第三十一話雷神
ワイバーンの群れを討伐して、ロウジャに帰る
ちなみにだがAランクモンスターをダンジョン又は領域で倒すと三千ポイントが手に入る
「では、ワイバーンも回収したし帰ろうか」
ワイバーンは小さいものでも体調は六メートルほどあるため解体したとしてもその荷物は多くなる
だから他の素材は諦めた方がいいのか?というとそれを解決するのが空間魔法だ
空間魔法のひとつに『空間収納』というものがある、それは異空間に荷物をしまえるという魔法だ
この魔法の便利なところは異空間に無限な量の荷物をしまえるという利点がある
さらに、その空間は時間という概念がないので中に入れた例えば食べ物などが腐るなんてことはない
だが、この空間には生きている物は入れることはできないため、食べ物や無機物、死体などしか入れることはできない
ちなみにだがアンデッドは入れることはできない
偽りとはいえ生命をもっていると判断されるらしい
依頼を達成したので村へと帰る
ーーーーー村にて
「おぉ!ハクト様!依頼は達成されたのでしょうか?」
「その通りだよ、あそこにいたワイバーンは全て倒してきたからね。もう大丈夫だよ」
「それはそれは、まことにありがとうございます!これでこの村が襲われる危険が無くなりました」
「この村が襲われるまでに討伐できて良かったよ」
「少しばかりですがおもてなしをさせてもらってもいかがでしょうか?」
「それはありがたい、よろしく頼むよ」
「はい!かしこまりました」
ハクト達は村人から暖かな歓迎を受けて一夜を過ごすのだった
ーーーーいち夜があけて
「では、ロウジャに帰ろうか。村長殿ありがとうございました」
「いえいえこちらこそ貴重な体験ができました」
二人で笑いながら握手を交わす
「では、出発!」
村を出て誰もいないのを確認してからチコの体を元に戻す
「では、チコ、ロウジャに戻ってくれ」
《グルルルル!》
チコの背中に乗りロウジャに戻る
普通の馬とは馬力が違う、馬を超えるスピードでロウジャへと戻る
だが、そんなスピードを出しているのにハクト達は快適だ
風圧は空間魔法のひとつである『空間防壁』を貼ることで阻止している
『空間防壁』はその名前の通りバリアをはることのできる結界のようなものだ
やろうと思えば町をまるごと覆うこともできるがその分強度が薄くなるためやっても気休め程度にしかならないが……
だがチコの背中のみという空間なら風圧程度では壊れないバリアとなっている
そしてロウジャの町が見えてきたところでチコに小さくなってもらいロウジャの門へと向かう
ーーーーロウジャにて
門に入る時に税金として大銅貨を一人一枚払うのだが冒険者になると払わなくていいみたいだ
まだ朝に近いということもあって人もあまりいなかったので早めに門を通ることができた
門を通ってギルドに向かう
ギルドは多くの冒険者で溢れていた
だが、ハクト達が入ると幾人かの冒険者達が動きを止めた
「あいつがハクトか?」
「そうみたいだな、あんな容姿の奴他にはいないだろう」
冒険者達がこそこそと話をしている
ハクト達が受付に並ぼうとすると、列に並んでいた冒険者が先を譲ってくれる
Sランクという最高位冒険者ということもあるのだろう
「すまないね、ありがとう」
「いえいえ、気にしないでください」
短いやり取りを終えて受付の前に立つ
「依頼を達成してきたよ」
「かしこまりました、ギルドマスターがお会いしたいと言っていたのでギルドマスターの部屋に案内いたします」
「そうなのかい?では、よろしく頼むよ」
ギルドは三階建てとなっており三階の一番大きく奥の部屋にギルドマスターの部屋はあった
扉を開けると
「おう!ハクト、帰ってきたか」
「やぁガレフ無事に依頼は達成してきたよ」
「そうかそうか、初めての依頼達成だからお前も感慨深いだろう」
「確かにね、それで?そちらの方はどなたかな?」
そう、ここにはハクト達と受付嬢、ガレフ以外にもう一人いた
「あぁこいつはお前と同じSランク『雷神』のトゥーレだ」
「よろしくな新入り」
そこには現役のSランク冒険者がいた