第43話 スターティングオーダーとおっぱいお化け
「それじゃあ、スタメン発表するからな!」
守備練習を終えた部員一同を集めると監督時のトレードマークとも化してきているサングラスに手を槍ながらそう叫んだ。
「まず一番センター、島田!」
かなめの叫び声に部員の中央でこちらも偉そうにうんこ座りでかなめを見上げていた島田が顔を上げた。
「まあ、この打順と守備位置は俺で決まりでしょ?当然ですよね」
自信ありげにそう言う島田には誰もが異論がなかった。
「そして、二番だが……色々迷ったがレフトのパーラで!」
かなめがそう言うと嬉しそうな表情を浮かべる水色のショートカットのパーラとは対照的に不機嫌そうに姉を見つめるかえでの姿が隣に立つ誠にも嫌でも目についた。
「お姉さま、それはどうだろうか?二番は重要な打順だ。島田君の持ち味は足と長打力だけど、それ以上に選球眼の良さからくる高い出塁率にある。そうなると運の悪いラビロフ大尉は二番としては不適格なんじゃないかな?勝ち負けには運の要素が大きい。そうなると同じように小技が使えて練習だけとは言え無意味なフライを打ち上げない練習をしてきたリンの方が二番には適しているように僕には思えるんだけどどうだろうか?」
理路整然としたかえでの言葉にかなめは一瞬戸惑った後真っ赤な顔をしてかえでをにらみつけた。
「アタシは実績重視でこのオーダーを決めたんだ!パーラはこれまでも何度も二番を打ったことが有る!練習だけで判断するなんてそれこそ素人がやることだ!オメエは来た時から態度がだんだんデカくなってるな!しかも見たところ胸までデカくなってる!豊乳手術でもしたか?この変態!」
かなめのきつい一言だが、かえでは怯むどころか逆に笑顔を浮かべながらかなめを見つめた。
「なるほど、実績ねえ……まあ、監督であるお姉さまの決めたことだから従うことにしよう。それと手術は受けていないよ。ただ、リンにある施術を受けていることは事実だ。おかげで胸は120のMから135のPにまで大きくなった。これ以上は戦闘の邪魔になるから大きくできないのが少し残念かな?」
そう言って自分でも胸が無いことを自覚しているカウラの方に目をやるかえでの表情には余裕の笑みが浮かんでいた。カウラはその明らかな自分への挑発に対して冷静を装いつつにらみ返す。
「胸が女の価値なのか……つまらん人間だな、貴様は。その栄養を多少は普段の常識的行動に与えるべきだろう。おっぱいお化けが」
カウラの最後に吐いた意外に毒のある言葉に誠はなんとか仲裁に入ろうとするがかえでに甘い視線で見つめられるとそれをすることもできずに黙ってうつむいた。




