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遭遇


「改めまして〜ハッチー加入おめでとう!」

「「「乾杯!」」」

4人でジョッキをぶつけて飲む。う〜んうまい!


「ねぇハッチー!ヤなことを吹き飛ばしちゃうよーな話、聞きたくない?」

「ん?気になるかも」


俺が興味を示すと、ラピスは楽しそうに話す。


「前ね、仕事で氷雪地帯で戦ってたら〜ヴォラっちが氷で足滑らして壮大に転んじゃって〜」


「おい。何を話している。」

ラピスが話していると、ヴォラが内容に腹を立てて話を遮る。


「あーしらの歴史を話してる〜大事でしょ?」

「そんなつまらん歴史より、お前がヘビの魔物と戦ったときにヘビと和解した時の話の方が面白い。」

「は〜?もっと変なエピあるし!」

「あぁ?じゃあアレは…」

2人は言い合いを始めてしまった。

ヘビと和解した話、聞きたかったな…


そんな中、ノクスは俺に話しかけてきた。

「ハンスさん。元パーティってなんで入ってたんですか?」

「まだ続いてたんだなその話…」


俺は一瞬、言葉を探して視線を逸らした。それでも、ノクスは目を逸らさなかった。


「…パーティはもともと、元リーダーから始まったパーティだったんだよ。あいつとは5歳からの幼馴染でさ、

ちっちゃいころは"最強になろう"って言い合ってたぐらい仲良しで…」

「…でも元リーダーさんはあなたを追放したと?」

「……」


ノクスは俺をグッサリ刺してくる…


「…やっぱり嫌いですか?リーダーさんのこと。」

「……嫌いだったら、こんなに覚えてないかな」


……………ムニスは確かにクズで、バカでどうしょうもない奴だったけど………

……それでも


「ごめん、ちょっとトイレ行ってくる」

「……どうぞ」


………昔の事を思い出すな。


ムニスと俺は同じ孤児院の育ちだった。


「なぁハンス、オレさお前となら最強になれると思うんだよ」


孤児院の裏庭で、木剣を振りながら、あいつは言っていた。


「なんだよ、何を根拠に言ってんだ」

「お前の強化スキルとオレの多少の実力があれば、このスキル不全者のオレでも、最強になれるはずだ!」


スキルのない人間は、差別されることが多い。ムニスもその1人だった。


「オレが最強になれば、オレたちをバカにしてきたヤツらを見返せるんだぜ?そんなのサイコーじゃん!」


…多分、あのプライドの高さも差別のせいだったんだと思う。人一倍みんなから認められたい欲が強かったから、きっとその"プライド"に縛られてたんだ。


「…でも俺のスキル地味だし…もっといいやつがいるんじゃないか?」

「バーカ、ハンスとじゃないと楽しくねえだろ」

「…ムニス」


ムニスは俺の肩に手を置いて話を

続ける。


「オレ、ハンスがいなくなったら困るんだよ。だから絶対!オレ以外とパーティ組むなよ」

「ハイハイ。分かったから」

「絶対だからな!」


あの頃の俺は、

あれを友情だと思っていた。


――思いたかっただけかもしれないが。


俺が席に戻ろうとすると、何者かに肩を掴まれた。


「…なぁ。もしかしてハンスか?」

「!…ムニス!」


俺は聞き覚えのある声に思わず声を上げる

「よぉハンス。元気してたか?」

「あぁ…してたよ。お前は?」

「オレはもちろん元気だぜ?なんせあの有名なマグニフィクスに入ったんだからな!」


マグニフィクスというのは、ムニス達が合併した有名なSランクパーティの名前だろう。抜けるときには合併したパーティの名前を教えてくれなかったが。


「じゃあなんで一人でここにいるんだよ。」

「え?オレは一人じゃないぜ?ほらあっち見てみろよ。」


…確かに見てみると、ムニスの少し離れた先にはマギカ、サナレの2人はもちろん、見慣れない男のメンバーが席についていた。


「パーティのみんなで飲みに来てんだ。てか、お前こそ何してんだ?こんなところで」

「新しいパーティに入ったんだよ。ほら、あそこの3人が仲間だ。」

「……え?いつパーティなんて組んだんだ。」

「つい最近だよ。臨時で入ったパーティに、俺のスキルを認められてさ」


そう言うと、ムニスはキレて俺の肩を掴んで言ってきた。


「は!?お前のスキルは俺のだろ!

……それにパーティだって、オレ以外と組むなって約束しただろ!」

「…スキルは俺のだ。それにパーティを追放したのはお前だろ。約束を先に破ったのはそっちじゃないか」

「なっ!……」


ムニスは何か反論しようとしていたようだったが、それを遮るようにそいつは話しかけてきた。

「ねぇ、もしかしてそいつ、あの荷物持ちの男?」


「…サクラム…なんで来た?みんなと話してりゃよかったのに」

「トイレ行って帰ってこないから心配して来たんだよ?そしたらこんな面白い場面に会えるなんてね。」

そう言いながら、そいつは俺に視線を落とす。


「……貴方は誰なんですか?」

俺がそう言うとそいつは気取りながら言ってくる


「俺はマグニフィクスのリーダー。スキル『聖剣』のサクラムだ。

君みたいな脇役が話していい相手じゃないよ。」

「……」

「確かキミはムニスの元パーティメンバーのハンスくんだよね?」

「……まぁ、そうでしたね。一応今は違うパーティに所属してますけど」


彼はその言葉を聞いて鼻で笑うように発言した

「キミみたいな無能でも入れてくれるところがムニスくん以外にもあったんだね。……新しい仲間も、きっと大変だろう。」

「あ、あぁ!お前みたいなクソ雑魚がオレ以外のパーティに入れるなんてラッキーだったな!」


ムニスはサクラムに取り繕おうとするように、俺をバカにしてくる。

コイツは腰抜けだからこういうときに俺じゃなくて強いやつにつく

ちゃんとクズだ。


「…悪かったよ。ムニス。俺はもう二度とお前と同じパーティには入らないから安心してくれ。」

「え!?」

「おお、ありがとう。俺達もキミみたいなクソ無能とは話したくなかったんだよ。」


ムニスは明らかに動揺しているが、サクラムは気づかない。俺も知らんぷり


「じゃあね。次会う時にキミがお墓になってないことを祈るよ。」

「ハハ、どうも」


その意味のわからない言葉は嫌味のつもりなのか?つまらないやつだな。


「なぁ…ハンス…」

ムニスは俺に小声で話しかけてくる。

俺も小声で言葉を返す。


「…早くいけよ。お前の選んだ道だろ?」

「…!……」


ムニスは肩を落として、サクラムと一緒に仲間がいるテーブルに戻って行った。


俺も今の自分の居場所へ戻った。




これ以降は書き溜めしてないので、土、日更新になると思います。多分

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