異世界で魔王になって勇者に討伐されるまで  作者: 幽霊配達員
第3章 魔王と勇者の輪廻
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253 一家総出の復讐を

「改めて言われるまでもありません。自分は父上の刀となり、使命を貫きます。母上が使命を果たし、尽き果てたように」

シェイが切れ長の瞳をまっすぐ向けて宣言した。

背は俺より頭一つ分ぐらい低く、胸は慎ましい。黒いおかっぱ頭がサラサラとなびいていて、色白の肌が黒を引き立てている。

身を包んでいるのは、時代劇に出てくるようなクノイチの黒装束だ。

「ケッ、ダセェババァだ。運命通り勇者に殺されるなんてよぉ。もっと抗ってみせろってんだよバーカ。僕は勝つぜ。絶対(ぜって)ぇによぉ!」

 赤く光る瞳から涙を零しながら、デッドが吐き捨てる。

 ピンクのシャツに紫のパーカーを羽織っており、下は紫のカーゴパンツだ。

 身長は俺よりも高く、手足が細長い。ヒョロいようでありながらシッカリ引き締まっている。

「風が寂しいよ、母ちゃん。ウチ、もっと元気な風に乗りたい。もっと、もっといっぱい空を……一緒に……」

 普段の元気さが完全に消沈してるのはエアだ。

 黄色いボサボサのベリーショートに小学校高学年ぐらいで止まった身長。胸も同様に小学生並みだ。

 黄色いノースリーブにデニムのホットパンツと軽い格好をしている。

「マミーも勇者のヤローにやられてしまったわけか。非常に腹立たしいね。せめて、勇者一行の乙女に討たれている事を祈るよ」

 なんかよく分からん思考をしているのがシャインだ。

 白い長髪を背中に流していて、俺より頭一つ半ぐらい背が高い。黙っていれば二枚目なんだが、いかんせん喋ることが碌でもなくて困る。

 青くキリッとしたワイシャツに、白いスラッとしたスーツパンツ姿をしている。背筋もピンとしていてかっこいい。ほんと黙っていれば二枚目なんだけどなぁ。

「キャハ。あの中でママも死んでるんだよねー。正直ウザかったから清々するー。なにのどうしてかなー。全然笑えないやー」

 ムリに口元で笑おうとしながら、オレンジの瞳から涙を流しているのはヴァリーだ。

 胸元が開いたセクシーな赤いドレスを着ているのだが、現実は残酷で、寄せて上げられるほどの胸が存在していない。スカート部分はフリルをふんだんに使った三層式だ。

 背も小さめで、女の子らしいかわいさが残っている。本人はグラマー希望……儚い。

 赤いくせっ毛をツインテールに括っている。

「おかーも散っちゃったんだねぇ。分かってたつもりだったのになぁ。思ったよりツラいよぉ。世界ってぇ、こんなにも暗く感じちゃうんだねぇ」

 無感情そうに語るフォーレ。いつも眠そうな碧の瞳は潤んでいて、肩が震えている。

 薄緑のバトーネックに科学者じみた白衣を羽織っている。下は薄茶色のボックススカートだ。

 身長は俺と同じぐらいで、女の子にしては背が高い。何よりバストが豊満だ。栄養がっていうより、他の姉妹たちのバストを全部吸収したんじゃないかって思わせるほど実っている。肩が凝るから邪魔だって言ってたっけか。ヴァリーに睨まれてたな。

 髪は緑色で、ボサボサなミディアムだ。

 今は完全人化してるが、ハーフ状態だと頭に葉が生えている。子供の頃は双葉だったのに、気づいたら、葉の形状も月下美人の物になっていた。

「母さんは力の限り戦い、役目を貫いたんですね。だったら俺も全力で戦います。どうか、見守っていて下さい」

 グラスがコブシを力強く握って宣言する。

 茶色い切れ目にワイルドな金のショートヘアをしている。背は俺よりちょっと高い程度だが、筋肉の膨れ具合はトップクラス。デ○プシーロールでも撃てそうな逞しさをしている。

 黒タンクトップの上からでも、はち切れんばかりの筋肉が浮かび上がっている。下はミリタリーのカーゴパンツだ。

「お父さん……」

 言葉少なく青い瞳で見つめてくるアクア。ツッと頬を伝った涙がポツンと落ちる。

 アクアはちょっと前に俺のことをパパからお父さんに呼び変えた。ヴァリーに呼び方が被ってるから変えてってクレームがあったようだ。

 ウェーブのかかった青いユルフワの髪を肩先まで伸ばしている。

 腰部分のリボンがアクセントになっている水色のワンピース。胸も平均的に膨らんでいるのだが、姉妹の中で二番目に大きいのだからなんとも言えない。平均より小さいのが三人もいるってなんなんだろうな。

「アクア、大丈夫か?」

 確認を取ると、目をつむってコクリと頷いた。再び目を開き、挑むような視線をする。

「大丈夫……だよ」

 大丈夫なもんか、ムリしやがって。

 アクアの頭を撫でてから、俺は再び魔王城を眺めた。

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