序章:アンケートに答えたら異世界へ
注意:この作者はヴォルングサガもニーベルングの指輪も読んだことがありません。ただの妄想です
今、俺こと藤島 光は大学のかったるい講義を受けている
教授が黒板に書いたことをノートに板書し、説明を聞き流しながら、スマホをいじっている
はぁ…早く終わらないかなぁ
俺が今、スマホで見ているのはTwitterやLINEではなく、とある神話の解説サイトだ
その神話の題名は「ヴォルスング・サガ」。英雄シグルドがドラゴンを倒し、二人の女性との恋愛模様をえがき、最後には殺されてしまう話だ
なんでそんなことを調べているのかだって?
まぁとあるアプリのガチャで「ジークフリート」というのが出てきた
ステータスを調べようとしたら、偶然にその元となる同じ名前の英雄がいるのを知り、それを見たのがきっかけだ
その英雄の物語の元となったのが「ヴォルスング・サガ」だったわけだ
だから気になって調べている
今年で俺は二十歳になったが、今だにこういったファンタジーみたいな物語は大好きだし、憧れている。
てか女の子とイチャイチャできて羨ましい
まぁ、確かにこう言うファンタジーに出てくるような女性は存在していないのは分かっているけど実際、女性にある程度の憧れはある
話が逸れたな
基本的にこういった物語は悲惨な結末を迎える。アーサー王然り、ケルト神話然り、どれも繁栄があり、滅びがある。
「いつまでも幸せに暮らしました」という終わりよりも死んで終わることが多いし
結局このヴォルスング・サガでも女性のやっかみでシグルドは死んでしまう
俺はこういった、いわゆるバッドエンドって奴が気に食わない。
まぁ俺が気に食わないからなんだって話なんだが、とにかく気に入らない。
だから俺は頭の中で「もしも」と想像してしまう。妄想と言ってもいい
例えばシグルドがそのままブリュンヒルドとくっついていたらとか、はたまたブリュンヒルデともう一人のヒロインであるグズルーンを娶ってハーレムを築くとか。
アーサー王ではもし円卓が仲違いしなければや謀叛が起こさないようにしていればとか、
まぁ、いろいろ考える。そしてこんな妄想しかできない自分を自己嫌悪する
ただし、俺は和訳された本とかは見たことがないので触りの部分しかしらない。なので、説明しろと言われても無理だ
そんな風にスマホをいじっていると、一通のメールが飛んできた
俺はこういったメールを未読で放置せずに開封済みにしておく。なぜかと言うと未読にしておくと大学からのメールかどうかがわからないからだ。
俺はそのメールのタイトルを見ると「あなたの読んでいるもののアンケート」などというタイトルが見える。当然アドレスに覚えはない
俺は胡散臭そうに見るが、何と無くサイトのアドレスをタップする
そして第一の質問
「あなたが今読んでいる物はなんですか」
俺はこの問いにラノベと入力して次へ進む
第二の質問
「そのジャンルはなんですか?」
ファンタジー
第三の質問
「タイトルは?」
俺は少しうつのを躊躇ったが「ヴォルスング・サガ」と「ニーベルングの指輪」と打つ
ニーベルングの指輪は本ではなく音楽なのだが、まぁいいだろう
第四の質問
「あなたは読んでいる物の世界に行ってみたいと思ったことはありますか」
こんどはYes/No問題か
俺はNoをおす
第五の質問
「それはなぜですか?」
理由としちゃぁ、「物語がバッドエンドでもう根本からやり直さなければいけないから」
第六の質問
「第四でNoと答えた人だけお答えくたまさい⚠︎ どのような世界なら行ってみたいと思っていますか?」
ふむ…少し長くなるが
「まず、世界観的には中世みたいな感じで、ファンタジー小説なんかの魔術が発達していて、魔物や獣人なんかの亞人なんかも存在している世界。」
第七の質問
「あなたはそこでどのような存在でどのように生まれ生きていきたいですか」
うーん欲望ダダ漏れだか
「その世界での最高の魔力と魔術の才能をもっていて、武器を使う才能にも恵まれている。後、それなりに整った顔立ちで平均よりも少し高い慎重で細マッチョ
普通の家庭に生まれたい。最初は世界で生きて行くための知識や技を学んで、学び終えたら世界中を旅をして、恋をして、結婚して、それなりに裕福な暮らしをしたい」
うわぁ恥ずかし過ぎるーー!
第八の質問
「そのような世界なら生きてみたいですか?」
「Yes、美人で巨乳で性格良しな女の幼馴染がいるとなおよし」
第九の質問
「この世界に行けるなら今、生きている世界に未練はありませんか?」
Yes
九個の質問に答え終わると「アンケートありがとございました」と表示される
俺はそれを見るとそのサイトの画面を消して講義に戻る
板書しなきゃやべぇ!
そして今日の講義が全て終わり、大学から駅に向かっている。
今日は午前中に講義が終わる日なので今は昼ぐらいだ
最近ここら辺にビルが建つらしく、日昼と工事をしている。
講義中も少しその音が聞こえてきてうるさい
俺はその側を歩いていた。
すると上からバキンッと何かが折れる音が聞こえる。
俺は気になって上を向くと目前まで鉄骨が落ちてきていた
「えっ?」
俺は何もできず、何もせずに、走馬灯を見ることもなく、無惨にも鉄骨に潰されて死んだ。
何かに後悔するのも、親にすまないと思うこともなく、死んだ。
死んだはず、だった
次に目が覚めると俺は赤ん坊に誰かに抱え上げられているところだった