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第33話 突然の編成変更

「分かった……じゃあ話すぞ」


 ランはそう言うとまず誠の顔を見て次にアンの顔を見た。そして下を向き大きなため息をついた後、そのまま顔を上げてかえでを見た。


「もうそれは決まったことです。隊長権限で辞令も出てるんですよ。はっきり言ってください」


 かえでは何時にもない強い調子で上官であるランに向けてそう言った。ランは厳しい表情を浮かべるかえでの迫力に一瞬たじろいだ後、誠をアンを腕を長くのばして指さした。

 

「神前!アン!オメー等、チェンジ!神前が第二小隊三番機担当!アンは第一小隊三番機担当だ!これは日野の提案でアタシも隊長もその戦術は非常に有効だと判断した!もうすぐ第二小隊の05式改がうちに搬入される。機体が来るまでは出動はアタシが全部断る!だから何も問題ねえ!とりあえず席の移動をしろ!かかれ!」


 明らかに半分やけ気味にランはそう叫んだ。その言葉に一瞬驚いたような顔をしたもののそのまま怒りの表情に変えて機動部隊長の巨大な机に両腕をついて顔を突き出してきたのはかなめとカウラだった。


『なんでですか!』


 二人は同時にランに食って掛かった。ただ、カウラは自分の下行動が後先考えないかなめと同じだったことを恥じたようでそのまま後ろへと引き下がる。しかし、一度怒りに火が付いたかなめのマシンガントークは止められない。


「神前はアタシ等と戦って実績を上げてきたんだぞ!神前を育ててきたのはアタシ等だ!それを後からのこのこ出てきて神前を取り上げる?そんなことが許されるのか?おい、ちび。機動部隊長だかなんだか知らねえが、戦場ではコンビを組むのに相性ってもんがあるのは百戦錬磨のアンタならよく分かってるだろうな?だったらアタシ等三人のコンビネーションのどこに問題があるのかいって言見ろよ!言えるか?言えねえよな!だったらなんで今になって小隊組み換えなんて無茶なことをするんだ?理由を言え!早く言え!まともな答えじゃなかったらたとえ上官で不死人だからと言っても容赦なく射殺するからな!」


 かなめはそう言って困った顔をするランをにらみつけた。ランは頭を掻きながら面倒くさいという表情でかえでに目をやった。


「お姉さま、そんな簡単なことも分からないんですか?誠君は法術師だ。でも、ベルガー大尉もお姉さまも法術師じゃない。これまでお姉さま達が実績を上げてきたのは誠君という優れた法術師の存在があったからこそなんだ。だから、もういい加減誠君に頼るのは止めて欲しいというのがクバルカ中佐の意見なんだよ。それに法術師を育ててきたというのならアンもまた法術師だが、法術を使った戦闘経験がほとんどない。だったらそのアンを育てて一流の法術師に育てるというのも部隊の発展のために必要なことなんじゃないかな……お姉さまはどう考えているのかはわからないけれど僕はそう思う」


 あくまでも理路整然と合理的な言葉を話す妹のかえでにかなめは反論することもできずに歯ぎしりをしながらかえでをにらみつけた。

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