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第十六話人間との戦闘

「やぁはじめまして人間達、私達のダンジョンへようこそ」


鈴のようなからころした声がダンジョンに響く

最下層まで案内したのだから友好的に話せるのではないか?

そう思って来たもののやはり不安はある


「あなたがダンジョンマスターなのか?」


代表としてリーダーが口火を切る


「そうだよ」


ありえないほどに整った顔立ちを持った青年がそれを肯定する

白銀色に輝いた髪をもったおよそ180cmほどの美丈夫だ


ダンジョンマスターなのだから人外の美貌をもっているのも納得だ


「まず、なぜ俺達をこの最下層に呼んだんだ?」


「それはね君達がはじめての敵対した侵入者だからだよ」


ドラゴニュートでは戦闘に入らなかったためノーカウントだ


アンガーシップのメンバーは敵対という言葉に頬をひきつらせる


「おい!あいつのランクはいくつなんだ?」


「わからない……です……鑑定が効きません」


「あぁそういえば鑑定もちの子だったね残念だけど君程度の実力では僕のランクは見えないよまぁ教えておこうか」


少し間を空けてためをつくっているためアンガーシップのメンバーも固唾をのんで聞く


「SSランクだよ」


「嘘だ!そんなの伝説に語られる勇者や魔王くらいだ!」


「本当なんだけどなぁ……」


困ったなぁという風な様子でやれやれと首をふっている


「まぁいいや僕は君達に感謝しているんだ」


「感謝?」


もしや友好的にできるのか?一筋の光明が輝いたか?と思ったがそれは次の言葉に否定される


「そう!僕がどれ程人間のパーティー相手に戦えるのかの実験をしたくてね、あぁもちろん殺し合いをするんだよ?」


希望が脆くも崩れる

戦うことはもはや決定事項なのだろう


(くそ!なんでこんなことに)


思わず舌打ちをするどうすれば生き残れるのかを模索していると


「落ち着け!まだ希望はある!」


リーダーが声を張り上げる


「あいつのランクは信じられないがそれでもそれ相応の強さをもっているのだろう。だがあいつの言ったことを思い出してくれ、あいつははじめての敵対者といっていた、ならば経験という面では俺達の方が勝っているはずだ!だから俺達は勝てるぞ!」


リーダーの声にパーティーの顔に生気が戻る


「おや?やる気になったみたいだね、それは良かった。僕もできれば長く経験を積みたいからね、やる気のない相手よりもやる気を出した相手の方が良い経験を積めるだろうからね」


おそらく負けるなんてことはこれっぽっちも思っていない様子だ


(はん!その思い上がった思考をくつがえしてやる!)


「さて、では戦おうか」


「おい!いつものフォーメーションで行くぞ!あいつのどぎもを抜いてやる!」


『おう!』


彼らアンガーシップは個々の実力も高いがチームとしての実力も高い。これに人間性もよかったら良いのだが……


もう一度ダンジョンマスターを見るとその武装がどれ程の価値があるかわからないほどに素晴らしい武具だ


両手に剣をもち頭以外の全身を鎧でおおい頭にはサークレットと呼ばれるものを被っている


おそらく魔法がかかっているためなのだろうが武具が自分から光を放っている


まさに実力にあった武装をしていると言えるだろう剣もおそらく魔剣か聖剣なのだろう、それ特有の輝きを放っている


(あの武具を俺のものにしてやる!)


「いくぞ!」


『おう!』


まずアンガーシップは五人パーティーだ。戦士三人(奴隷含む)盾役一人魔法使い一人といった構成だ。戦闘に特化していると言える構成だろう


まず盾役が相手にたいして突っ込む

全身を覆うくらい大きなタワーシールドをもって突っ込む

まるでダンプカーが突っ込むくらいの迫力をもっている


その後ろを戦士三人が追従する

魔法使いは後方で魔法の準備をしている


「シールドバッシュ!」


盾役がダンジョンマスターめがけて戦技を発動させる


人間はモンスターに比べて肉体能力で劣る。そのために開発されたのが戦技だ


シールドバッシュは盾で相手を吹き飛ばすくらいの迫力をもっている

並みの相手では避けることすら叶わずに吹き飛ばされるだろう

一流の相手は避けることができるが追撃を放つことすら困難だろう


では……超一流の相手は?


「な!?」


何が起こったかわからないという風な驚きだ


それは二つに割れた盾が何があったかを証明している


そう、タワーシールドが両断されたということだ


ただ、これはパーティー相手には愚行だ

一対一ならなにも問題はないがこれはパーティーとの戦いだ


数で勝る相手には一手無駄にするのは良くないと言えるだろうだがそれは普通の相手ならのはなしだ


戦士の二人がジャンプして盾役を飛び越えてハクトに襲いかかる


(とった!)


勝ちを確信したための笑みがこぼれるが……それは少々早計だった


首めがけて振り下ろされた二つの剣はハクトのもった二つの剣に受け止められる


これで攻めは終わりかと思ったがそうではない


(これで終わりじゃないんだよ!)


そうこれはあくまでも陽動

本命は足元

奴隷の戦士が獣人らしくしなやかに動いて盾の下から足元を狙って剣を横凪ぎに振るう


「なるほど……良いチームワークだけどそれまでだね」


だが傷をつけることは叶わなかった

まるで予測していたかのように剣を踏みつけたのだ


ひとつ間違えたら確実に怪我をする状況なのにまるで当たり前のようにこなしていくのはやはりSSランクは伊達ではないことの証明だろう


「マジックアロー!」


魔法使いから仲間に被害がでない直線的かつ速度が速く避けるのが難しい魔法がハクトめがけて飛ぶ


だが…それも普通の人ならの話だ


ハクトが剣を一閃すると魔法が掻き消える


「なんだと……魔法を斬っただと?」


魔法使いから驚きの声があがる


「さて、君達の実力はこれくらいかな?」


ひとつとしてかすり傷すらつけられずに必勝のフォーメーションを破られたことにアンガーシップのメンバーの顔に絶望が浮かぶ


「なるほどなるほど、これがBランクの実力なのだね良い勉強になったよ。実験に付き合ってくれて感謝するよ」


少しも感謝している雰囲気を感じさせない


「おい!奴隷!早く盾になれ!俺達が逃げる時間稼ぎをしろ!」


「おや?ここから逃げられるとでも思っているのかい?」


「うるせぇ!俺達はこんなとこで死んでいい人間じゃない!早くしろ!」


奴隷が命令を受けたらそれに従わないといけない、それは首輪につけられた隷属魔法によって決められている

命令に違反すると体中に痛みが走るため従わないといけない


奴隷もいやいやだが主人を庇うべくハクトの前に立つ


「ふむ……では、少し気絶してくれ」


そう聞こえた瞬間奴隷の意識は暗転した


「では、本当は友好的にしたかったけど君達を生かす理由を感じられないからこのダンジョンの肥やしになってくれ」


ダンジョンの肥やし……つまり殺されるということだ


アンガーシップのメンバーの顔に再び絶望がはしる


「では、実験に付き合ってくれてありがとう。それではさよならだ」


アンガーシップのメンバーはなぜこの依頼を受けてしまったのかと後悔をしていたがそれももう遅い


この依頼によってアンガーシップのメンバーは誰の目にもとまることなくいなくなるのだった

はじめての戦闘シーンでしたがどうでしょうか?


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