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出会い


いろいろあって15年間いた幼馴染とのパーティを追放された。


追放された俺は、

とりあえずギルドで仕事を探していた。

「えっ!ムニスさんのパーティやめたんですか?!えっ?!仕事あるんですか?!」

…失礼だな…

そもそも、仕事を見つけるのがアンタの仕事だろ…

「えっと…一応俺、強化スキルが使えるんですけど…」

「え!そうでしたっけ」

「……名刺に書いてますが…」

「あ〜!ホントだ!ごめんなさい〜!昔からいるので逆に忘れてました〜」

 なんでこの人はクビにならないんだろう…

「う〜ん、臨時の荷物持ちを欲しがってるパーティがいるので、それとかどうですか?強化スキルも使えるなら、なおさら役に立つでしょうし」

「じゃあそれで。」



「えっと…じゃあハンスさん。よろしくお願いします」

「よろ〜」

「…」

「よろしくお願いします。」

女性だけのパーティ、しかも半魔までいる。

珍しい編成だが、今の俺にはどうでもいい。俺はただ仕事をこなすだけだ。


洞窟に4人で入っていく。もちろん俺は魔物がいても荷物持ち。

洞窟は金稼ぎにはうってつけだ。魔物はもちろん。鉱石や宝箱もあり、それは売れば金になる。


「あのさ〜ここの洞窟の奥にバカ強い大型の魔物がいるらしいよ〜で〜そいつのせいで〜奥まで行った人は誰も帰ってきたことないらしい〜

やばくね?」

ノリの軽い女はふらふらしながらそう言った。

「死ね」

暴言の女は息を吐くように罵詈雑言を言っている。

「…それって本当なんですか?」

…俺は暴言の女は無視して、ノリの軽い女に質問する。


「う〜ん、わっかんない!」

……軽いな…

まぁ、所詮は噂だし、恐らく彼女らは鉱石や魔物の素材目的で奥まで行くわけじゃないだろう。


「……だから、それを確かめるために奥まで行くんだよ。」

「…はい?」


リーダーの彼女から、予想外の言葉が聞こえた。


「あれ、言ってませんでしたっけ?」

「あーしも聞いてない」

「初耳だぞ」

「あれ、そうだっけ。とにかく奥まで行くからね」

「「「…」」」

彼女は平然とした顔でそう言った。

どうなってるんだこのパーティは……。報連相ができてないし、まとまりも無い……。


「おい!私の邪魔をするな能無し。殺すぞ」

「も〜やめてよ〜ん。そもそもヴォラんは単独行動しすぎ〜」

「ホントだよ。ラピスを見習って!」

「いやいや笑、ノクスっちもすっごかったよ?笑ヴォラちんのこと殺しそうになってたし」

「え、そんなことないけど」

「こわ〜(笑)捏造されてる〜」


正直誰が誰だか分からないが、とりあえず、彼女たちはかなり強いらしく、俺の強化スキルなんか要らなさそうだった。そのおかげで俺は道具拾いに専念できたし助かったな。


その勢いのまま、俺達は奥まで進んでいった。

「なんか扉あるよ〜開ける〜?」

「開けていいわけないだろあんな危なそうな扉」

「あの…もうあの人開けてますけど…」

「「え」」


扉の先には小さな水槽のような物があった。

「なんだろう…これ」

「そんなかに魔物いんじゃね?」

「ありえますね。調べてみます」

「おねが〜い」


俺は綺麗な水の中を覗いてみた。よく見ると中にはちっちゃいタコみたいなヤツがいることに気づいた


「おい。何かあったか荷物持ち。」

「あっ、なんかちっちゃいタコみたいなの居ます」

「ちっちゃい?大型じゃないのか」

彼女が言いかけた瞬間、

バシャーン!と音を立ててタコみたいなのは大きくなっていった。


「うわ!!デッカくなった!」

俺は驚いて空を見上げていた。そんななかでも彼女たちは冷静だった。


「あんなでかいタコだったら〜めっちゃたこ焼き食えそ〜(笑)」

「黙れ。あいつが恐らく噂の魔物だ。早く殺るぞ」


暴言の女はそういいながら、風の力でふわりと飛び、鎌の武器を振った。彼女のスキルは『飛行』らしい。

「『ウィンドブレーカー』」

風を裂くような一撃がタコの腹を切り裂いた。が、傷は浅い。

「クソッ、頑丈だな」


「よ〜し!あーしもやっちゃお!」

ノリの軽い女はメデューサとの半魔らしく、スキルはないようだが、石の斧を持っている。

「え〜い!たこやきになっちゃえ〜」

頭の蛇は伸びるようで、器用にタコの顔まで移動し、攻撃している。しかし暴言女と同じく強力な一撃はなかなか出せない。


そして、リーダーの女はー

…無言でタコを爆発させていた。


恐らく彼女のスキルは『爆破』

ほかの2人に比べ、彼女の攻撃はかなり効いているのが分かる。それでも彼女は喜びも落胆もしない。


正直めちゃくちゃ怖い…


「おい。荷物持ち。お前強化スキルがあるんじゃないのか?使ってくれ。」

「!あぁ!」

俺は強化スキルを発動した。


「…強くなってる感じはしないが、本当に使っているのか?」 

「…俺の強化スキル、確かにめちゃくちゃ強くなるんですけど、すごい地味で、技の見た目とかも感覚も全然変わらないんで、本人は自覚しにくいんです」

「…なるほど?」


「あ!!ノクスっちの爆発でタコの足吹っ飛んだ!!え〜!爆破の見た目は全然変わってないのに〜!なんで〜?」

見てみると確かにタコの足が4本ほど吹っ飛んでいた。


「よ〜し!あーしも!『クンツァイト』!」

岩が弾丸のように、タコめがけて突っ込んでくる。岩の力でタコの頭がぐにゃりとへこんでいく。

「ん〜?マジでいつもと変わんないのに強くなってる…なんかキモい…」


「……なぜ………」

暴言の女はポツリと呟いた


「…なぜこんなスキルを持っているのに、クビにされたんだ…?」

「………」


俺はそれに何も答えることができなかった。

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