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第45話 色々揉める打順とつまはじきにされた人

「まったく、人の話の腰ばかりおる連中だな。続けていくぞ!五番、ファースト・叔父貴。六番、キャッチャー・かえで。七番、ショート・カウラ」


 ここでまた走り出てきたのはカウラだった。


「貴様は先ほど『実績重視』という言葉を使ったな?ならばなぜ私があの胸だけの存在の日野の後塵を拝さないといけないんだ?さっきの発言と矛盾しているとは思わないのか?」


 誠から見てもカウラは明らかにかえでを敵視している。同じ小隊長。そしてこの前の部隊の再編成で誠をかえでの第二小隊に奪われた。そして何よりも自分のコンプレックスである無乳に対し、かえではあまりに大きすぎる超乳の持ち主。カウラの殺意のこもった視線が涼しい顔のかえでの方に向かう。


「僕はそれなりに長打力には自信が有ってね。三番から続く大きいのが打てる打者が続くというプレッシャーをアベレージヒッターを間に挟むことで途切れさせまいというお姉さまの配慮というものだよ。それに僕のこの胸で敵のバッテリーを悩殺する効果もあるかも知れない。ああ、ベルガー大尉の無い胸では男と間違えて相手のチームも安心して投げられるだろうね」


 挑発的なかえでの言葉にカウラの顔が怒りのあまり真っ赤に染まる。


「下らねえ発言は止めろ!ここは神聖な野球場なんだ。これ以上下ネタを言った奴は隊に帰ったら射殺するから。そして八番はセカンド・リン、九番はライト・アン。以上だ」


 かなめはそれだけ言うとそのままダグアウトに引き上げていった。


「ねえ、代打は?私の出番は?指名打者を使えるのよね、このリーグ。じゃあ、私の出番は?」


 ダグアウトに引き上げていくメンバーたちにしきりと声をかけるのはピンクの長い髪が特徴のこの前までセカンドのレギュラーだったサラだった。


「サラ……島田の野郎には話はついてるんだ。テメエには出番なんかねえ」


 ダグアウトのグラウンドが一番よく見える場所に腰かけたかなめは俯きがちにサラに向けてそう言い放った。


「酷くない!それちょっと酷いよね!ね!正人!」


 サラは先攻と言うことでヘルメットを被り素振りをしている彼氏の島田に声をかけた。


「サラ、ごめんな。俺も射殺されるのは嫌なんだ。俺は不死人だけど痛いのはあんまり好きじゃねえから。俺は日野少佐じゃ無いんで」


 それだけ言い残すと島田はバットを持ってそのままバッターボックスに向った。


「サラ、良いじゃないの。これで下手扱いされることはないんだから……私はレギュラーは確保できたけど相変わらず疫病神扱い。そんな私よりずいぶんましなポジションよ」


 パーラに肩を叩かれながらサラはダグアウトへと引き上げた。


 こうして『特殊な部隊』対、常勝集団『菱川重工豊川』の試合は始まった。

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