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第10話 封印された『特殊な部隊』の『秘密兵器』(成人向け)

「そして問題は、ファーストとセンターの島田以外の外野だ。これもクリアーできる。ライトはアンが守る。アンは足も速いし肩も良い。打撃は……まあ、いまいちだが下位打線を打たせて後半にチャンスで打順が回ってきたら代打を出す。これで問題はない」


 誠の隣に当然のように立っているかえでのその隣で小柄なアンがかなめの言葉に静かにうなずいた。


「レフトは大野……を使うかパーラを使うか迷うところだな。肩は大野の方が強いが何しろ大野は足が遅いから守備範囲が狭い。広い球場だったら目も当てられねえ。そうなるとパーラってことになるんだが……そうするとファーストに穴が開く。パーラはファーストも器用にこなすから狭い球場ならレフト大野、ファーストパーラで決まりなんだが……初戦がねえ……」


 突然、かなめは顔色を曇らせて言葉を濁らせた。


「どこなんすか?左倉市営球場ですか?あそこ両翼95メートルありますから大野の足じゃあとても守り切れませんよ」


 これまでも下手な外野守備で走り回るのを強制されてきたセンターの島田が面倒くさそうな顔でそう言った。


「それどころじゃねえんだ……千要県営野球場。モノレールのスポーツセンター駅前にあるあのデカい球場でやるんだ。『菱川重工豊川』の監督……工場長の武田さん……千要のアマチュア野球界じゃそれなりに顔の効く御仁だ。だから草野球リーグとは言え『菱川重工豊川』の初戦は必ずあの球場を使う……だから次の試合はレフトはパーラ。そしてファーストはこの試合に限り助っ人を用意した」


 島田の言葉を受けたかなめは俯いていた顔をゆっくりと上げてニヤリと笑った。


「助っ人?誰です?本局から甲武国鏡都六大学野球最強の四番だった明石中佐でも呼ぶんですか?あの人付き合いが良いから来ますけど、あの人の本職はキャッチャーでしょ?かえでさんと被るじゃないですか?それともその試合に限ってかえでさんをファーストに回すんですか?」


 誠は思わず得意げに笑うかなめに向けてそう言った。


「ちげえよ。明石タコは本当にキャッチャーしかやりたがらねえ。だから、去年もアタシ等が出動で出れないときはアイツが助っ人で四番キャッチャーをやってた。今回の助っ人はこの試合限りの秘密兵器だ……本職のファーストだ。そいつも神前と同じ左利き。しかもうちじゃあ、アタシが無理やり左で打たせることにして足を活かすために左打ちの島田と元々左利きのオメエと並ぶ貴重な左バッターだ。足もそれなりだし、大きいのも打てる。今回は『菱川重工豊川』の監督の武田さんの許可を得て実戦投入が許されたうちのチームの究極の『秘密兵器』だ。もうすぐ時間だから来ると思うぞ……たぶん女連れで……まあ、家でまだその女とヤッテルなんて落ちもあり得るのがあの『秘密兵器』の弱点なんだがな」


 かなめは笑いながらその『秘密兵器』の特徴を口にしたが最後の言葉でこの場にいる部員全員がその『秘密兵器』が誰なのかを瞬時に理解した。

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