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俺が異世界で魔王になって勇者に討伐されるまで  作者: 幽霊配達員
第2章 建築!!魔王城『タカハシ』
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203 度を超えたパフォーマンス

 チェルちゃんと根回ししただけあってー、ヴァリーちゃんたちは一番手のステージに上がったよー。

 会場のみんながザワめいたねー。

 アクアが怖気(おじけ)づいちゃったけどー、フォローはバッチリ入れたからモンマンターイ。

 しょうがないお姉ちゃんだねー。

 ヴァリーちゃんが推理するにー、楽器を弾きながら美声を競うたおやかなコンテストなんだろーねー。

 参加者のドレスはみんな煌び(きらび )やかで動きづらそうだったもーん。本来は優雅(ゆうが)さと気品のよさとー、そして美声と楽器技術を競うんだろーねー。

 激しく歌って踊るのはー、ヴァリーちゃんたちぐらいだねー。

 先に他の人たちのを見ちゃったらー、お姉ちゃんお兄ちゃんたちが場違いってことに気づいちゃっうからねー

 気持ち一つで動きが悪くなっちゃうからー、一番手じゃなき実力半減なんだー。

 ヴァリーちゃんたちは異物(いぶつ)なんだけどー、だからこそ目立つんだよー。良くも悪くも注目の的になるだろうからー、どうなるか楽しみー。

 観客席を眺めるとー、パパとチェルちゃんを発見したのー。パパってばビデオカメラの魔道具を持ち込んでるよー。

 映像にして残したいんだろーねー。機材が壊れるまで何度でも観てくれると嬉しいなー。

 みんなで礼をしてー、コンポの魔道具をセットしてからパフォーマンスを始めたんだー。センターはもっちろーん、ヴァリーちゃんだよー。

 軽快でポップな音楽が会場に大音量で流れ出したよー。リズムに乗ってステージをフルに使いながらー、身体をいっぱいに動かしてダンスを始めたんだー。

 小さなグループを作ったり離れたりしながらー、スマイルで()せることを意識するよー。

 更に他の人たちにはできなさそうなー、魔法を使ったパフォーマンスもプラスしたんだー。

 フォーレに花びらを作ってもらってエアの風で舞わせたりー、アクアの水気とシャインの光で虹を作ったりしたのー。

 みんなそれぞれに得意な魔法があるからー、無限の組み合わせが可能だねー。

 デッドの毒でさえー、色鮮やかな紫を演出できるんだからー。もちろん無害だよー。

 武力がモノをいう戦いじゃないからねー。

 最初は訝し(いぶか )げな表情だった観客たちもー、曲が進むにつれて楽しく乗ってくれたのー。

 審査員にはまがい物扱いされているだろうけどー、平民の心はバッチリつかんだねー。

 洗練(せんれん)された音楽を趣味に持ったー、高尚(こうしょう)な人もなかにはいると思うよー。

 けど間違いなく少数派だねー。貴族みたいに建前(たてまえ)を大事にしないだろうしー、明るく元気な方が普通は楽しーもーん。

 衣装も色鮮やかだからー、子供とかの憧れになるよねー。

 曲が終わって最後のポーズをバッチリ決めたらー、お客さんから盛大な拍手が返ってきたよー。

 みんな楽しそうな顔をしているねー。

 パパを見たらー、涙を流していたよー。そんなに感動してくれたならバンバンザイだねー。

 終わってからー、他のパフォーマンスを観覧するのー。予想通りに一人で楽器を弾きながらー、優雅(ゆうが)に歌っていたよー。

 歌声もキレイで洗練(せんれん)されていたんだけどー、ヴァリーちゃんたちの激しいパフォーマンスを見た後だと眠くなっちゃうねー。

「ねぇ、ヴァリー。ひょっとしてこのコンテストって、静かで品のあるものだったんじゃ」

 何人か観覧していたらー、アクアが不安そうに(すが)ってきたよー。

「うむ。間違いなく俺たちは、やらかしただろうな。大丈夫なんだろうか」

「あははっ、土俵(どひょう)を間違えちゃったかな」

 グラスの顔が青褪(あおざ)めてー、エアが苦笑しだしたよー。

 身体がカッチカチになっているねー。やっぱり何も知らせないうちに踊って正解だったよー。

「別にいいじゃーん。だってヴァリーちゃんたちなんだもーん。周りに合わせる必要なんてないしー、どうせすぐ実家に帰るんだからー」

 だから細かいことでイジイジしないのー。それに良くも悪くも目立つからこそー、心に刻まれるんだよー。

 (わく)のなかの小細工(こざいく)合戦(がっせん)に参加する気はー、最初からなかったんだからー。

 ヴァリーちゃんたちのことは間違いなくー、当分は頭から離れないねー。

 ちなみにシャインはー、グラスに背負われて寝ちゃってるよー。シェイとエアと三人で人目のつかない所に行ったらー、眠っちゃったみたーい。

 ヤローの臭いがとか寝言をいってー、うなされているねー。

 そんなこんなで全ての演技が終了したんだー。

 厳正(げんせい)な審査の結果ー、ヴァリーちゃんたちは見事にランク外だったよー。

 やっぱりー、まがい物だったんだねー。仕方ないねー。

 表彰台の上に立つー、ドレスで着飾った少女たちを眺めたんだー。

 みんな嬉しそうに拍手を受けていたけどー、内心はどーなんだろー。

 確かに鍛え上げた技術で他の参加者を蹴落(けお)としたんだろーけどー、民衆に貴族の崇高(すうこう)嗜み(たしな )を見せつけることには失敗してるんだもーん。

 一般客はほとんどー、ヴァリーちゃんたちの演技で話が持ちきりだったんだからねー。

 あの滲み上がる憎しみー、(たま)んないよー。身体がゾクゾクしちゃーう。

 ヴァリーちゃんは弱い者いじめも好きだけどー、強い者いじめもだーい好きなんだー。

 貴族の傲慢(ごうまん)建前(たてまえ)は打ち(くだ)いてやったんだからー。

 ざまーみろー。キャハ。

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