第三十四話雷神4
一日が過ぎ、ワイバーンの解体依頼の状況を聞きにギルドに来た
「人数は集まったのかな?」
「はい、安全に報酬を受け取れるということもあってすぐに集まりました。人数は二十人になるように選別いたしました」
「そうかい?なら今日から始めようか」
「ギルドの倉庫に集まっていますのでそちらをご覧ください」
「了解したよ」
ーーーーギルド倉庫にて
「ハクト様、ようこそいらっしゃいました」
「後ろにいるのが今回の参加者かな?」
「そうでございます、当ギルドで解体スキルをもつ者を選抜いたしました。それもレベルもそれなりに高い者を選んでおります。」
「信頼しても大丈夫かな?」
「はい!それは大丈夫でございます。人格も良く、例えば素材を盗むような者は選んでおりません」
「それはありがたいね。では、信頼するよ。みんな!今日はよろしく頼むよ!それと、一度に三匹ずつ解体を行っていくつもりだ。そのスペースは確保してあるからそのつもりでいてくれ」
《はい!》
威勢の良い返事が倉庫に響く
(この様子だと大丈夫そうだね)
解体スキルをDPでとることはできるがさすがに一人でやると時間がかかってしまうためやめておいた
それに、他の冒険者達と知り合いになれるチャンスかもしれないと思ったため今回は依頼というかたちをとった
お金はかかるがそれ以上の価値はあると判断したのだ
(それに『雷神』トゥーレと闘うからあまりDPを無駄使いするのはやめておいた方がいいだろうな)
トゥーレとの序列闘争は必ず勝つ必要があるといえるだろう
この序列闘争に勝てば一気に序列を二位に上げることができる
まだ、Sランク冒険者にというよりは冒険者になりたてなため知り合いが少なく当然人望も少ない
英雄になるという目標があるため当然人望が必要だ
戦闘力という面では、一心同体を使えばSSランクになれるため負けることはないだろう
経験という面では少し不安が残るが……
しかし、固有スキルを三つもっているという面では、勝てる者は少ないだろう
「では、今から出すから少し離れてくれ」
出すという言葉に冒険者達は疑問に思ったみたいだ
「もしかしてアイテムボックスをもっているんですか?」
アイテムボックスは空間魔法の『空間収納』みたいな物だ
アイテムボックスもピンキリであり、高いものから安いものまで多様な物がある
高い物にも安い物にも共通のことがあるそれは見た目以上に荷物を入れることができるのだ
高い物だと無限に近い荷物を入れることができる、さらには中の時間も止めることができる
その利点だけでも冒険者達にはありがたいものだろう。そのため、アイテムボックスは安い物でも白金貨一枚はする
アイテムボックスをもっているということは冒険者の一種のステイタスでもある
「その通りだよ、僕はアイテムボックスをもっているんだ」
おお!と冒険者達から感嘆のため息が聞こえる
『空間魔法』だと言わずに嘘をついたのはあまり手の内を見せたくないためだ
それにアイテムボックスをもっているというのは高ランク冒険者の証だから勘違いをわざわざ指摘することもないだろう
ここにいるのは高くてもCランクまでの冒険者達だ
アイテムボックスをもっているということに憧れの視線を向けている
ここでアイテムボックスを奪ってやるという欲望をもった視線をおくらないところが人格も選んだということに偽りがないことがわかる
「それでは、始めようか」
《はい!》
熱意のこもった返事だ
(これならあまり時間をかけずに終わるかもな)
ハクトの考えが正しかったのかワイバーン全部の解体は二日で終わった
そして、トゥーレとの闘いの日になった
ギルドにある闘技場には多くの観戦者がいた
当然ハクトとトゥーレの闘いを見に来たのだ
ハクトとトゥーレが闘技場の真ん中で向かい合っている
「よお!新入り、準備は大丈夫か?」
「当然だよトゥーレ!さあ闘いを始めようか!」
二人の目が闘う者の目に変わる
人類の遥かなる高み同士の闘いが今始まる!
すみません
ここ最近忙しかったため更新が止まってしまっていました
これからもなるべく更新を早めたいと思っていますが不定期になる可能性が高いです
見捨てないでいただけると幸いです