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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 不死人と謎の教団  作者: 橋本 直
第十四章 誠、最高のキャッチャーと出会う(変態)
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第50話 自信のある女キャッチャーと自信のないサウスポー

 誠も初球の逃げていく変化球にあっさり手を出して緩いサードライナーに打ち取られて『特殊な部隊』の攻撃は終わった。


「誠君、じゃあ行こうか」


 誠の大きめのピッチャー用のグラブを手にしたキャッチャーの防具姿のかえでが楽しそうにそう声を掛けてきた。


 いかにも面倒くさそうに誠をにらみつけながらバットを受け取るマネージャーの菰田の恨みがましい視線を浴びながら二人はマウンドに上がった。


「誠君。サインはすべて僕が出す。君はそれに従うだけでいい。僕の頭には相手のバッターの弱点のデータはすべて入っているし、君の苦手なバッターのタイプも知っている。君は僕を信じればいい。君が気楽に投げることが出来れば『菱川重工豊川』の強力打線はそれほど怖い相手ではないよ」


 余裕の表情でかえではそう言って誠の肩を叩いた。


「でも、相手は毎試合10点は取る強力打線ですよ……これまでのチームとは桁が違う……」


 弱気にそう言う誠にかえでは自信にあふれた笑みを浮かべて誠を見つめた。


「それは相手ピッチャーが君以下の素質だったというだけの話だ。うちでもあの粗暴なだけの島田は5回で13個も死四球を与えた。それじゃあ、点を取られて当然だ。ベルガー大尉はファーボールこそ出さないがあの程度のアンダースローピッチャーなら社会人野球にも五万といる。その点君のような相手には『菱川重工豊川』の打者も社会人野球の予選でも数年に一度お目にかかるかどうかというところだ。自信を持っていい。そしてそこで僕が配球をする。抑えられない方がどうかしている」


 かえではさわやかな笑みを浮かべてそのままホームへと歩いて行った。


『かえでさんはそう言うけど……そんなにうまくいくなら苦労しないよ』


 少し弱気の虫に取りつかれながら誠はかえでとの投球練習を始めた。


 敵チームのダグアウト前では一番の左バッターの髭のオジサンが素振りを繰り返しているのが見えた。


『左か……僕は左投だけど左打者は苦手……というか投げにくいんだよな。なんだかそのまますっぽ抜けて当てちゃうような感じがするんだ……右バッターならちゃんと勝負するという感じで投げられるんだけど……よりにもよって一番バッターが左バッター……』


 誠は不安を抱えながら一通りの球種をかえでに投げ込んだ。かえではこの前の合宿の時のように一球もミットから零すことなく誠の球を受け止めた。


 静かに、そしていかにも楽しそうに派手な社会人野球の『菱川重工豊川』と同じユニフォームを着た左バッターが打席に入った。


 誠は肩で大きく息をするとかえでが一球目にどんな球を要求して来るのか軽く前傾した姿勢でそのミットの下に出て来るであろうサインに全神経を集中した。

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