冷たい弾丸が笑う時
これは、殺し屋のお話。悲しい悲しい殺し屋のお話。
カツーン。カツーン。足音がコンクリートでできたトンネルの中で反響しあう。グリン=ライナーは、ため息を着いた。ため息は、それぞれ共鳴しあいまるで、音楽を奏でるかのように響きわたった。
「ナヴィ。頼むからキョロキョロしないでおくれ。」
グリン=ナヴィは、ハッとすると恥ずかしそうに顔を下に向けた。
二人は、再び歩き出す。やがて、目的地の館につくとライナーは、ホルスターにあるグロックを抜き取った。ナヴィは、どこからかマチェット(山刀)を取り出した。
ライナーが、呼び鈴を鳴らすと不機嫌そうな声が聞こえ扉が開いた。男は、殺し屋が来たことに気づき慌てながら、銃をぬこうとしたが先にライナーの鉄拳がみぞおちに決まった。男はそのまま倒れ込んだ。気を失ったようだ。
ライナーの横を身軽な足取りでナヴィがかけていった。おそらく、リビングにいる護衛を殺しに行ったのだろう。
ライナーは、ナヴィの心配をしつつも階段を上がっていった。今回の目的は、汚職を働いたとされる警察署長だ。ライナーは、階段を上り切ると目の前の扉を蹴破った。
次の瞬間、大量の銃弾がライナーめがけて飛んでせきた。狙いは正確ではないが、弾幕としては効果がある。
「貴様みたいな!小僧どもに私が殺せるとでも!」
「アンタこそ!殺されるってわかっていながら、何故、やり続けた。」
「金だよ!こんな、刑事なんかの安月給の数倍の金が入るからな!」
「ハハハ!全くどこまでも腐ってやがるぜ!この街は!!」
ライナーは、懐から微量のC4 を取り出して投げ込んだ。爆風と共に中から署長の呻き声が聞こえてくる。ライナーは、慎重に近づくと銃を突きつけた。
どうやら、抵抗する力すら署長には残されていないらしい。
「全くどこまでも腐ってやがるぜ、この街は。」
「ハハハ。」
「何がおかしい!!」
署長は、ゆっくりの右手をあげるとライナーを指さした。
「君も、もう腐って…」
ドンッ。ライナーは、署長が言い切る前に引き金を絞った。足音が聞こえ振り向くと血まみれのナヴィが立っていた。
「終わった?お兄ちゃん。」
「ああ。怪我はないか?」
「大丈夫だよ。お兄ちゃん。」
「そうか…。帰ろうナヴィ。」