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作戦開始!

「では、そろそろ各地点に移動してくれ。何かあった場合はここに連絡を。私と副団長が緊急事態の場合を除いて常にここにいる」


続々と皆が動き出す。

遅れないように俺たちもついていった。

この班の担当は北西地区にあるアジトだ。

時間まで敵アジトが見えるギリギリの位置にある空き家で待機。

ミーティングによると相手は10〜20人で、

正面に見張りもいないそうだから、

奇襲をかけて一気に仕留める。

通りに人がいないのは夜なのもあるが、

避難が行われたからだろう。


作戦開始まであと15分。

同じ班の奴らもピリピリしている。

俺は緊張でもっとだが。

アルマは意外にも一番平気そうだ。

緊張しないタイプなのか、

修羅場を潜ってきた経験によるものかは分からないが、

それを見ているだけでちょっと落ち着ける。

どうせだから深呼吸でもしよう。

息を吸ってー、吐いてー、吸ってー

……ドーン!



なんだ!?何が起こった!?

他の区域で戦闘が始まったのか?

だが開始までまだ10分以上あるはずだ。

とりあえずここにいるとマズイと直感が警報を鳴らす。

「アルマ!外に出……」

「ダメです!囲まれてます!!」


……これが意味することは1つしかない。

奇襲がバレていたのだ。

避難なんて大がかりなことをやったときにバレたのかもしれないし、

情報が漏れていた可能性もある。

どちらにしろ、俺たちはかごの中の鳥ってわけだ。


「一点突破するぞ!」

知らないおっさんが声を張り上げる!

全員が即座に他に方法が無いことを悟りその声に従う。

敵が次々とドアから入ってきた!


くっ、乱戦状態になっちまった。

「アルマ!隅に行け!俺が壁になる!」

準備もしてない状態で乱戦になってしまったらアルマは実力を発揮できない。


正面から敵が来た!

感覚で分かる。

こいつは俺より弱い!

降り下ろされた左手のナイフを剣で受け止めると、

すかさず右のナイフで突いてくる。

俺は刃に触らないように手首を内側から払った。

がら空きになった腹に蹴りを入れて、

バランスを崩したところでこちらの剣を降り下ろす。

まずは一人だ。


狭い空き家で乱戦となっているため、

俺たちも動きづらいが相手も上手く動けないようだ。


せっかく俺のもとに次の敵が来ていないので、

近くで味方と戦っていた敵に横から乱入する。

正々堂々とは言えないやり方だが、

こんなときにそんなことは言ってられない。


横からの攻撃だったため、

確実に一撃入れられたかと思ったら上手く避けられた。

武器を持っていないことから素手の戦士だと分かるが、

それでも二人がかりで圧されてる。

多分今回は相手のほうが格上だな。

敵は俺が押し退けられた隙に

元々戦っていた味方の方に向き合うと大きく投げた。

プロレスみたいな投げ方しやがる。

だけどその味方が投げられた先は入口付近。


なら、ここにいて加勢してもらうよりも、

「本部へ行け!援軍を出してもらってくるんだ!」

これで時間を稼ぐだけでもこちらが有利な戦局が作れる。


改めて敵に向かいきた瞬間、

左ジャブが飛んでくる。

速ぇ!

多少体をずらしたが避けきれない。

体勢が崩れたところに2発、3発と更に入れられる。

反撃できねぇ……!


「ジン!」

後ろからアルマの声。

直感に従ってしゃがむと頭上を雷が駆け抜ける。

これは予想外だったのか、

反応できなかった敵は黒焦げだ。

「しゃがまなかったらどうするつもりだったの!?」

「しゃがむことを期待してました!」

君の希望だろう、それ!!



よくみると外への道が空いている。

「出よう!」

アルマが頷いてついてくる。


通りにも敵がわんさかいらっしゃる。

味方も散見できるが多勢に無勢だ。

大して当てになるとも思えないが、

後詰めの騎士たちはどこに消えたんだよ!



……あれはハシゴ?

「アルマ!あそこから屋根の上へ行け!」

アルマが上へと上がってしまえば、

俺は前の敵にだけ専念できるし、

アルマも援護に専念できる。


だが、ハシゴを死守してる間に2人に挟まれてしまい抜け出せなくなってしまった。

防戦一方となり、攻撃に手が回せない。

徐々に敵の攻撃によってダメージが蓄積されていく。

血が入ったようで左目が開けられない。

視界が狭まったせいで更に防御が薄くなる。

敵が近すぎるせいでアルマも援護できないようだ。

周りの味方も自分の戦いだけで精一杯で、

こちらに加勢してくれそうな奴はいない。


もう長くは持たないぞ……。




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