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あいきゃんふらい

空の旅は好きだろうか。

僕は苦手だ。

実は修学旅行で初めて飛行機に乗ったのだが、猛烈な歯の痛みに襲われた。

虫歯の治療中だと、気圧の変化で神経が圧迫されて激痛に襲われることがあるそうだ。

痛み止めで事なきを得たが、薬が効くまでは最悪の気分だった。

楽しい旅行の幸先が悪くなる出来事で、クラスメイトにもからかわれた。


さて、そんな僕も現在一人で空の旅。

鉄の塊に乗っているわけでもなく、独自飛行だ。

いや、違うな。

飛行ではないか、飛翔か。

ああ、文字の違いなどどうでも良い。

謎の球体に弾き飛ばされた僕は今、空の上にいる。地面が逆さまに見える。

今日は、空に海へと大忙し。

もうすぐ陸にも真っ逆さま。


なんで、こんな冷静なんだ。

まあ、夢なんてこんなものか。

しかし、風の感触がリアルだ。


急な場面転換で森の上へ弾き出され、遠くには城やら街も見えた。つくりが細かい。生死をさ迷うと脳細胞が活性化するのだろう、今回の夢はスペクタクルである。

そんな空中散歩、ほぼ強制だが飛翔もまもなく終了だ。森の木が近くに見える。物凄く茂っている。そして、着地。到着だ。


そんな綺麗な突入ではなかったが、僕は森へと飛来した。背中から思い切り。


「痛ってえぇぇぇぇぇえ!」


無茶苦茶痛かった。

水面に落ちたときより痛い。

しばらく呻いていたが、身体には傷一つない。

夢凄い。


地面にはヒビが入っている。

変にリアルだなあと感心しながら、立ち上がる。

生い茂る木々は見たこともないものばかりだ。

すぐ側には花畑がある。花はみたこともないような種類だが、彩りが美しい。

その先に道らしきものが作られており、案外人の手が入っているのかも知れない。

もしかしたら人里もあるかも。

そんな風に考えていると、その道の先から人影が見えた。


男性が二人、あちらは気がついていないようだが二人の服装が印象的だった。


寒くもないのに毛皮のような服を着て、前をはだけさせて歩いている。なんというか、マタギ?のような格好だ。腰回りに固そうなエプロンみたいなのをつけていて、二人とも剣と槍を持っていた。

漫画なんかに出てくる山賊だったり、荒れくれ者とか呼ばれる人みたいだ。


しかし、我ながら、かなり遠くなのによく見えたものだ。

さて、ちょっと嫌な予感はしたが、所詮は夢だ。

あの二人に話を聞いてみるのも良いかもしれない。

そう決めて、僕は森の道を歩き始めた。





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