表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

迷惑メール

作者: 葉沢敬一

毎週日曜日午後11時にショートショート1、2編投稿中。

Kindle Unlimitedでショートショート集を出版中(葉沢敬一で検索)

 出会い系の迷惑メールが来る。迷惑メールと分かるのは迷惑メールボックスに最初っから入っており、初回からLINEのIDを書いてくるからだ。どこからメールアドレスが漏れたのか知らないが、まあ来るようになった。


 最初は興味本位で登録してみた。向こうから「どこに住んでるの?」と聞いてきて、○○に住んでいると答えると、「近所だね! 会おうよ」と言ってくる。そして、スマホが壊れたので交換するからこのLINEは使えない。代わりに出会い系サイトを紹介してそこで連絡取り合おうよと言ってくる。


 まあ、みんながみんな同じように出会い系サイトに誘導してくるのでバカバカしくなった。大体、初回のLINEのIDが先頭に@が付くのですぐこれ系統のサクラだなとわかる。QRコード送ってくる奴も居たが同じだった。


 ある日、受信メールの方に女の子から@なしのLINEのIDがついたメールが届いた。興味を持った僕は連絡取ってみることにした。


――どこに住んでいるんですか?

 先手を取って聞いてみた。

――東京です

 あれ? 近くじゃないけど正直だな。

――今度、そちらへ行くので案内して貰えませんか?

 こちらの所在を教えるとそういうメッセージが来た。

――いいですよ。あなたのことを教えてください。


 そして、やりとりが始まった。僕はこれは本物かも知れないと思い始めた。プロフィールがしっかりしていた。


――通話して良い?

――ちょっとなら。


 若い女性の声が通話に出た。ちょっと話して満足する。マジっぽい。

 僕は彼女が来るのを期待するようになった。


 待ち合わせの当日、僕は精一杯のオシャレをして待っていた。

 すると、ハイエースがやってきて、運転手の女性から「乗って」と言われ乗ったら、見えなかった後ろからスタンガンで麻痺させられて男達から拘束された。


 なんでこんなことするんだと聞くと内臓抜いて売り飛ばすという話だった。

 通りで、持病について聞いてきたりしたわけだ。適格者を探していた様だ。


 いや、適合者が居れば売り、不適合だと処分するとのこと。

 僕は甘かったよ……

Kindle Unlimitedの「気軽に読めるショートショート集第4号」に収録

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ