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ヴォルングの指輪  作者: 妄想好き
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一章:3年後の俺


俺は家の二階から窓を開けて外を眺めている


時間とは早いもので、俺が生まれてから3年が経ち、3歳となった


直ぐに分かったことは自分が異世界に転生したことだ。



この世界で俺こと藤島 光はジークと名付けられた。フルネームは「ジーク・ブラックスミス」


異世界トリップよろしく。どうやらこの世界には魔術がある。

魔法と呼ばれないのは術式や演唱があるから。

魔法は術式が存在せず、演唱がないのに「現象」を起こせる事を魔法と言うらしい


俺が異世界転生をしてから先ず行ったのは言語の習得だ。

とりあえず、両親がいない間に立ち上がろうとしたが、筋肉が発達していないのか。直ぐに立てなかったのでハイハイで移動をした。

その際に本をとってみてペラペラとめくって見ると英語のようなものが並んでいた。


(全く読めない)


俺はペラペラとめくっていると両親が帰ってきて驚いていたが、膝を折っての文字はこう読むと教えてくれたおかげで、一年間で言語の習得した。舌が動かし辛いので言葉足らずだが喋る事にも成功

それとほぼ同時に歩く事にも成功し、今では二足歩行をしている。


両親はその習得スピードに「この子は天才なんじゃないだろか」と言い出すしまつ。少し、早くしすぎたかもしれない。両親の言葉を真似するぐらいが良かったかも


まぁ後悔しても仕方ない。それに習得が早すぎても悪いことではない。

こういったものは早め早めに覚えていってしまった方がいいのだ。

生前の俺は英語が苦手だったし


そうだ、俺の両親の事を話しておこう。

両親の名前は父親が「レギン・ブラックスミス」母親が「ラノン・ブラックスミス」という


どうやら俺はそれなりに裕福な家に生まれたらしい。鍛治貴族と呼ばれているのを聞いた

家、というか屋敷には鍛治場があるしな

だが、武器だけを鍛えるのが仕事ではなく、どうやら下級騎士の役割も与えられているようだ。


下級騎士とは基本的に村に派遣され、村でのいざこざの解決や、魔物が村に現れた時の退治を主な仕事としている。様は分社に派遣された本部の人間だと思えばいい。


なので、鍛治貴族と呼ばれていても地位と役割的には下級騎士と同等なので、アルゴ村に住居を構えているというわけだ


「ジーク!ご飯よー!」


おっと母親に呼ばれている。行かなければ

これから朝飯なのだ。

俺は窓を占めると部屋から出て、下に降りていく

そしてリビングにつくと、母親の手伝いしているメイドがこちらを振り向き、お辞儀をする


「ジーク様、おはようございます」


「あ、ラムさん。おはようございます」


挨拶をしたメイドー「ラム・メティア」に挨拶をし返す

実はこのラムさん、妊婦だ。

妊娠をしている女性を働かせていると見られるだろうが、そうじゃない


今から半年前辺りの出来事だ。俺があんよも達者になってきてそろそろ歩いていると言われてもいいようになってきた頃、突然、ラムさんが妊娠したと報告した。


俺が知る限り、ラムさんには彼氏がいたことはない。

ラムさんが外に買い物に行って暴漢に襲われたなんて話も聞いていない。

俺は知っていた。夜な夜なレギンがラムさんの部屋に入ってババ抜きならぬ、母抜きでナニをしていたのを

つまり犯人は一人、この中で妊娠させることができる異性。

俺の父親、レギンだ。


流石にこれには母親もキレた。

この世界にも宗教があって、一夫一妻でなければならないなんて教えてある。母親は宗教を信じている人ではないが、まさか二人目をメイドに仕込むとは思ってもみなかったのだろう


俺はその話が出た時、父親への尊敬が消し飛んだ。代わりに侮蔑の視線を向けた。

この世界は一夫多妻でもいいらしいが、自分の妻に許可を貰っていないのによくできる。


母親はその後、一週間ほど父親と口を聞かなかったが、父親は解決したようだーーーベッドで

どうやらうちの父親は女性とのいざこざはベッドインで解決することができるようだ。呆れを通り越して羨ましい。

それと、三人目はそう遠くなさそうに思える。


「ジークはお皿並べてて」


「はい。母様」


俺は母親から言われた通り戸棚の中にあるお皿を取り、並べていく


「ジーク様、そのようなこと私がしますのに……」


「なに言ってるの、貴女身重の体じゃない。無理はしないの」


ラムさんが俺の手伝いを代わろうとしたが、母親に少しだけ怒られる

俺もうんうんと頷く。

座って待っていて欲しい、もうすぐ生まれそうなんだろうし


「むしろ、妊娠しているのに家の手伝いをさせてしまってすみませんね」


俺は謝りながらラムさんに言う。父親の不祥事で妊娠しちゃったのに、その上で家事の手伝いまで

ラムさんはフルフルと頭を横に振るうと深くお辞儀をした


「ただいま。おお、いい匂いだな」


そして、父親のレギンが朝の鍛錬から帰ってきた

ラムさんがやる家の手伝いはこの男がやればいいのに


「あなたも、手を洗って手伝って」


母親も俺と同じことを思っていたようで俺の心の声と同じような事をレギンに言う

レギンはハイハイーと言いながら洗面所に向かっていった


そしてしばらくして朝食が完成して家族で食事を取る


俺は食事中にどうしてこの世界に転生したのか考えていた。

まぁ心当たりはあのアンケートだけど

あれは一体なんだったんだろう


欲望と理想を詰め込んで答えたがなんだが「ヴォルンスングサガ」とは少し世界観が違うようだし


もし、俺が主人公だったとすると名前はジークじゃなくてシグルドと似た名前になるだろうし。


ジークじゃニーベルングの指輪のジークフリートみたいだ。いや出自はヴォルンスングサガと一緒なんだけどさ。


それにレギンだって鍛治士って所はあってはいるが、貴族じゃないし。そもそも結婚だってしていなかったはずで、シグルドは養子に送られている。


魔術だってそうだ。

ヴォルンスングの世界では魔法のはずだ

だがこの世界ではゴブリンやオーガといった魔物といったものも頻繁とは言わないが出現する


こうなるとヴォルンスングサガの世界に似ているけど完全に違う世界と考えた方がいいか


もし、俺の打ったあの欲望ダダ漏れな世界で俺の設定通りなら俺には剣と魔術の才能が眠っていることになる。こればっかりは試してみないとわからないが……


つか、そろそろ幼馴染というか友達を作りたい!一人の部屋で本を読んでいるのは飽きた!


俺が思考にふけって、食事の手が止まっているとラノンが心配そうに声をかけてくる


「どうしたのジーク?何処か悪いの?」


おっと心配させてしまったか

俺は笑顔をラノンに向けて答える


「いえ、大丈夫です。母様」


ラノンはそう?と聞くいて食事に戻る

俺も食事を済まさなければ


俺が朝食をかきこんでいるとレギンが声をかけてくる


「ジーク、朝食を食べたら庭に来なさい」


庭に?なんだろ


「はい!」


俺はとりあえず、返事をして朝食を終わらせる



そして言われた通りに俺は庭にでる。

そしてレギンが俺の前に立つ


「ジーク、これからお前に剣を教える」



「だが、すぐに剣術を教える訳ではない」


?なんでだろ


「お前はまだ小さい。だから今は体力作りを始める」


ああ、そういうことか


「はい!」


「いい返事だ。なら先ずは腕立て伏せから始める。俺の真似をしてみろ」


そして特訓が始まる。

と言ってもレギンも言っていた通り、本当に体力作りが主である。腕立て、腹筋、背筋、家の周りをランニング、そして、木刀を使っての素振り


しばらくやって、休憩に入る


「ジークは筋がいいな」


レギンはそう言って俺の頭をわしゃわしゃと撫でる

どうやら、この身体は剣の才能があるらしい


「ありがとうございます。父様」


そこからしばらく他愛のない話が続く


「そういえばジーク、お前はあまり外にでないよな」


「母様に一人では出るな、と言われたので」


そうなのだ、外に出れない理由がラノンによる一人外出禁止なのだ


「まぁ、人さらいの心配があるからな。でも出たがったこともなくないか?」


それは考えていなかった。直ぐにでも実行しようかと思ったが、ラムさんの事を思い出して踏みとどまる


「ラムさんがいますからね?」


俺がそう言うとレギンは苦笑いを浮かべる


「まぁ、こういう事は無いようにしてくださいよ」


あの時の空気はマジで重かった

一週間ぐらい生きた心地がしなかった


「まだ3歳の息子に怒られちまったよ」


「まぁかっこいい父様の像は完膚なきまでに壊れましたよ」


するとレギンがガーンとショックを受けたように肩を下げる


「僕はいいですけど、生まれる妹か弟にはかっこいい姿をみせてやってください」


俺がそう言うとレギンは「お、おう」と言って立ち上がる


「さて、休憩もこのくらいにして続きを始めるぞ」


「はい!」


今日は夕日が沈むまでトレーニングした

流石に疲れた


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