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俺が異世界で魔王になって勇者に討伐されるまで  作者: 幽霊配達員
第2章 建築!!魔王城『タカハシ』
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130 工事は進むよどこまでも

 日替わりで魔物をイッコクのへそに送りながら、ヴェルダネスと魔王城建築予定地の工事が進められた。

 特に重点となっているのが温泉作りだ。木材はヴェルダネスに植えて、フォーレが急成長させた木々を使っている。

 切り倒しては急成長を繰り返す木々には、風情(ふぜい)欠片(かけら)も感じられなかったぜ。

 岩風呂の工事も同時進行している。日を追うごとに労働力の魔物が増えるので工事のスピードが倍プ○シュで進む進む。

 ちなみにヴェルダネスにも温泉を伸ばせないか相談してみたら、下手に伸ばすよりも新しく源泉を掘った方が早いって結論になった。

 村人に魔物を慣れさせながら農業と料理、そして家に常備してある家具の使い方を教えていく。

 目標は村人に生活が()った二人三脚。あくまでメインは村人だ。

 幸い(さいわ )若い衆が戻ってきたことで労働力の足しにはなった。後は(あめ)(むち)を使いようだな。

 そんなこんなで温泉の状態も整い、極上の露天風呂が完成した。

 とはいえ荒地しか見えない。壁を作っていないので露出MAXの覗き放題なわけだが、覗く側も覗かれる側もいないので気にならない。

 とうぶん人がこないので追々(おいおい)になるだろう。怖いのは身内事故ぐらいか。俺とチェルは勿論(もちろん)のこと、シャインと娘たちが鉢合(はちあ)わせるのがマズい。

 やっぱり壁、早い段階で必要かもな。

 それと、いつまでもヴェルダネスから木材を伐採(ばっさい)してくるのもどうかと思う。温泉も整ったことなので魔王城近くの緑地化にも力を入れ始めた。

 フォーレの手があいたときに、一気に終わらせるつもりだ。

 イッコクのへそ以外の部分でいえば、地下道だな。

 北西にある島国を目指して、グラスを中心に掘り進めているところだ。

 侵略予定地の視察……と言う名目(めいもく)のバカンスを楽しもうと思っている。

 殺風景なところをマ○クラするのも楽しいが、ずっと開拓ばっかじゃ飽きちまうからな。

 チェルの話じゃ南国に近い感じらしい。魚介類が豊富で、砂浜がきれいなんだとか。ンでもって、一年のうち七割が夏の気候をしているそうだ。

 つまり陽射(ひざ)しの(まぶ)しい季節に、地下鉄が開通する可能性が高い。

 となるとやるべきは海水浴だ。

 俺は水着を作るためにマイルームでググり、我が家の地下を使って水着の製作(せいさく)を開始した。

 魔物の皮を加工することで、水着に(てき)した素材を作り出すことに成功。

 いや、別に魔物を殺してなんていないんだからね。相談したらチェルが用意してくれただけなんだから。

 そもそも、俺が魔物を殺そうとすれば返り討ちになること間違いなし。子供たちに頼むのも恐れ多い。

 話を戻そう。いくら適しているとはいえ所詮(しょせん)は皮だ。直接肌に触れるには心許(こころもと)ない……気がする。

 まずはクモの糸を編んで作った布で下地(したじ)を作って、その上に()いつける形にしようと思っている。

 俺のググりスキルでは残念ながら詳細(しょうさい)な水着の作り方を見出(みいだ)すことができなかった。なので試行(しこう)錯誤(さくご)でごまかすことにした。

 とはいえ服作りはスピード作業。俺の子供たちは普通の人間より成長が四倍は早い。

 成長した姿を想像して作らなければ、せっかく作ったのに着られないっておオチになってしまう。

 ある意味ではヒヤヒヤする作業でもあるぜ。

 そう考えると俺とチェルの分は楽だな。最悪、俺はなくてもいいわけだし。

 ついでにチェルが着てくれるかも()けだぜ。

 ちなみに家の下地のではデッドが送ってくれたクモ型の魔物、牛鬼(うしおに)が糸を紡いで布を作ってくれている。

 牛の顔にクモの身体をしているグロい見た目だ。仲良くなれているとは思うが近づくのは恐ろしいぜ。ゴクリ。

 裁縫に慣れてきたとはいえ、さすがに糸から布、更には繊維(せんい)から糸にするのは俺には無理だ。

 趣味の範囲で役に立っているかどうかはわからないが、できることをやっていく。力仕事は不可能だったからな。

 ひょっとしたら俺のスキル『経験値ブーストL』が裁縫とかの家事で働いているのかもな。あれ、なんか泣けてきたかも。

 とにかく、待っていろよ真夏の海。そしてバカンスよ。子供たちの笑顔が今から楽しみだぜ。


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