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我が家の嫁さんは自慢の嫁です!

 投稿が遅れた事をお詫びいたします。m(__)m



 家についたのは5時過ぎ。夜はすっかり明けていた。家の敷居を跨ぐと兎天がいち早く出迎えてくれた。


 兎天の頭を撫でて留守中の事を聞いた。何もない様で安心する。兎天も8年前より大きくなっている。大きさは馬ほどあり、力も増した。翔ぶ速さも走る速さも格段的に上がった。スピード狂になってしまった……。


 それはさておき、



 嫁さんは未だに夢の中。起きてないだろう……




「と、思いきや~」

「と、思いきや何だよ。何処行ってた?」



 腕組しながら仁王立ちして嫁さんが立っていた……そう、リビングで。


「おはよう。本当にお早う。」

「寝坊助の俺に対して嫌味か?」

「さぁ、どうだろうね。」



 眉間にシワを寄せ睨み付ける嫁さんは恐ろしい。顔だけはね。ほら、美人は怒った顔が怖いって言うじゃない? 目力が強いからね。



「はぐらかすな。で?何処行ってきた」

「仕事?」

「……その仕事は朝帰りするほどなのか?……化粧の匂いがするぞ……」

「……ああ、匂いが移ったか……」

「……誰から…移ったよ……」



 ふふふ……嫉妬してる♪ 可愛いね。わざと嫉妬させる男の気持ちが本の少しは分かった気がした。ま、それを理由に浮気する奴は地獄に落ちれば良いよ。


 さて、誤解を解きますかね~。



「今回の仕事はとある悲劇の死を迎えた女性にお洒落をさせて成仏させてきました。ちょっと死臭がするかも……フンフン……しないか……な?」

「…………ハァ……」



 肩の力がガクッと抜けたのか上を見上げて脱力している。ふふふ……ホントにからかい甲斐があるなぁ……


「浮気だと思ったんでしょ?」

「……うん。」

「あのねぇ……抑、私は恋愛には興味が極端に薄いでしょ?」

「はい……」


 何故か正座を自主的に始めた嫁さんに苦笑いしながら諭してみた。



「私はね、ジンが口説かなかったら独身のまま生涯を終えたよ。早い段階でそう決めてたし」

「聞いた。始めはその一言でフラれたからな」


 そういえばそうだったかもしれない。私の気持ち云々別にしてジンの告白は断った。けれどジンはめげなかった! 告白の後も友達として普通に接していたけど、忘れた頃にまたも告白……続ける事約2年。初めて会ったのが中3の終わりごろ……うん。凄いなジン。私に嫌な気持ちにさせずに何度も告白するなんて……チャレンジャーで無謀だ。


 つまり私は絆されてしまったのだ。


「だからね、浮気とか有り得ないの。男にも女にも興味が湧かないのに。」

「……だよな……早とちりしてごめん」

「ま、不安にさせた私も悪かったよ……にしても」

「ん?」


 リビングで仁王立ちしている嫁さん、もとい、嫉妬している嫁さんは可愛らしかった。



「世の男共が彼女や妻に嫉妬させたくなる気持ちがちょっとだけ分かったよ。」

「お、お前なぁ!?」

「でも、これで前世で私が感じた不愉快が分かったでしょ? いつもこんな気持ちで夜中まで待ってたんだよ。」

「(T^T)」


 あらあら、ちょっとからかいすぎたかな?




「んで?こんな時間に起きてるなんて……どうしたの?」

「えっとな……仕事に行ったのは何となく分かってたんだ……それで……」



 私が嫁さんの自室に押し込んで出掛けた後、私の寝室に侵入して“私の”ベットで寝ていたのだそうだ。そしたら……



「何か異変に気付いて目を覚ましたら……」

「こんな状態になってたと……」

「悪い」



 私のベットは血だらけになっていた。何でそんなことになったかと言うと、簡単だ、月のお客さまが来たのだ。



「シーツは取ったけど……敷布団はどうにも……」

「ま、仕方ないよ。誰だって失敗するよ……それよりも、未だだったの?」

「………ん」



 コクっと頷いた。驚きだ、まだ来てなかったなんて……。アレって15までに来るのが普通だと思ってた。アレ?私の知識が間違ってたのかな?前世では……14迄には来てたぞ……多分……個人差はあれど……



 何せ、何年も前の事だ。もう記憶的には遥か彼方だ。



「ちょっと待ってて…」

「ん?」



 店の商品の在庫を置いておく倉庫に入りとある物を探す……


 倉庫は店の地下にある。品を食料品、雑貨、危険物?に別けている。何れも品質が下がらないように倉庫自体に保存と時間停止(生き物は除く)を掛けている。なかなか売れないものもあるので掛けてあるのだ。捨てるのは勿体ないだろ?




「確か……ここにあった……ハズ」



 暗い倉庫にずらりと並ぶ棚を見渡し探し物を探す……


 整理整頓はしているが何せ量が量だ。直ぐに見つけるのは至難の技。四苦八苦しながらも目的の物を見つけてリビングに戻った。




「はいこれ、使い方もレクチャーする?」

「………」



 嫁さんに渡した物はお察ししてるかも知れないが、生理用ショーツと貼るタイプの用品。生憎と入れるタイプは無い。



「……まさかレンに渡される日が来るとは……」

「まさか嫁さんに渡しす日が来るなんて……」



 まさかジンに生理用品の使い方をレクチャーするとはつゆにも思わなかったぞ。嫁さんもこんなことを私から教わるなんて思いもしなかったことだろう。



「ま、これから何年も付き合うことになるんだ、頑張れ。気合いと根性じゃどうにもなら無い痛みとどうにか渡り合っていけよ。」

「……」

「と、冗談はこの辺に。で、何処か異常は無い?」



 初めてならどれ程の程度なのか分からないだろう。軽ければ良いけど……若いと結構重かったりするしね……頑張れ。



「ん?…ん~……頭痛い……腰も…何か辛い……あれ?体もダルい?」

「今日はじっとして様子見たほうが良いね。」



 私の言葉に不満気な顔で此方を見る嫁さん。あのねぇ……



「仕方ないなぁ……今日は朝まで仕事だったから私も眠いなぁ……今日は窮奇キュウキの姿で居ようかな? あぁでも、それじゃ店番できないなぁ……(チラ)」

「………」

「でも、昼寝なら小虎姿で良いよね~。」

「………(・・;)」



 あともうひと押し。



「店番してくれたら一日モフモフ権をあげるのに…」

「………(;・ω・)」

「こんなサービス滅多に無いのになぁ……(ニコッ)」

「はい、今日一日大人しくしてます!」

「うん。素直でよろしい。別に一週間も大人しくしてる必要はないんだから……今日は様子見だよ。あくまでも。ね?」



 私を(小虎姿の窮奇を)モフモフする権利を条件に大人しくしている事をあっさり決めた藍苺であった。


《マスター……時に自分を差し出すなんて……流石です!》



 クラウドの明後日な賛辞を右から左に受け流して朝御飯の支度を初める。


 今日も一悶着有りそうな予感……



 私は何処か確信めいた予感がしてならなかった。













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