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第60話 着替える女性陣の中に取り残された『モテないヒーロー』

 ロッカールームでは強制的にかえでとリン以外の女性陣に囲まれて着替えをさせられている誠以外の男性部員とそれを見守る看護師のひよこたちは今日の打のヒーローであり最後のスーパープレーですべてを決めた島田を中心にして盛り上がっているようだった。


 誠はかなめ、カウラ、アメリア、パーラなどの女性部員がまるで誠が男だということを完全に忘れているかのように堂々と着替えをする中に取り残されて目のやり場に困りながら着替えをしていた。


「しかし、島田が馬鹿なおかげで今日は勝てたな。アタシはアイツにもっと前で守れと何度も指示を出したんだが、アイツは完全に無視してフェンスの前で突っ立ってやがった。おかげであの好返球が生まれた……いつも武田さんが言ってる通りだ。野球は面白い」


 にやにやわらいながらGカップのブラジャーをさらけ出して笑うかなめに誠は真っ赤な顔をしてうなずいた。


「確かに、あの島田が馬鹿であるという前提が無ければ今日の試合は引き分けだったな。ヤンキーの野生の勘というものは恐ろしいものだ。もし島田に人並みの知能があって中間守備で守っていたら間違いなくアレはヒット……いや、足の悪い武田さんでも二塁まで言っていたかもしれない。そうなると一度ペースが乱れると一気に崩れる癖のある神前ならばそのまま逆転されたかもしれないな」


 胸が無いのでブラジャーの必要は無いのだが、見栄で明らかに胸のあたりがゆるゆるのスポーツブラをしているカウラはそう言ってかなめの言葉に同意した。


「まあ、今日は一番のヒーローはいつも通り誠ちゃん。次は島田君。そして陰の功労者はその誠ちゃんの能力をすべて引き出す投球をさせたかえでちゃんということかしら……誠ちゃん。もうキスはかえでちゃんとは経験済みだから飲み会の席で私達から見えないところでかえでちゃんにご褒美のキスをすることとかえでちゃんご自慢の胸を揉むことまでは許してあげる。それ以上は……たぶんやったらかなめちゃんに射殺されるから止めた方がいいわよ」


 アメリアもまた長身で大柄な体格を考えても見事なまでの大きさの胸のブラジャーを誠に見せつけながらそう言って誠に向けて笑いかけた。


「ああ、ご配慮有難うございます……」


 自然と膨らんでくる股間の違和感に耐えながら誠は急いでジーンズを履いてその場をごまかした。


「サラ、島田君へのご褒美はどうするの?彼氏が試合で大活躍したら彼女としては何かしてあげないと恥ずかしいわよ」


 地味な青い肌着の上にTシャツを着ながらパーラは隣で何もすることが無かったのでもうすでにいつものようなフリル一杯の春のカーデガンに着替え終えているサラに向けて声をかけた。


「そうね……今日こそ正人とキスして見せる!正人ったら『俺は30歳まで結婚しない!それまでキスもしない!おれは純情硬派を売りにしてるんだ!』って言ってばかりなんだもん……その割には隊長から聞いたけどエッチなことをした女の人が居るとか言う話だし、私だって……その……」


 女性陣が自分や島田のような『モテない宇宙人』である遼州人ではなく、全員地球の血を引く『モテる』側の人間なのだとその言葉から思いながら誠は少し情けない気分でシャツのボタンを締めて荷物をまとめる準備を始めた。

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