よし!みんな丸太はもったか!? 3
基本主人公よりも周りがスゴすぎる話
開拓一日目 朝
朝食は優雅にスコーンと紅茶、カリカリに焼けたトーストとベーコンと目玉焼き、イギリスを意識したもの━━本場のなんて知らん。こちとら心は庶民じゃい。心は日本人なんじゃい━━で、気分的にはご飯と味噌汁が飲みたがったが、用意してもらった手前文句はない。それに美味しいし。
藍苺は今日も口一杯に頬張っていて喉に詰まらせた。いつか餅を喉に詰まらせたお年寄りの様にポックリ逝きはしないかと少しヒヤヒヤするが。いつか注意して直した方がいいと心の片隅に秘めておく。
『こちら昨晩のうちに作成しておいた予定地の地図になります』
「んー、何故にもう完成しているのかは突っ込まないぞ。ありがとう」
『恐悦至極』
『主、御母堂経由でもう一通お手紙来てるっすよ』
「うんうん、何々・・」
「もぐもぐ、もぐぐ(誰から?)」
器用にも藍苺が食べながら念話で問い掛けてくる。きみは食べることに集中しなよと返しながら手紙を開くと
~忙しい故、手短にしたためることすまなく思う。お前から報告を受けた最果ての村の事は私も父も盲点であった。元々目の届き辛い場所故誰も知らなかった。それで済まされぬことは重々・・・止めよう。言い訳は後でじっくりする。今はゴタゴタの真っ只中に居るため後手に回ることになるが彼)人形達の事は私がどうにかする。お前はこの度の開拓に心血を注いでくれ。
だが、根を詰めすぎるなよ。 直属の上司より
追伸、暫くは羽を伸ばして休め。~
涙がでた。最近情緒不安定にでもなったのか涙脆い。横で読んでいた藍苺も
「もぐもぐ、(兄上顔は怖いけど優しいからなぁ。逆に兄上がストレス性の胃痛で苦しんでないといいけど)」
とコメントしていたことに関して私は胃薬と胃に優しい食べ物を贈ろうと心に決めた。
開拓一日 午前
食事も終えて目的地にむかう。詳細な地図がある分昨日までよりも早く着くだろう。
朝食中にどこからか帰ってきたネロにリンゴをあげて馬具を着ける。今日は木々に邪魔をされて走れないのでネロには乗らずに歩いていくことになる。
ネロなら木々の間を縫って走れるだろうが乗っている方は堪ったもんじゃないので遠慮する。安全バー無しのジェットコースターは辛かった。もう乗るまい。
「この地図セバスさんが描いたのか?凄い精密だな」
『この程度なら容易く。拠点の周りに村を作る際は村の地図も作りましょう。是非作らせてください』
「セバスさんの以外な特技はあと何個あるのだろうねぇ」
「何でもできる万能の人なんじゃないか?」
『いえ、私はしがない使用人ですからね』
どこがしがないのか理解できないが、地図のお陰で話しているうちに目的の丘に到着した。
ちなみにセバスさんとネロ以外の眷属のみなさんは離れたところで警戒をしつつ着いてきていました。もう私居なくても拠点完成までできるのではないかと危惧している。
開拓一日 お昼の少し前
急と言うほどではないにしろ小高い丘の上に登ってみると予想通りに見渡す限り木、木、木の木尽くし。セバス曰く「木材確保には持ってこいです」だそうで、斬り倒す木を選別するきである。なんだか「き」ばかり言っているが、きにするな。
「“き”だけに?」
「お口はチャックだよ藍苺」
先ずは今後の開拓仮拠点の作成である。
つまりは寝泊まり出来て食事を作り、物資等の荷物を置く場所の確保である。やはり拠点予定地の近くに広めの場所で物資の運搬が楽で、頑丈に。しかし最終的にはバラすので片付けやすく作らないといけない。
これはセバスに考えがあるらしく仮拠点の作成は任せても良さそうだ。仮に(いろんな意味で)ものすごいものが出来ても私は受け止めよう。
セバス以外は一先ず丘の上に生える木々を斬り倒す事から始めようと思う。
拠点完成まで後??日




