寝起きドッキリ
「ふぁ~…あ~…まだ寝れるな…おやすみなさ~い…」
そういって再び眠りに就こうとするこの青年の名前はシン・レイヴィ。今年で18歳。黒髪に黄色い目が特徴だ。
彼はアネモネ王国の暗殺者だ。実力はトップクラス、しかし性格はのんびりとしている。
彼はアネモネ王国の暗殺者なのだが「最強の暗殺者クメト・レイヴィはアネモネ王国にいるんだよ☆」
なんてことを言っては暗殺にあった国や団体がぼこぼこにしてくるのでアネモネ王国の騎士団副団長という設定である。
「まだ寝れるって…もうお昼になりますよ?シン様、起きてください!」
「もうちょっと…あと1時間でいいからぁ…」
「1時間たったら本当にお昼なっちゃいますら!」
とシンを起こそうと奮闘している彼女はシンの侍女のウィラ。先月16歳になった少女だ青い髪と目が特徴だ。
暗殺者の侍女というのもおかしな話だが彼女は
2年前1つの任務でシンが向かった戦地で両親を失って泣いている所を保護してそのまま王国に連れてきたのだ。
そのままにしておくと餓死するか山賊につかまって奴隷なり性欲のはけ口になっていただろう。
国王を説得して今に至るわけだ。
彼女を見せたとき国王は
「戦場でも女を見つけるか…お前こそ真の男だ!」
と国王として大丈夫なの?的なことを言っていたがいつものことだ……
「お昼になったっていいじゃないか…普段ならなんだかんだで寝たい時間まで寝させてくれるのに…」
「今日は王様がお呼びになってるんです!準備できたらさっさとこい!って仰ってました!」
「んじゃまだ準備できてないからいいね…」
「ふっふっふ…そう言うと思ってお食事、服、その他いろいろもうすでに用意しているのです!」
「な、何…!?…わかったよ、りょーかいりょーかい話してたら目が覚めちゃったし…」
そういってシンはベットからゆっくり出てくる。
その間にウィラはシンの服を持ってきた。
動きやすさを重視した服だ。
「剣の鍛練をしてからご飯と正装に着替えるんですよね?」
「うん、ありがとう」
「わかりました!では食堂で待っていますね!」
「はーい」
剣の鍛練はシンが毎日欠かさずやっていることだ。
普段なら時間をかけるのだがご飯がさめてしまうのと王様が呼んでいることもあっていつもより早く終わらせた。
かいた汗を水浴びでササッと落としてから(屋敷の裏に井戸がある)屋敷に戻ると
ウィラが玄関で待っていた。
「わざわざ玄関で待たなくてもいいのに…」
「そうはいきません!主人のために迅速に行動をするため!お気になさらならないでください!」
「お、おう…そういうものなのか…」
「そういうものなんです!」
この会話をしてる時点で迅速かどうか怪しいところである。
「迅速な行動を心がけてるウィラさん、ご飯と服をくださるかしら?」
「は、はい!!」
そういってどたどたと駆けていった。服を取りに行ったんだろう。
それじゃあお先にご飯を頂きましょうか。
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遅めな朝食を終え、服も正装に着替えた、さて王様はどんな要件なんだろうか。ウィラは知っているだろうか。
「どんな要件か知ってるか?」
「いいえ…でも伝えに来た兵士さんはかなりまじめな様子だった…って言ってましたよ。」
あの適当王様がまじめな時は基本任務の話だ…(´・ω・`)
「あー察した…面倒だな…まあ、しょうがないか…行ってきます。」
「はい!行ってらっしゃーい!」
と、言っても俺の住んでる屋敷は城の敷地内にあるから遠くないんだけどね。
「頼むから面倒な仕事はやめてくれよ~」
とブツブツぼやきながら王様のもとへと向かった