第二十一話都市へ
村人から暖かな歓迎を受けて一夜が明けた
「それでは、村長、ありがとうございました」
「いえいえ、こちらこそ英雄におもてなしができていい経験になりました」
「英雄なんて……少し照れてしまいますね」
村長とハクト両方が朗らかな笑い声をあげる
「では、出発いたします」
「そうですか、それでは、道中おきをつけてください。まぁあなたのような強さを持っているのならどうにかできる相手もそうそういないと思いますがね、でも油断は禁物ですよ」
「そうですね。ご忠告ありがとうございますでは、みんな!出発だ!!」
この村は良い村だった
危険なモンスターを退治したということもあってみんなが喜びの表情を浮かべている
さらには村の人達に料理や酒などをごちそうになった
ダンジョンマスターは基本飲食は必要ない
だが、種族にもよるが嗜好品として食べたり飲んだりすることができる
ただ、種族にもよるというのはダンジョンマスターがアンデッドだったり、虫系の種族だったり、体の構造的に飲食ができないかったりするためだ
それを考えると人間に近い体型なハクトは恵まれていると言えるだろう
だが、アンデッドは肉体的にも精神的にも疲労がなかったり、虫系の種族だと痛みを感じなかったりとそれぞれの種族には良い点悪い点があるため
一概にハクトが恵まれているとは言えないのだが……
今回に限って言えばハクトは恵まれていると言えるだろう
ちなみにだがすでにこの村全域を領域にしてあるため村が襲われたりしたらダンジョンのモンスターを派遣することもできる
このような判断はエルダードッペルゲンガーに任せておいて大丈夫だろう
せっかく友好的な関係を築けたのだからこの村は大事にしたい
「では、都市への案内をよろしく頼むよエニファ」
「了解しました!主様!」
ただし、ハクト達は領域以外の場所を出られないという制限があるため道中はゆっくりと進む
1日に得られるDPが今現在100000ポイントまで上がっている
なぜそんなに上がったのかというと初めて集落を領域にしたからだ
さらに村の人口は3000人で領域に入っているため一人当たり2DP手に入るから6000DPが手に入る
そのため1日に106000を入手できる
つまり、1日106m四方のみ進めるということだ
そのため都市につくまでにいくらか日数がかかる
だが別に急ぐ旅でもない
ゆっくりと旅を楽しむのも乙なものだろう
(都市につくまで何日かかるかな)
1日106mまでしか今は進めないがこれからDPを増やすために村を巡ってDPを増やすのもいいだろう
寄り道になるが確実に僕達の力になる
とりあえず人間の都市に着いたらまずは高ランク冒険者となり、人間達から人望を集めることが重要だ
ランク的には素の状態でSランク、『一心同体』を使うとSSランクになれるため高ランク冒険者になるのは難しくはないと思っている
これからの未来に不安を覚えるもそれよりもこれからどうなるかという好奇心のほうが勝っている
(いやぁ楽しみだ!)
輝く未来を夢見て今日も進む