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第67話 伝説のヤンキーの喧嘩必勝法

「おい、兄ちゃんたち。汚い目で俺のバイク見るのやめてくんねえかな?」


 ヘルメットを手にした島田は余裕の笑みを浮かべて自分のバイクを取り巻く『族』の若者に声をかけた。その挑発的な言葉に明らかに敵意むき出しにして若者たちは島田を取り巻いた。


「おい!誰の目が汚いっていうんだよ!言ってみろ!この野郎!」


 リーゼントに特攻服と言う17歳の島田がしていたような格好のどう見ても二十歳前後の若者の言葉に島田は黙ってそこにいる全員を指さした。


「舐めてんのかこら!」


 今度は金髪の長髪の男が手にしたヘルメットを島田の足下に叩きつけて島田を挑発する。


「おう、舐めてるよ。まずさあ、最初の俺の一言でキレて殴りかかってくるぐらいがヤンチャ盛りの若いのの特権だろ?その時点で俺はオメエ等を舐めてる。それにオメエ等のバイクの横には喧嘩用の鉄パイプとか金属バットや釘パイプを入れるような筒が付いてない。俺の時代はそんなの付いてて当たり前。いつ、どこの『族』が縄張りでデカい顔するか分からねえからそいつ等を襲撃するためにそんなのを付けてるのが普通だった……最近の『族』は口だけで大人しいんだねえ……そんなに警察が怖いの?だったらそんな車検も絶対通らないようなバイクやめちゃいなよ」


 島田の上目遣いに軽蔑する口調で語る調子にキレた若者たちはいっせいに島田に襲い掛かった。


 まず、最初の金髪の男のストレートをかわした島田はその腹を右ひざで思い切り蹴り上げた。背後から掴みかかるリーゼントの男には身をかがめるとその顎に向けて頭突きをかます。さらに左から来た赤いモヒカンのスカジャンの小柄な男の顔面には左回し下痢をお見舞いした。


 その一瞬の島田の動きに絶対に袋叩きにできると笑ってこぶしを握り締めていた若者たちは瞬時に戦意を喪失した。


「なに?これで終わり?最近の『族』は飽きっぽいんだね。俺がオメエ等……いや、オメエ等よりも三つ四つ若かったころにはもっとすごいカチコミなんて当たり前だったのに……三人やられたくらいでもうおしまい。まあいいや、下手に騒ぐと本当に警察が来るからな。俺、警察関係の仕事をしてるから県警に職質されると後でこのことがお世話になってる俺の尊敬しているちっちゃい上司にバレて面倒なことになるんだ。どうせ俺には勝てねえっえ分かったんだろ?じゃあ、そのままバイクに乗って、真面目な整備工場に行って、メーカー出荷状態に近づけてくださいって頼んで来いよ。オメエ等にはそんな格好だけのバイクに乗る資格はねえ!」


 どすの効いた島田の言葉を聞くと『族』達はバイクにまたがって逃げるように道の駅の駐車場を出て行った。


「最近の東和の10代前後は根性がねえな。確かにうちの隊でも根性がある10代は西とパイロットのアンだけだ……まあアンは『男の娘』だけど」


 そう言うと島田は一息ついて海を見ながらタバコを一服としゃれこもうと喫煙所へと足を向けた。

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