歯磨きのススメ
「八十歳で二十本以上の歯を持っている」という自信はありますか?
六月八日の報道で突然「国民皆歯科健診」という言葉が使われました。
組合健保の加入者には毎年の健康診断、そして扶養扱いの家族や国保加入者にも特定検診を受ける機会が案内されているはずだと思います(制度のことはよくわかりませんが)。
でもそれには歯科検診は含まれていないようです。
ちょうど十日ほど前に料金上乗せで多めの項目の検診を受けたばかりですが、歯科検診は含まれていませんでした。
歯の健康って若い世代の方には当たり前のことに思えるかもしれませんが、「八十歳で二十本の歯がある状態」は当たり前ではないらしいです。
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子どもの頃から誰よりも虫歯が多かった私は、春に学校の歯科検診で虫歯を指摘され歯科医に駆け込み、そのまま「口の中の総替え」コースで半年くらい通い、又性懲りもなく翌年春に学校の歯科検診で……のくり返し。
学校の歯科検診は中高迄はあった気がしますが、大学では無かった気がします。
でも何しろ虫歯だらけでしかも虫歯が増殖するのか、既卒者となってからもほぼ毎年「口の中の総替え」コースでした。
転機は歯科衛生士さんに歯磨き方法を指導されたこと。
割合規模の大きい歯科クリニックで、その歯科衛生士さんと担当の歯医者さんが凄腕で、詰めたものが外れない!為、またアフターサービスの検診案内も効果があり翌年以降歯科医に駆け込むことが無くなりました。
残念ながら担当の歯医者さんも衛生士さんも最初の一通りの治療後退職してしまい、新しい担当スタッフは凄腕クラスではなくて、だんだん検診に通うのをやめてしまったのですけれども。
それでも何と言ってもたくさんの虫歯のケアは必要で、違う歯科医院で半年くらい毎に嫌々検診がてら診て貰う際「歯磨きは五分以上を目安に」と言われましたが、「五分? 無理!無理!!無理!!!」と思ったものです。
数年前転居して通い始めた歯科クリニック。当初は二~三か月間隔でしたが、紆余曲折の末、四週間隔程度毎に様子を診て貰うことで落ち着きました。
毎回根気強いスタッフさん達に歯磨き指導を受けて、「今回はちゃんと磨けています」と漸く半年くらい前からどのスタッフさんにも言っていただけるようになりました。
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私の様に子供の頃に虫歯だらけになってしまっていても、歯磨きに留意し、歯科スタッフにケアして貰っていると悪化一途だった口の中の状態が良くないなりに安定し「このままでいけば歯を減らさずにいけそうですね」とスタッフさんに言っていただけるようになるのです。
「八十歳で二十本の歯」は夢のまた夢だと諦めて切っていたくらいだったのに。
「国民皆歯科健診」という発想が今頃どこから湧き上がってきたのかは知りませんが、歯科スタッフの定期健診と口腔ケア指導を真摯に受けるのをもっと早い時期に始めていたら、一本だけ失ってしまった歯だって失わずに済んだのかもしれません。
「歯磨きは五分以上を目安に」と言われた際に不可能だと思ったのは上述の通りですが、不思議なことに今はもっと長い時間かけて磨くことができています。
コツその1は洗面所に秒針のある時計を置くこと。
コツその2は上の表側・裏側・下の表側・裏側、のそれぞれの磨き時間を自分なりに設定すること。
でもその前の段階として、いま一度歯科の専門スタッフに歯磨きの留意点を叩き込んで貰うことから始めるのが早道かなと思います。
虫歯や歯茎の治療は決して復元ではないことを肝に銘じて、ご自分の歯と歯茎を大切になさってくださいね。