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第68話 帰路前の一服と謎の白いバン

 島田はそのまま道の駅の広場を見回した後、岩場から海が一望できる位置に灰皿があるのに気付いてそちらに足を向けた。


 その途中に駐車場に途中で置いてけぼりを食らわせたあの赤い十字と島田には理解できない文字の書かれたバンとは別の白いバンが止まっているのに気付いた。


「地球人の宗教好きは凄いんだねえ。でも、この東和じゃ流行らないよ。西が言うには甲武は結構新興宗教は盛んらしいからあの国に行きなよ。まあ、あの国の平民は金がないから言っても無駄かもしれないけどさ」


 そう言いながら島田は朝、愛飲する缶ピースから抜いて来たタバコの入ったシガレットケースとジッポーを取り出した。


 灰皿にたどり着くと海を見ながら島田はタバコに火をつけた。


「今頃は西園寺さん達は昼から宴会だろうな……神前の野郎は西園寺さんやあの勢いだと日野少佐まで悪戯してくるみたいだからもう潰れてるかもな……そしてそのまま童貞喪失ってのもアリかもよ。まあ、その記憶がおぼろげってのもいかにも奴らしくて面白いじゃん」


 そんな独り言を言いながら島田はタバコをふかした。


 海は風が吹いていないのにかなり荒れていた。


「やっぱ、サラと一緒に来るんだったかな……隊長とお蔦さん……つまり、俺は不死人だからサラは俺と結婚してそう言うことをすればサラも不死人になるわけだ……永遠のカップル……良い人生じゃないの」


 下品な笑顔の島田を遠くから家族連れが変なものを見るような目で見つめているのが分かって島田は真顔に戻ってタバコを吸うことに集中した。


「でも、そうすると百年とか二百年に一度しか子供が生まれないんだろ?百年後に育児?そんなの育児方法を忘れるんじゃねえのか?と言うかサラの奴も百年も経つと俺に愛想をつかすかもしれねえな……それは嫌だな。これからはサラにはより優しくしよう。俺が欲しかったCBR750が手に入った今、俺には他に欲しいものは……エロビデオは欲しいな、あれは……男の欲求だから」


 島田は言い訳がましくそう言うと再び例の白いバンに目を向けた。


「しかし、あのバン本当に目障りだな。最近どこに行っても居やがる。しかも運転しているのは全員外人。それも興味本位でアメリアさんが話しかけたら英語をしゃべってたってことはアメリカ人か……遼州圏の外人はみんな日本語が喋れるからな。まったく地球の侵攻宗教か……変なものを広めるのは隊長が風俗でもらってきたという梅毒だけにしてくれよ」


 冗談めかしてそう言うと短くなったタバコを灰皿に押し付けて島田は自分のバイクに向って歩き出した。

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