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第四十八話新たな眷属

「では、シルフィアから紹介していこうか」


「はい、私がシルフィアです。私の種族はホムンクルスで、名前はハクト様よりいただきました。私がハクト様の最初の眷属であり、ハクト様がこのダンジョンに生まれたときから一緒にいます。」


「シルフィアさんはご主人様の奥さんなの?」


「え!?いっいえ、そうじゃありませんけど…」


ゴニョゴニョとシルフィアが言葉を濁す


「シルフィアさんはご主人様のことが好きなの?」


「それはもう当然!!」


さっきのウジウジした態度が嘘みたいにはっきりとシルフィアが宣言する

そして、反射的に言ってしまったことを改めて頭で理解すると顔が一気に赤くなる

アウアウとうぶな反応をみて思わずハクトまで照れくさそうな表情してしまう


「ご主人様はシルフィアさんのこと好き?」


「もちろんだよ」


「奥さんにしたいくらい?」


「もちろんだよ」


ハクトはこういうことをはっきりと言ってしまう性格なため、恥ずかしがらずに本心を言う

まぁ実はハクトも恥ずかしいという気持ちはあるのだがそれを押さえてはっきりと本心をそのままに言ってしまうのだ

シルフィアがさっきよりももっと顔を赤くしてしまいプシュープシューとやかんのように湯気をだすような反応になってしまう

さらに目をぐるぐるとしてしまっている


「シルフィア?おーい、シールーフィーア?……まぁ彼女はシルフィア。僕の初めの眷属でみんなのまとめ役って感じかな。じゃあ次はケイル」


「はーい、俺はケイル!パパの二番目の眷属で種族はドラゴニュート。それから、パパに命を救われたんだ。パパとは血は繋がってないし、ママはもういないけど今は新しい家族ができて、凄い幸せなんだ!」


「ケイルはこう見えてBランク中位の強さをもっている武闘家で、固有スキルを発動するとSランク上位になる『黒龍化』のスキルをもっているんだ。さて、次はエニファだね」


「はい、主様。私の名前はエニファ。主様の三番目の眷属であり、種族は獣人です。恐れ多くも主様と敵対し、命を救われました。奴隷の身ではありますが正直ありえないほど幸せな生活をおくっております。家族の一員として接してもらっており、本当によい主人に恵まれました」


「エニファはここにやってきた最初の侵入者の奴隷だったんだ。彼らはDPになってもらったけどなかなかいい経験になったよ。彼女もケイルと同じBランクだけどこちらはBランク上位の実力をもっているんだ。さらに彼女は覚醒してないけど固有スキルをもっていてなかなか才能のある娘だよ」


「え!?主様、私に固有スキルはなかったはずですが……」


「あぁ、エニファは気づいてなかったんだね。君の固有スキルは『金色』だよ。どうやらエニファはもともとの魔力がこのスキルと親和性が高いみたいだね。まだ覚醒してないからスキルの詳細はわからないけどなかなか強力そうな固有スキルだね。このスキルは僕の眷属になってから発現したスキルだからエニファは気づかなかったのかな。さて、ここまでが僕と僕の眷属の紹介だよ。それじゃあ次はユリィ」


「はーい!私はユリィ!種族はみてのとおり人族です!強力な呪いをかけられていたのをご主人様に解いてもらった、えっと、エニファさんとエメラちゃんと同じ奴隷仲間です!あと、ご主人様が大好きです!」


「ふふ、ありがとうユリィ。彼女は強力な呪いにかかっていたんだけどもう解呪したからもう安心だよ。あと、エニファ、エメラもなんだけど奴隷といっても大事な家族だからあまりかしこまった感じで接しなくても大丈夫だからね。さて、ユリィの固有スキルは『炎の巫女』火魔法や上位属性の炎魔法に加えて耐性も強化されているまさに炎の申し子っていってもいいほどだろうね。まだ、ユリィは戦闘経験もないみたいだけどこれからは実に頼りになる魔法使いになってくれるだろう。では、最後にエメラ」


「は…い、ご主…人様。私の…名前は…エメラ…です。ご主…人様に…名付けて…もらいま…した。種族は…ヴァンパイア…です。ご主人…様に血を…飲ませて…もらいました…ので本当の…姿に戻れました。両親…から…はケイルくん…と同じ…忌み子…なため愛情も…なにも…与えられませんでした…が今は…生まれ変わった気持ちで…これから新しい家族…と頑張りたい…です。」


「よく言えました!エメラはヴァンパイアで魔族のなかでは黒色は不吉、つまり忌み色なんだけどここにはそんなことは関係ない。大切な仲間であり、家族だからね!あと、彼女は僕を除いたなかではケイルの固有スキルを除いたら一番強いから即戦力だね。彼女も固有スキルもっているんだけど、『血漿魔法』っていうんだ。これは吸血鬼固有のスキルらしいね。あと、レアスキルの闇魔法と氷魔法に適正があるからかなり強いしこれからももっと強くなるだろうね。今でもAランク下位の実力をもっているから実に頼りになる後衛になるよ。吸血鬼という種族自体もかなり強いみたいだしね。」


「さて、自己紹介も済んだしこれから、眷属の誓いをしようか。ちょっと申し訳ないけどユリィとエメラには拒否権はないんだ。もう、僕たちの秘密を知ってしまったからね。」


「ご主人様、そんなこと気にしないでください!私を救ってくれたのは誰ですか?私に生きる希望を与えてくれたのは誰ですか?新しい家族だと言ったのは誰ですか?全部ご主人様です!そんなご主人様にだったら死んでも構いません」


「私…も同じ気持ち…です。忌み子…の私を…家族に…迎え入れて…くれて、今までで一番…美味しい血を…飲ませて…もらって、吸血鬼だというのに…差別も偏見も…もたずに…接してくれて。そんなご主人様…だったらユリィ…のいうとおり…命を失った…としても…笑って…死ねます」


「こら!死んでも構わないなんていったらダメだろう!僕が欲しいのは家族であって殉教者が欲しいんじゃないんだよ?」


「で、でもこの気持ちは本当です!」


「いいかい?僕はね、絶対に家族には死んでほしくはないし、僕のために死ぬなんてことは絶対にダメだ。」


「ご主人様は命を張って私の呪いを解いてくれた!凄い痛かったし、辛かったはずなのに泣き言一つも言わずに私のためにしてくれた!だから、次は私の番だもん!」


「……!」


ハクトは心に大きな衝撃を受けた

ハクトは大切な人のためなら命をかけることを苦にも思わない

だが、別に死ぬためにそうするのではない

たとえ、危険であろうとそれを打ち破る強さがあると自負しているからだ

だからそういうことをするのは自分だけでいいと思っていた

そのため、ユリィの言葉には驚きを隠せなかった

ユリィはまだ戦闘の経験がない

いくら優秀なスキルをもっていたとしてもそれを使いこなすための訓練をしなければ宝の持ち腐れだ

まだまだ子供といえる少女の覚悟はハクトに痛いほど伝わった

ハクトは自分の考えが間違っていたことを悟る

いや、決して間違ってはいないのだが、ハクトはこの考えが偽善であることを痛感した


ハクトはまだ仲間たちの覚悟を甘くみていたのだ

実際、ダンジョンマスターの眷属となるということは人族、亜人族や場合によっては魔族と敵対する関係になる

まだバレてはいないが、都市で暮らすということはいつバレるかわからない危険性を常にもっていると言える

そして、もしバレてしまったら即座に敵対され、数多の冒険者や騎士、兵士などと戦うことになる

当然、それは死ぬ危険がある。というより死ぬ危険の方が多いだろう。

たとえ、一度勝てたとしてもその次に勝てるわけではない

よって、ハクトはまだ世界を相手には勝てないと判断していた

確かに冒険者としては最高峰の強さをもっていると言える。

だが、それ以上の強者はまだまだいるのだ

まだ会ったことのない序列1位や到達者と呼ばれる魔物、聖獣、ドラゴン。

ドラゴンといっても以前倒したワイバーンのような下等なものではなく、SSランク、SSSランクに到達するエンシェントドラゴン、龍王などにはまだ勝てないと思っている

序列1位には勝てるかもしれないが魔物は固有スキルの能力や技術、体格、魔力などでハクトを勝っている部分は多いはずだ

体格はしょうがないとしても魔物独自の本能的な技術や莫大な魔力に対抗するための実力をつけなければならない

幸い、DPは定期的に凄まじいほど入ってくるし、これから領域を増やせばどんどんその量も増える

つまり、まだまだ成長の余地はあるし、新しいスキルも得られる

眷属にもスキルを与えることはできるが制限があり、例えば剣系統のスキルで一番初めに覚えるのは『剣術』だ。それが進化、つまりより上位のスキルを得ることが普通の成長だ

ハクトはDPによってそれが得られる、というかその方法でしかスキルを獲得することはできない

この制限は眷属にはないが、この『剣術』のように元となるスキルしか与えることができなくなる

さらに、適正がないとそのスキルは得られない

ダンジョンマスターは万能なスキル構成ができるが、眷属は特化した能力になりやすいといえるだろう

例えば、ケイルのように格闘に適正がある者にはその道を極めるスキルを得ることができるのだ


さて、話が長くなってしまったがハクトは考えを改める

だからこそハクトはこれだけはいわなければならない


「シルフィア、ケイル、エニファ、ユリィ、エメラ。これから僕と共に生きてくれ。僕と共に死んでくれ。絶対に後悔はさせない!だからこそ、君たちを頼りにさせてくれ」


《はい!!!》

シルフィアもみんな一緒に輝かしい笑顔で応じてくれた


ハクトは今、とても幸せだ

願わくばこの幸せがずっと続いて欲しいものだ

すみません、また期間が空いてしまいました

これからもこの作品をよろしくお願いします!

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