表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺が異世界で魔王になって勇者に討伐されるまで  作者: 幽霊配達員
第2章 建築!!魔王城『タカハシ』
202/738

201 気合の衣装

 コンテストの控室(ひかえしつ)は思ったよりも広かったよー。参加者全員が集まっているみたーい。

 清潔(せいけつ)に整っているしー、スペースにも余裕があるねー。

 ふっかふかのソファーもたくさん用意されているしー、ウェイターみたいな人も控えているのー。頼めば飲み物を出してくれるもたーい。

「キャハ。ついにコンテストだよー。みんな楽しみだねー。パパが素敵な衣装も作ってくれたしー、気合入っちゃうよー」

 ヴァリーちゃんは赤を基調(きちょう)にしたセーラー服風のアイドル衣装なんだー。ヘソチラで胸元におっきなリボンがついててー、スカートはフリルがふんだんのミニなんだー。

「うぅ、ヴァリーはポジティブで羨ま(うらや )しい。私、さっきから足が震えっぱなしだよぉ」

 アクアってば自信なさげに俯い(うつむ )ちゃってるー。せっかく()える衣装を着ているのにもったいないなー。

 セーラー服風でヘソチラなのはヴァリーちゃんとー、っていうか姉妹みんなと一緒だよー。

 アクアは青が基調でー、胸元のリボンは細長いのー。スカートはマーメイドスカートなんだー。魚のイメージって優雅(ゆうが)だよねー。

「リッラクスだよぉ。場所なんて気にせずにぃ、普段通りにいこぉ」

 フォーレは緑のネクタイにー、花が咲いたようなブルームスカートを穿()いてるのー。ゆったりしていてかわいいのー。

「ケッ。どうでもいいからさっさと終わらせてぇぜ。なんでこんなことになってんだか」

 苦い表情をしながら毒をつくのはデッドだねー。そんな事を言いながらもー、つき合ってくれるから大好きだよー。

 兄弟陣はスラッとした学生服の衣装が基本なんだー。

 デッドは紫色でー、ブレザーの前を開けているワイルドな姿だねー。長袖長ズボンが似合ってるー、かっこいーやつだよー。

「まぁそういうな。可憐(かれん)なる末妹(まつまい)のお願いなんだ。盛大に聞き入れようではないか」

 シャインは終始(しゅうし)ご機嫌すぎて引くぐらいだねー。でもパパの衣装を着ているからかっこいいんだー。馬子(まご)にも衣装だねー。さっすがパパだよー。

 白色をベースにしていてー、キッチリとボタンを閉めてるから凛々(りり)しいんだー。背も高めだから着こなしもバッチリー。

「あはは。ダンスが終わったらシャインと遊びたいな。ホントは今すぐ遊びたいんだけど、疲れさせるわけにもいかないもんね」

 エアが技を()めたくてウズウズしていたよー。終わったらなんの気兼(きが)ねもなく落としちゃってねー。

 エアは黄色い衣装だよー。胸元をちょっとはだけさせていてキュートなんだー。下は黒いスパッツの上に短パンを穿いているのー。活発でいい感じー。

「自分も最後のトドメを手伝いますよ。鬱憤(うっぷん)が溜まっているので発散(はっさん)したかったんです」

 シェイは怒りを空気に(にじ)ませていたねー。演技中(えんぎちゅう)はしまってほしいなー。

 黒色をベースにしていてー、リボンの代わりにスカーフを巻いていたのー。フレアスカートは足首まで肌を隠しているだけどー、足首にチラリズムがあってセクシーなんだー。

「シャインの()(ゆえ)はどうでもいいから、さっさと終わらせたいものだ。俺は堅苦(かたくる)しくて(たま)らない」

 眉間(みけん)にしわを寄せてー、グラスが迷惑そうにため息をついたのー。

 色は落ち着いたベージュが基調なんだー。なのに衣装はー、半袖半ズボンで元気のよさを(おもて)に出しているのー。アンバランスさがまたいいよねー。

「なんでみんな平然とできるのぉ。場違いだと思っているのは私だけなのぉ」

「そんなのはぁ、今更だからねぇ」

 オドオドと縮こまっているアクアをー、フォーレがバッサリ切ったのー。フォローのつもりだったのかもねー。

 周囲を見てみるとー、ドレスを着飾った少女たちがたくさんいるよー。品のよさが滲み出ている貴族たちだねー。

 参加リストを見てみるとー、個人で勝負する子がほとんどみたーい。

 お(いえ)の上下を決めるコンテストなのかなー。それともヒエラルキーを確認させるためかもー。

 みんなバイオリンとかの楽器を持っていてー、メイクもバッチリ決めているよー。

 ヴァリーちゃんたちはすっぴんだけどー、負けるつもりはないねー。

 アクアが怖気(おじけ)づいちゃう理由もわからなくないんだー。ヴァリーちゃんたちは異物(いぶつ)だからー、視線が集まっちゃうんだー。

「アクアにアドバイスだよー。他の人たちはどーでもいいのー。大切なのはー、パパに練習の成果を見てもらうことだけなんだからねー」

「パパに」

 (うれ)いで()れていた眉が、少しだけ山なりに戻ったねー。

「そーだよー。実家にいるつもりでエンジョイしよー。失敗しても気にしないでねー」

「そっか。そうだよね。ありがと、ヴァリー」

 アクアはパパの事だけ考えてくれたみたーい。肩の力が抜けたよー。そうじゃないと実力半減しちゃうもんねー。

「その調子だよー。まだ演技まで時間あるしー、ヴァリーちゃんは外の空気を吸ってくるねー」

 他人の事なんてどうでもいいんだけどー、空気がギスギスでちょっと気分が乗らないんだよねー。楽しいことを考え直さなきゃやってられないよー。

「キヒッ、迷子になんなよヴァリー」

「ご忠告(ちゅうこく)どーも、デッド」

 笑顔で手を振って廊下に出たよー。

「ふーっ。テンション切り替えなくっちゃねー。あの参加している貴族の子たちを全員ビックリさせてやるんだからー……あれー」

 ドアを背に笑っていたんだけどー、廊下の奥から声が聞こえてきたのー。

「なんだろー。行ってみよーっと」

 楽しい予感がしたからー、音を立てずにスキップしたよー。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ