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襲撃

書き溜めしている最中に気づいたんですが、この小説はかなりダークファンタジー要素を盛り込んでいく予定です。

人間の暗黒面、差別や暴力、偏見や妄執、権力や背徳、それらを前にして主人公がどんな選択を取っていくのかを書き進めていきます。


それから、昨日は書き溜めしていたデータが事故で吹き飛んでちょっと凹んでいたため、更新が遅れました。

今も立ち直れていません。



■登場人物

但野(タダノ) (ヒロシ)

自分の死をきっかけに、謎の存在から正体不明の力を授けられた人間の男。

自分の近くの誰かの不幸が、何よりもの苦痛で耐え難いものとして無意識に感じている。


『月影森のガラ』

日が照らすことのない暗黒の森、「月影森」で暮らすコボルトの男。

実は人間と争いたくないと考えているが、まだそのことを誰にも話したことはない。


『月影森のギナ』

日が照らすことのない暗黒の森、「月影森」で暮らすコボルトの男。

長い手足と細身の身体のおかげで間合い取りや回避には有利があるが、なかなかに打たれ弱いのが弱点。

 俺はこれからイズが来るというのを聞いて、しばらく寝藁の上で横になりながら待つことにした。

 コボルトたちの事情はこれまでの情報から、ちぐはぐではあるがなんとなく掴めてはいる。

 不様々な不幸が重なって、人間である俺はもはや完全に歓迎されない状況となっているようだ。


 人間だから…という理由で、ここまで毛嫌いされるのは理不尽だと思った。

 だが、ちぐはぐな情報でも、人間…とりわけ、冒険者というやつは、コボルトたちに想像を絶するほど嫌われるような何かをしていることは間違いないのだろう。

 あの少女は確かにあのとき、「人間だから始末する」と言った。

 そうまで言うほどの何かが、このコボルトたちと人間との間にはあったのだ。


 …しかし、その理由が何なのか、何があったのか、俺は未だにそのことを何も知らないままだ。

 人間がコボルトのテリトリーを脅かしているから…とか、コボルトは自分たちのテリトリーに侵入されないようにしている…とか、そういうことではない。

 なぜ人間がコボルトのテリトリーを脅かしているのか、何故それほどまで苛烈に追い払おうとするのか。

 俺がここにいる上で、おそらく最も知っておくべき部分、未だにそこがわからないままだ。

 初めはそのへんは後でも良いかとも思っていたけれど、ここまで深刻な問題だったと言うなら真っ先に聞いておくべきだった。


 イズはまだこない。

 無駄に時間を潰してしまうのはもったいないので、攻撃の手段について考えてみることにした。

 ほとんどの防御手段は使用条件が限定されているということはわかったが、いつでも使えるわけではないとわかった以上、なによりもまず相手を無力化するのがもっとも有効な防御手段ということになる。

 [飯綱落とし]は相手の身動きを封じながら一方的にダメージを与えることができる優秀な特技で、[槍投げ]は離れた敵に対しての貴重な攻撃手段だ。

 それに、実際にガラは[槍投げ]を使い、その攻撃によって相手に身を回避行動をとらせることで一瞬だが相手の攻撃の手を止めた…その後は積極的に自ら攻撃を繰り出すことで、更に相手に回避や防御の手段を取らせて相手の攻撃の機会を奪う。

 ガラは特に防御の特技を持っていたというわけではない、それでも俺よりも軽傷で済んだのは、きっとその差だ。


 攻撃は最大の防御、使い勝手の悪いように思える防御系の特技に頼りすぎないように、俺も今度は相手を無力化できるように準備しておくべきだ。

 さらにいえば、今のこの丸腰という状況でも役に立つものをまずは憶えておきたい。

 頭の中に膨大に湧き出してくる特技の中でも、特に素手で使えるものに絞って確認を行った。


 [八腕組手]、自分が素手であるなら相手に対して反撃不能の拘束攻撃を行う特技。…これはわざわざ反撃不能だとわかる、珍しい特技って感じだ。反撃不能はまさしく目的にぴったりだ、しっかり憶えておこう。

 [嘆きの拳]、素手で攻撃を行い、相手へダメージを与える代わりに衰弱させる、相手の反撃の意志が強いほど効果が高まる特技。…できることなら話が通じる相手を殺したくはない、衰弱して戦意を削ぐというのはそういうときには良い手段なんじゃないかと思う。

 [悦びの拳]、素手で攻撃を行い、相手へダメージを与える代わりに衰弱させる、相手の反撃の意志が強いほど効果が高まる絶技。…これは[嘆きの拳]という特技と全く同じような効果に思えるが、なんだかニュアンスが異なっている気がする。違う技なのだから、普通は違う結果になるのではないだろうか…。

 [龍の闘気]、維持している間は身体能力が強化され、自分の受けている怪我が徐々に回復する。…これは[爆熱闘魂]の下位互換みたいなものだが、一応憶えておく。[爆熱闘魂]は使っている間の疲労感は凄かったが、それでも身体能力強化や瞬時に怪我が消えるほどのあの回復力は戦闘時にかならず役に立つはずだ、下位互換というならもう少し楽に維持できるかもしれないし、代わりの技として役に立つかもしれない。


 こんなところか…実際には強そうな名前の特技は他にいくらでもあった、真っ先に思いついていた[鉄斬爪]は爪による斬撃で相手の防御をある程度貫き攻撃するというかなり強そうな特技だし、[月牙]は攻撃する相手の視界が不良なときに使用すると必ず急所に命中するという必殺の特技だ。

 その他にも、[部位破壊]という相手の能力を著しく低下させる急所攻撃を行うという特技もあるみたいだが、その字面からどう考えても使われた相手はただでは済まないことが想像できる。

 こういう攻撃手段も本当なら憶えておいたほうが良いのかもしれない、でも俺は別に相手を殺したいわけじゃないんだ、とっさに使ってなにかの間違いで死んでしまうとか…そういうのはちょっと…。

 無力化だけで済むならそれで良い…俺のせいで誰かが死ぬなんて、絶対に嫌だ…。


 だからこそ、こうして誰もが無事でいられるための準備をしておく。

 今度は襲われてもお互いに怪我を負わずに済むかもしれない、大丈夫…大丈夫だ…。


 …それにしても、イズはまだ来ないみたいだ。

 このコボルトの集落はさほど広いようには見えなかったが、どうかしたのだろうか。


『 ……! ……! 急げ! もうこの集落は捨てるしか無い、早く逃げるんだ! 』


 テントの外から焦りが色濃く乗せられた大声が聞こえてきた、そのセリフから只事ではない様子がわかる。

 そのまま勢いよくテントの中に入ってきたのは、先程の大声の主、コボルトの戦士・ガラだ。


「ヒロシ殿、無事か!」


「無事って…なんだ、なにか起きたのか…?」


「よかった…その様子なら、まだこのあたりは無事だったようだな…。

 …人間だ、人間が俺達のテリトリーに侵入してきた。

 それだけじゃない、俺達の集落は今、人間たちに襲われようとしている」


 人間。

 人間に襲われると言ったのか。


「すまないヒロシ殿、命を捧げると誓ったこの身だが…それでも今しばらくこの命を、群れの皆のために使わせてほしい。

 戦えぬ者たちが逃げ切れるだけの時間さえ稼げればいい…!」


 ついに、人間とコボルトとの確執についてほとんど何も知らぬままに、こんな事態に巻き込まれる事になってしまった。

 しかし、詳しい話を聞いている余裕はなさそうだ…それに、俺だってせっかく助かった命を失ってほしいなんて思わない。

 痛いのも、怖いのも、正直嫌だ。

 でも、俺にできることがあるかもしれないのに、誰かが死ぬのなんて、嫌だ。


 嫌だ、嫌だ、嫌だ…そう思うたび、俺の胸が締め付けられる気がした。

 息が苦しくなり、逃げ出したくなる。

 平穏に、安全に、安心を得るために…そうやって生きてきたはずなのに、俺は今からそんなものとは真逆の選択をする。

 俺のやりたいこと…俺は本当は何がやりたいのか、それがなんなのかを確かめたいんだ。


「……ガラ、コボルトたちを、みんなを助けよう!」


「…ヒロシ殿、感謝する…!

 ヒロシ殿は人間だからもしかすると襲われることはないかもしれないが、それでも油断せずに、できるだけこの集落から急いで離れるようにしてほしい。

 ヒロシ殿のためにこの命を使おうと誓ったその矢先、その誓いも果たせずに別れを告げなければならぬことだけが俺の生涯唯一の心残りとなるだろう…せめてヒロシ殿も無事に逃げ切ってほしい…さらばだ!」


「違う、そうじゃなくて!

 ガラ、俺も…」


 俺も行く!…と告げようとしたが、その前に怒涛の勢いでガラはテントを飛び出してしまった。

 俺は慌てて立ち上がり、テントの外へ出る。

 すでにガラの姿はどこにもない、どこだ、どこへ向かったんだ?

 キョロキョロとあたりを見渡すと、左の方から赤子を抱えたコボルトがよたよたと歩いてきた。

 肩で息をしながら、必死で赤子を守るためにここまで逃げてきたのだろう。

 コボルトの母親はなんとか足を前に踏み出し続けたが、俺の方を向いてからはピタリと止まった。

 「ぁ、あぁぁ…」と声を漏らして震えながら、その場にうずくまってしまう。

 赤子をお腹に抱えるようにして、自らの身体を盾にするかのようにその場を動かない。


 これは、多分きっと、俺が人間だからだ。

 それをわかっていながら、ブルブルと震えるコボルトの母親に、俺は歩み寄る。


「や、やめて…お願い…もうやめて…」


「……」


 拒絶、敵意、恐怖……全部、嫌で嫌でたまらなくて、俺はそれから逃げ続けてきたんだ。

 全部怖くてたまらない、こんなことしたくないと心が拒んでいるのに…俺のやりたいことは、これなんだ。


「お願い……お願いです……お願いします……」


 丸まりうずくまるコボルトの母親の背に手を置く。

 「ひっ」という小さな悲鳴が聞こえ、震えが止まるほど全身に力を込めているのがわかった。


 俺はそのまま、[献身なる転身]を使う。

 みるみるうちに俺の具合は悪くなり、頭痛に腹痛、動悸に目眩、吐き気もあれば目も痒い、両足にはいきなり棒にでもなったかのように疲れが蓄積してしまい、一瞬で完全に感覚が失われてしまう。

 使うのが二度目だったこともあり、[献身なる転身]がどうやって相手を回復させているのかが何となくわかった。

 身体が容器だとするなら、そこに入っている中身が生命エネルギーというやつで、これをそっくりそのまま入れ替えているような感覚だ。

 いや、相手からなにかのエネルギーみたいなものを貰っているわけではないし、怪我や病気がそっくりそのまま移ってくるということは、相手からは水に混ざり込んだの汚れの部分だけ渡されているようなものなのか。

 綺麗な水は相手に送り、汚れや泥はすべてこちらに集められる…そんな感じか。


 俺はすぐさま[チャクラ]を使う。

 じんわりと全身に心地よさが広がり、すぐに元気を取り戻す。

 

 よし、これで俺もまだ動ける。


「…大丈夫、もう大丈夫です。

 急いで、できるだけここから離れて、無事でいてください」


 ガラが俺にそうしてくれたように、俺からコボルトの母親に逃げるようにと諭していると、彼女が歩いてきた方角からガラのものであろう吠え声がした。

 場所はそう遠くはないように聞こえた、それはつまり、襲ってきたという人間たちがすぐそこまで迫っているということだろう。

 俺が近づいたせいで怖がらせてしまった、大丈夫だときちんと伝えたかった。

 それでも、これ以上は構っている時間が惜しい。

 最後に「急いで!」とだけ声をかけてその背から手を離し、俺は森の中へと駆け出した。


・・・・・・・・・・


「急げ!

 あちらの方へはまだ人間たちも来ていない、力ある限り逃げ続けろ!」


 コボルトの戦士・ガラは、戦えぬ者たちへ逃げる道を示しながら、彼らとは真逆の方向へ走る。

 まさかこんなに住処の近くにまで足を踏み込んできているとは思いもしなかった。

 群れにいる者たちの中で、戦うことができる戦士はすでに五人にまで減っており、哨戒を担うはずの者たちの体力もすでに限界で、ろくに警戒ができていなかったのだろう。

 人間たちの侵略、飢餓と病気、族長の死…もはや俺達の群れもここまでか。


 だが、それでも俺達は最後まで生きることを諦めたりはしない。

 必ずやこの窮地を凌ぎきり、平和だったあの頃を取り戻すのだ。


 戦闘音が聞こえてくる、仲間のものであろう血の匂いを嗅ぎ取り、怒りに膨れあがる心を鎮める。

 俺は飛びかかると同時に吠え声を上げ、自らを鼓舞した。

 自らも戦いの場に飛び出して間もなく、まず一人目、次に二人目と、次々に人間たちを吹き飛ばす。

 先にこの場を抑えてくれていたのはギナとガジだ。

 ギナは持ち前の小回りの良さを活かし、人間たちの攻撃を躱しながら逆に攻撃を仕掛けている。

 ガジはその巨体と頑健な肉体のおかげで速さこそないが、人間たちから攻撃を受けながらもそのまま力強く殴り飛ばしていく…相手が逃げずにこちらへ向かってくるというのであれば、ガジ以上に頼りになる戦士は他にいない。


『 もう一匹増えたぞ! 第四隊はアイツの相手を! 』


 ぞろぞろと人間たちがこちらへ向かってくる。

 俺達戦士一人に対して、相手は六人…多対一の状況はまずい、だがギナもガジも俺と同じように多数の人間たちを一挙に相手しているという状況だ、こちらへの援護は無いと考えたほうが良い。

 逆に俺がどちらかに加勢しようとすると、重厚な鎧を身に着けた人間が俺の前に立ちふさがり、合流させまいとしてくる。

 これだけの数がいながら、あまりにも連携が取れすぎている…この数といい、まるで俺達の相手をすることを想定していたような戦い方といい、人間たちは今度こそ俺達を全滅させるつもりのようだ。


 人間たちの相手をしながら周りを観察するが、やはりここにはイズの姿が見えない…ザイラもここにはいないようだが、彼らも無事でいてくれることを信じるしか無い。

 いつもならば三~四人ほど打ちのめせば逃げ帰っていく人間たちだが、今回はいくら叩き伏せども次から次へと森の奥から人間たちが湧いてくる。


「ッ、グオアァッ…」


「ギナッ!?」


 鋭い一撃を受けてしまったらしく、血飛沫が舞う。

 なんとか飛び退きはしていたが、その先で地面に膝をつき、動けない様子だ。

 ギナがこれ以上の攻撃を受けるのはまずい。

 俺は手に持っている槍を投擲し、今にもギナにトドメを刺そうとしている人間の胴に見事に命中させた。

 槍を突き刺された人間は身体を大きくのけぞらせ、フラフラとギナから離れていく。

 だがまだ安心はできない…次に俺は、目の前に立ちふさがる重厚な鎧を纏う人間に[双爪連撃]を見舞わせる。

 力の限りを叩きつけ、大木すら削り倒す獣爪の連撃。

 その連打に耐えきれず、目の前の人間がついには俺の攻撃によって弾き飛ばされ、そのまま地面を転がりながら退いていく。

 道は開けた、俺は勢いよく飛び上がり、ギナのすぐ側まで一気に駆けつける。


「立てるか?」


「ガラ、ッ…俺のことは良い、それよりイズを…」


 ズズンッ… ズズンッ…


 どこかから地鳴りのような何かが重く響く。

 その音は間違いなく、徐々にこちらへと近づいてくるのがわかる。


『 ガーネット様がもうすぐこちらに来られるぞ! 始末を急げ! 』


 人間たちの攻撃が激しくなる。

 槍を拾う暇もなく、なんとか素手で攻撃を凌ごうとするものの、確実にダメージが増えていく。

 ギナも深手を負ってなお立ち上がり、なんとか応戦しようとしてくれているが…もはやこれまでか…。


『 な、何だお前は!? …ウハワーーーーッ! 』

『 ま、まて、やめ… グホォオォオオッ!? 』


 なんだ?

 人間たちの統率が乱れ、場が混乱し始めた。

 攻撃のチャンスだとは思ったが、無闇に踏み出したところでもはや捨て身としかならない。

 時間を稼ぐのが目的だと心を落ち着かせ、今は飛びかかるまいと自分を制した。


『 やめろこの変態野郎が…ウハァーーーンッ! 』

『 ひ、ひええ! 何だこの変態野郎!? こ、こっちに来るな、来るんじゃなッ…アアアアアアッ! 』


 人間たちが一斉に道を開き、そこから誰かが現れた。

 それは、狩りの最中に出会い、俺達の命を救った人間。

 俺とザイラの争いを止めるために、その身を盾とした男。


 人間たちを蹴散らしながら現れたのは、その身に絶技を宿す偉大なる戦士…ヒロシ殿であった。


・・・・・・・・・・




◆モンスター紹介

『月影森のコボルト』

通常のコボルトと種族的には同種ではあるものの、月影森に生息するコボルトは特別に「月影森のコボルト」と呼ばれ、冒険者たちからは特に恐れられている。

そもそもコボルトという種族は山賊紛いの行いを繰り返しているために迷惑がられるが、かなり弱い種族というのが一般的だ。

確かに動きは多少素早いが、知能は低く力もなければろくな技も覚えることがないので、冒険者になりたての者などはコボルトの討伐依頼やその生息域付近を移動する際の護衛などで慣らしていくなど、所詮はその程度という認識を持たれている。

だが、「月影森のコボルト」ともなれば、住まう環境の過酷さや得ている食事の良質さが圧倒的に他所のコボルトと異なっており、もはや通常のコボルトとは別種という認識を持たれているほどに違いがある。

身長は二倍以上、筋力は比べることもできないほど圧倒的に差があり、さらには「月影森のコボルト」は強力な技を習得している事が多い。

金属製の鎧すら容易く貫いてしまう[槍投げ]や、吠え声を上げることで一時的に相手の思考能力を奪う[ハウリング]、離れた距離を一気に詰められてしまう[跳躍]などを使用するため、特に後衛職にとってはこの上なく相性の悪い相手となる。

後衛に対して有効な技を習得しているからといって、接近戦が弱いということもない。

強靭なタフネス、ぶつけられれば一撃で転倒させられてしまうほどのパワー、鋭い牙と爪による攻撃など、それらすべてが苛烈に振り回されるために、目の前にまで接近されるともはや手の出しようがなくなる。

もしも戦うというのなら必ず大人数のパーティを組んで、「月影森のコボルト」とは倍以上の頭数で戦闘を続けることができるように立ち回るのが望ましい。

彼らの中には、コボルトでありながら人間ほどの知能を持って育つ者がたまに現れる。

そのおかげか、「月影森のコボルト」たちとはお互いに不可侵の約束を取り付けることに成功し、その狩猟難度の高さから神獣とも呼ばれた「月影雷鳥」を比較的安全に狩猟することができるようになった。

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