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食物人間 -しょくにん-  作者: 弦陸 流音
第二章 運命と選択
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第二章 第四話

第四話


まさか女のしょくにんの頭に花が咲いているとは思わなかった。


「こんにちは サラはいるかしら…あれ?君もしょくにん?」


「あ、ああ。サラは今奥で取り込んでるよ。

って君は…もしかして女のしょくにんか?」


「の、のぶなが!こっちにきてくれ! サラーお客さんだ!」


情報量が多くて少してんぱってしまった。



奥で昼食の準備をしていたサラがこちらに来た。


「あら、ロージーじゃない! 久しぶりね! 座って座って!

ほら、デルタ のぶなが もてなしの準備」


「お、おおお、お茶お茶」

俺たちはあたふたしながらも、ちょっとしたお菓子と紅茶を準備した。


「なんだ 一瞬サラに彼氏でもできたのかと思っちゃったわ」

「まさか 今はそんなこと考えている余裕はないわ」


ロージーと言われたしょくにんは、サラのほほを指で指す。

「そんなこと言ってると婚期逃しちゃうわよ」


「うっさいわ。ところで珍しいわねホント。半年ぶりぐらいかしら?」



ロージーは真剣な顔をした。

「今日はね、もうすぐしばらく会えなくなっちゃうからその前に報告と挨拶にね」


だが空気の読めないのぶながは。

「びっくりしたぜ、まさか女のしょくにんがいるとはね」


「あたしはエビスの施設で育ったんだけど、

そこには女のしょくにんしかいなかったわ。

スタッフもほとんどが女性よ」


恵比寿か、新宿とそこまで離れていない。

女だけのしょくにん施設…。


「私も国内の施設数とかまでは把握しきれていないけど、

性別は完全に分けられて施設で育つのよ」

とサラは言った。


「へ~そうなのか 俺たちって知らないことだらけだな な?デルタ」


なぜ…男女のしょくにんが分かれて飼育されるんだろう。


「ああ だが知らなくてもいい事も世の中たくさんある。

施設だけで生きるのには必要ない事だからな」


そう、施設には閉じられている知識がたくさんある。


「そういうのがムカつくんだって!

俺たちしょくにんをなんだと思ってるんだ」


しょくにんはしょくにんだ。

だが、のぶながは施設で暮らすことを拒んだ。


「だから俺たちは脱走したんだろ?」

「よくわかってるじゃないかデルタ君」


なんてことない いつもの会話だ。


あ、俺達の世界に入ってしまっていた。


「わりー邪魔しちゃったな。 続けてくれ」


いや、ここは譲れない。

「ご、ごめん もう一個だけ聞いていい?」


どうぞと言われたので俺はつづけた。

「女のしょくにんはみんな頭に花が生えるのか?」


「はぁ?」/「はぁ?」

ロージーとサラは言った。


「それバラだよな? なんで頭にバラが咲いてるんだ?」

「はぁぁぁぁぁ デルタ君。君は女心ってやつが何一つわかってないのね」


サラは聞いたこともないようなため息をついた


「コサージュ 造花のアクセサリーよ おしゃれなのよ オ・シャ・レ」


アクセサリー、と聞いて。

「あ、なるほど作り物なのか 納得した」


うんうんとうなずく横で。


「デルタ おまえマジねーわ…」

とドン引きしているのぶなががいた。


「うちのデルタがホント失礼なことを聞きました。

ロージーさん こいつこう見えても秀才なんだ。

秀才過ぎて頭の中辞書よりかてーのなんのって…。

いつも一緒にいる俺も大変でしょ?」


またサラはため息をつき。

「どっちもどっちよ」


サラはさらっと答えた。


俺達はあれだ。およびでない。

「のぶちゃん あっちでトランプしましょ」

「ええそうしましょ デルちゃん」


二人の邪魔にならないようにソファーに移動した。



紅茶を飲み、ロージーが口を開く。

「あたしね、一時的に外しょく辞めることにしたんだ」


クッキーを1枚つかんだサラが、

「そうなのね 他に何かやりたいこと見つかったってことね?」


「うんそういうこと、

東京からも離れることになるわ。まあいずれ帰ってくるけど」


なんとも活動的な人だな。


「それで挨拶に来てくれたのね」

「サラには絶対に最後に会っておきたかったからね 」


ふ~ん しょくにんも外しょくに入れるのか。


と聞き耳立ててると。

「ドボン! 4は持ってないだろ? ハイ上がり」


のぶながの声がではっとした。


「しまった!今日の食器洗いは俺か」

盗み聞きに集中力が切れてしまった。


「このゲームで勝てないようじゃ、かんべえの名はくれてやれねぇな」


「将軍 私はデルタと名乗ることに決めたのです」


「ねえサラ あの二人いつもあんな感じなの?」

「えぇ、なんてことないわ。いつもの会話よ」

やれやれと呆れた様子のサラだった。



ピンポーンという音とともに

「ただいまー!」

という元気な声が聞こえてきた。


「え、サラ 隠し子?」

「ちょっと!ドラマの見過ぎじゃない?

身寄りがない子供で保護しているの ユキ 挨拶して」


走ってランドセルを置いてユキは戻ってきた。


「こんにちは ユキです もしかしてしょくにんさんですか?」


「正解! あたしはロージー サラのお友達よ ユキちゃん可愛いわねぇ」

ロージーはユキの頭をなでる。


「あー!トランプやってる! のぶのぶ デルくん 私も入れて!」

といってこちらに来た。


「大所帯ね サラ 」

「ええ、親の気持ちが少しわかったわ 3人も子供がいるから…」


え、三人?何を言っているんだサラは。

子供は二人だろ。


「私を保護してくれた時は二人だったもんね。楽しかったなあの時は」

ロージーとサラは昔話を始めた。


「いいのよ?あなたもここで暮らしても 少々生活費はいただくけど」

サラの言葉を聞いてロージーは即答する。


「いや、それでも私はここを発つわ」

固い決意をす口にするロージーの目は輝いていた。

そのあとも二人は思い出話に更けていた。


「しかし驚いたな、女のしょくにんがいるなんて」

「だよな いいかデルタ 静かに喋るぞ」


どうしたんだのぶながは

「顔は違うかもしれないが、身体はサラと見比べてみればわかるが、

しょくにんの身体は男女で差がなさそうだな」


なるほど、これは聞こえたら鬼形相のサラが降臨なされるに違いない。


「身長も俺達と変わりないな」

「ってことは」


のぶなが「顔意外は全部同じだ」/デルタ「しょくにんの男女の差は首から上だ」

不思議なもんだ。


「今日は面白いこと知れたな」

女性陣には聞こえていないはずだ。


「なにあいつらコソコソ話してるのかしら」

変なやつらね、ってロージーと話した。


「でねサラ こっちが本題なんだけど、私、活旗党で活動することにしたのよ」

「え、活旗党に…」


その言葉を聞いて、サラの表情は曇った。


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