【ブラックマンデー】日経平均過去最高の下落について【バブル崩壊?】
筆者:
今回は以下の
https://syosetu.com/usernovelmanage/top/ncode/2243791/
2月の時点の僕の株価・為替予想のエッセイと現実との違いについて考察し、
懲りずに今後の予想を再びしていこうと思います。
◇株価下落はアメリカの「雇用統計」が原因
質問者:
7月11日の最高値から、1カ月も経たないうちにいきなり1万円も株安、20円の円高に一変したんですけど、この間日銀が利上げをしたことが原因なんですか?
「ブラックマンデー越え」とまで言われているぐらいとんでもない値下がりで怖いんですけど……。
筆者:
それも多少は影響したと思うのですが、
今回の円高株安はアメリカの雇用統計の発表の影響が大きいと思います。
『8月2日に発表された7月の米雇用統計で、非農業雇用者数は前月から11.4万人の増加と、事前予想の17.5万人の増加を下回った。また6月雇用者増加数は前月比20.6万人増から19.9万人増へと下方修正された。
失業率は4.3%と前月から0.2%ポイント上昇した。4か月連続の上昇だ。さらに、時間当たり賃金は前月比+0.2%と前月の同+0.3%及び事前予想の同+0.3%を下回った。前年同月比では+3.6%と前月の+3.8%を下回り、3年ぶりの低水準となった。』
と各種データが予想よりも下回っています。アメリカがリセッション(景気後退)に入るのではないか? と言うエコノミストもいるぐらいです。
統計データから見るとアメリカ株も売られ、「アメリカ国債の最後の買い」に走っているみたいですね。
次のFRBの会議では利下げが0.5%ぐらい行われるのではないか? とすら言われている状況ですからね。
質問者:
だから週を挟んでも株価が下がったという事なんですか……。
筆者:
ただ逆にいざアメリカが利下げになった際の影響と言うのは薄いのではないかな?
と思います。意外と為替は「その直前の事象」で大きく動くことが多いですからね。
結局のところ、日本経済の好循環は全く起きておらず日米金利差からの円安株高だったので崩れ去るのも一瞬だったという事なのでしょう。
株価が実体経済を表していない証左だと言えると思います。
◇“バブル崩壊“の基準と今後
質問者:
しかし、僅かな間でこんなにも円高と株安になるとは夢にも思いませんでしたね……。以前はどのように予想されていたんですか?
そしてこれは「バブル崩壊」に繋がってしまうんでしょうか?
筆者:
僕は企業の評価価値と株価を総合的にみるPBRと言う指標から見た場合、
日経平均36,000円ぐらいが妥当だという分析から、
緩やかにそこに向かって下がるのではないか? と思っていました。
ですので、ここから一気に2万5千まで下がったら危ないと思いますけど、まだまだ予想の範疇内と言えます。
ただ数日でこんなにも下がるとは思いませんでしたね。
ですが下落ペースはどうであれ、年初は1ドル140円、日経平均33.500円だったのでその水準に戻っただけとも言えるわけです。
しかし、円安については是正されず多少の利率差の縮小では何も大きな局面は変わらないと思っていたので、これは大きく外れてしまいましたね。
質問者:
具体的に「バブル崩壊」の基準ってどういう感じなんですか?
筆者:
「円高株安」は大丈夫だと思います。問題は「円安株安」のオール安が大幅に進んだ状況です。
その瞬間からが真の「日本の叩き売り」状況になったと思った方が良いです。
そのために、今の状況はそんなに懸念すべきことではないと思います。
”その時”の付近になったらまた書こうとは思いますけどね。
質問者:
今後はどうなっていくんでしょうか……。
筆者:
10年スパンで長期的に見るなら円安方向に進むという確信があるんです。
なぜなら「輸出産業を支援するための円安」と言うのを平気で容認してきたわけですからね。
また、失政による緊縮財政、増税、少子化のトリプルパンチで日本の世界における相対的地位の低下は避けられませんからね。
日本発の革命的な技術革新、エネルギー革命が起きない限りは中々円高には振れないと思います。
ところが、ここから1年ぐらいと言うのは本当に読めない情勢です。
まず、アメリカは今後利下げは行うと思うんですが、トランプ氏が大統領に返り咲いたケースの場合は全く読めなくなります。
トランプ氏は「ドル高は許されない」と言う発言があるのですがその裏には「アメリカの貿易赤字は許されない」と言う意図があります。
つまり関税を上げるなどをして貿易赤字が是正されるのであれば、
もしかしたらドル高を容認する方向に動く可能性があります。
また、トランプ氏は減税も同時に公約として主張しているために、
景気が再び過熱してFRBが再び利上げと言った方向にもっていく可能性もあるのでまた円安になる可能性もあって本当に不透明なんです。
質問者:
今国際情勢も色々変化していますから読みづらい側面はありますよね。
中東情勢が一変したら原油の輸入を頼っている日本経済は一気に崩れるかもしれませんし……。
筆者:
そうなんですよね。不確定因子が多く中々、解を求めるのが難しいです。
ただ長いスパンで見れば「円安・株安」の日本衰退方向にはいくと思います。
先ほどは「年始の状況に戻った」とお伝えしましたけど、年始より2,3円の円安、2000円の株安と少し悪化しているわけですからね。
質問者:
日本が衰退していくのは悲しいですね……。
物価高に関しては今回の円高でちょっとは改善されるんでしょうか?
筆者:
輸入物価に関しては、1月、4月、7月、10月の3か月ごとに決定します。
そのために7月の160円ぐらいの相場と比べて10月がどうなっているかにかかっていると思います。
そのために今の短期的な円高相場で急に物価高が改善するとは思えないんですね。
9月末ぐらいのドルと円相場が今後の物価のカギになると僕は考えます。
◇長期投資はどういう心構えがいいのか?
質問者:
物価に関しては最低でも10月までは動きそうにないんですね……。
今回の大幅下落を受けて長期投資が恐ろしくなったという方が増えたと思うんですけど、いったいどういう心構えで投資した方が良いんでしょうか?
筆者:
まず皆さん少し勘違いされているところがあるのですが、
「株を買う」と言う行為はプロのトレーダーでもない限りは「分散投資を長期的にやる」ものです。
そのために短期の値動きに関して一喜一憂するものではありません。
大幅下落した際に更なる下落を恐れて一気に解約してしまう方もいらっしゃると思うのですが、それは一番の悪手です。
下落した際に思う事は、「同じ積立額で買える株の量が増える」と前向きに捉えることです。
下がった時に買う事で、いずれは上がった際にトータルで見ればプラスになっているという事です。
質問者:
でもやっぱり怖くないですか? ゼロになってしまうんじゃないかと言う気持ちになっちゃうんですけど……。
筆者:
長期投資をされている皆さんに希望を持っていただきたいのは、長期的スパンで見れば必ず上がっています。
一番新NISAで行われているアメリカのS&P500では20年で見た場合は必ず上昇しているという試算もありますし、
日本ですらバブル崩壊から30年余りで最高値を更新しました。
基本的に株式でゼロになる恐れを抱くのは個別株を買う時でしょう。
個別株は確かに怖いと思いますよ。だっていくら業績が順調だったとしても不祥事やライバルの革命的な技術革新などが青天の霹靂のように立ちふさがって大暴落と言ったことがありますからね。
ですので、分散投資をする必要があるという事なんです。
でも基本的にはNISAなら国内にしろ国外にしろ分散投資なので皆さん安心していいと思いますよ。
長期投資の鉄則は「買った後忘れるが一番」とまで言われているぐらいですからね。
質問者:
ネットなどでは「NISAで何千万円大損した!」とかそう言う投稿もあるんですけどそれについてはどうなんですか?
筆者:
基本的にあり得ないと思いますよ。
なぜなら購入限度額が360万円(年間投資上限額がつみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)と決まっているからです。
ただ、保有していた枠を売却すれば再び上記の枠を買えるようになるために、
高値掴みをして安値で売るという行為をことごとく続ければ大きな損失になると思います。
だから「ヘタに動かないこと」や「忘れること」が大事になってくるわけです。
NISAを途中で解約する例外は生活費に困窮するケース以外は無いと思った方が良いと思います。
質問者:
そうなると過去の経験則から20年以上の長期保有だと損はしないので焦って売らないことが大事なんですか?
筆者:
そうなります。
逆に含み益が出た際に「散財」や「豪遊」などすることもNGです。
とにかく淡々と将来のために積み立てを毎月行う事をやり続ける――と言うか勝手に契約したら勝手に積み立てをやってくれるんでホント忘れるのがベストなんです(笑)。
仮に株価が崩落した後に戻らないことがあるとするのなら、
もう信用貨幣社会が崩壊している――得をしている人が世界中から壊滅するのである意味問題ないと言えます。
可能性的にはゼロでは無いんですけど、杞憂に近い確率だと思えますからね。
質問者:
もはや誰も資産を持たない状況ですからね……。
筆者:
そもそもの話として、長期分散投資をしているにも関わらず、
チャートや株価指数などを見続けて一喜一憂すること自体が不毛だと思うんですよ。
僕は個人事業主なので年1%ぐらいで節税効果も薄いものの元本保証がある小規模企業共済と言うのに入っているんですけど、
それって大体は国内株式や国内の満期保有目的債権なんですね。
そのために僕は密かに年初にかなり得をして、逆に今密かに大損だと思うんですけど、特に全く気にならないわけです。(元本保証があるのも大きいですけど)
どうしても気になっちゃう! 一喜一憂しちゃう! と言う方はあんまり株式長期投資に向いていないと思います。
今後は金利が付いてくると思うんで銀行の定期積立でも始めた方が心の安寧に繋がると思いますよ。
心身ともに「株価ごとき」で壊すだなんて人生損ですからね。
質問者:
確かに資産を保全又は増やす目的なのに株価が気になりすぎて心が病んでいたら意味が無いですね……。
筆者:
正直な話、プロトレーダーでも上がることを正確に読み切ることは無理だと思います。
ましてや一般人の僕たちが正確な予想を立てることは不可能に近いです。
それぐらい複雑な因子がこの世の中には無数にありますからね。
だからこそ「長期分散投資の契約をした後忘れる」と言う単純なことで将来の投資や不安について一定レベル以上解決できるというのはある意味画期的とも言えるわけです。
質問者:
……逆に気になるのはどうして筆者さんはそんなに詳しいのか気になりますね。
ご自身の株については買った後忘れているのに……。
筆者:
僕はコンサルタントみたいな立場なので、お客さんから投資についてどうしたらいいのか? と聞かれるんですよ。
そのために僕が投資をどうするかとは全く別問題として、ちゃんと状況を整理して今後の見通しについて理路整然と自分の意見を言えるようにしているという事です。
勿論最終的な結論を出されることや責任はお客さんにありますし、アドバイスをするにとどまりますけどね。
質問者:
なるほど……。
筆者:
僕はどちらかと言うと一つのポイントに関して最大効率を求めるというよりも、
人生全体でどう幸福度を上げるか? と言うところに重きを置いているわけです。
何事もバランスだと思いますので、皆さんもどこに力を入れてどこで力を抜くのか考えてもらえればと思いますね。
という事でここまでご覧いただきありがとうございました。
今回は円高株安はアメリカの雇用統計に起因すること、
分散投資は契約した後忘れることがベストであるという事をお伝えしました。
今後もこのような時事問題や政治・経済について個人的な解説をしておりますのでどうぞご覧ください。