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新パーティ加入


ドッカ〜ン!とバカみたいな爆発音とともにタコの破片が飛んできた。

「「「………」」」

「終わりましたよ。すごいですね~ ハンスさんの強化スキルがなかったら倒せなかったと思います」

「あぁ…ならよかった。じゃあこのタコ集めてきますね」


「なぁ。あれ…ハンス?だっけあの人パーティに引き入れるべきじゃないか?あの強化スキルはかなり強い。

目立たないのもいいし、荷物持ちとしての仕事も素晴らしい。どうだ?ノクス?」

「あーしもいいと思うな〜あーしら濃ゆいしさ?

あ〜ゆう影の薄い人も必要かなって〜」

「う〜ん、でも入ってくれるかな…

あの人なんか……人に興味なさそうなんだよね。」

「?…そうか?そんな風には感じなかったが」

「まぁいいや。とりあえず誘ってみるよ。」


…俺は誘われるまま、彼女達のパーティに入ることにした。

どんなにメンバーがおかしい人でも、パーティは入っておくと楽なのだ。特に俺のようなスキルの人間は絶対に入っておきたい…


その後、ギルドで簡単な手続きを済ませ、俺たちは近くの酒場に移動した。


「いや〜でも、ハンスさんには断られると思ってました。」


リーダーの彼女は口を開く。


「なんでですか?」

「だって私たちこと……

名前すら覚えてないぐらいには興味ないですよね?」

「!……」

予想外のことを言われ、完全に虚を突かれてしまった。

……図星だ。否定できない。


「……えっと…」


俺の困惑を察してか、彼女は小さく息を吸い、言葉を

選ぶように続ける。


「…お互い。自己紹介をしたほうがいいかもしれませんね。せっかくの機会ですし、今しましょうよ。」

「……そうですね。お互いのこと何も知りませんし…」

「わかりました。ほら、ラピス。あいさつして?」


「りょ!」

彼女にそう呼ばれたのは、ノリの軽い女だった。


「あーしはラピス!メデューサと人間の半魔だよ〜ん。で、このニッコリ笑顔のヘビちゃんが池田、で〜この真顔の子が山本…」


そこまで言ったところで、暴言の女に止められた。


「おい、お前のヘビの名前なんかどうでもいい。やめろ」

「え〜大事なのに…まあいいや!

よろしくね〜ハッチー!」


彼女はフレンドリーにそう言った。

俺も遅れて言葉を返す。


「よろしく。えっと…ハッチー?ってなんなんですか?」

「え?Youのあだ名だよ。親近感かんじるっしょ?」

「えぇ…」

「あっ!あと敬語やめな?仲間でしょ〜?」

「あぁ…確かに。まだ仕事の気分で話してたよ。」


彼女はノリと勢いで話すが、不思議と嫌な感じはしなかった。


「終わった?じゃあ次、ヴォラお願い」

「チッ」


リーダーに名前を呼ばれた暴言の女は返事のかわりに舌打ちをしてから話しはじめた。


「私の名前はヴォラ。スキルは『飛行』で武器は鎌。以上だ。よろしく」

「あっ、あぁよろしく」


ラピスに比べかなり手短だったが、

余計な情報がなく、むしろわかりやすい。


「よし、じゃあ最後に私だね。」


そう言って、リーダーの彼女が一歩前に出る。


「私の名前はノクス。

このパーティのリーダーで、スキルは『爆破』」


一瞬だけ間を置いて、彼女は続けた。


「座右の銘は、弱きを助け強きを挫く、です。

よろしくお願いします。ハンスさん」



彼女はそう言いながら手を差し出してきた。


そう言いながら、ノクスは俺に手を差し出してきた。


「頼りにしてるよ、ノクス。これからよろしく」


俺は、その手をしっかりと握り返した。


みんな癖は強いが。きっと悪い子たちじゃない。

俺はかなり当たりのパーティを引いたみたいだ。


「あのさ、ハッチーも自己紹介してよ。あーしらも

ハッチーのこと知りたい。」

「あとなんでパーティ追放されたのかも教えろ。」

「…わかったよ」

2人に促されるまま、俺は少し間を置いてから話し始めた。


「俺の名前はハンス。スキルは『強化』。

…パーティを追放された理由は…えっと…強化スキルのこと、リーダー以外パーティメンバーに認知されてなくて…」

「は?なんで?」

ヴォラはイライラした口調で質問する。


「リーダーに言うなって言われてたんだよ。

『俺の威厳がなくなる』とか、そんな理由でさ。だからSランクに昇格した時に、"ただの荷物持ちがSランクパーティで活躍するのは危ない"って言われてさ。リーダーの奴も何も言ってくれなかったし…」


それを聞いて、ヴォラはさらにイライラして、

「お前の元リーダーは馬鹿なのか?

何故その時に本当の事を言わない?いや、そもそも何故隠していた?意味が分からない…」

そのまま彼女は頭を抱えてしまった。


まぁ…普通はそんな事はしないよな。

そもそもそんな状況を許容してた俺もおかしいし…


「まあさ、そんな人たちのコトなんて忘れちゃお〜、今はあーしらがいるんだからさ?」

ラピスはシンプルに励ましてくれる。

やさしいなぁ…


ノクスは何も言わなかった。しかし、何となく硬い表情をしていた気がする。


「まぁ…そうだな。ラピスの言う通り、忘れるよ。元パーティのことは。」

「んー!それがいいよ!じゃあ、改めて、ハッチーの歓迎会しよ!」

「…あぁ。ありがとう。」



……元パーティを忘れることはできない。それでも、このパーティとなら前を向ける気がした。

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