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丸投げ良くないと思う今日この頃 7

 ネロの背中に揺られていて快適な旅を満喫中な私は紅蓮。しがない下町の雑貨屋さんだ。生憎と今は店に居ないけど、下町に寄ることになったらどうぞご来店下さい。

 法に触れるもの以外なら揃えてみせます下町雑貨屋━━━



 CM作ってる場合じゃないな。



 どうもネロに轢かれて絶命する魔物達を黄昏ながら目に入れないようにしている紅蓮です。


 只今我が愛馬のネロが楽しそうに道のド真ん中に屯している魔物を轢き逃げの如く蹴散らしています。そのままにしてもきっと通行の邪魔なので後ろからクーさんとポチが高速回収している。

 一応石畳には魔物を寄せ付けない魔方陣が刻まれている筈だけどまっったく効果ないの紅蓮知ってる。結構前から知ってる。

次に休憩する時にでも管理機関に報告しておこう。


 意図せず少し国の役に立っていた。ま、あのお役所仕事がデフォの彼らが仕事してくれるかは知らないが。



 藍苺はお腹一杯の為に眠そうだったので場所を交換して私が後ろに乗ることになった。つまり私を背もたれにしてぐっすり眠っているのである。倒れないように抱き抱えるように手綱を持つ。

 まあ、最近は疲れも溜まっていたようだし、今は寝かせておこう。そういえば最近は笑顔も固かったかもしれない。気が付かなかったなぁ。


 もうこの辺は道も狭くなってきている。中央は街も村も多いので道も多いし広いが、中央から離れればどんどん道は狭くなる。地図で見たら太い幹と細く生い茂る枝のようだと思うだろう。


 通行人も全く居ない所まで来たようだ。まだ夕方にもなっていないのに国の端まで来ている。さっき今のところ最果ての村を知らせるボロい木の板の看板が見えたので道ももう無くなる頃だろう。因みに動体視力が良いのでバッチリ見えました。どうでも良いよね。




 たとえ揺れが全くと言って良いほどないと言ってもずっと座りっぱなしは私でも辛い。なので休憩も兼ねて最果ての村に立ち寄ってみることにする。その為には藍苺に起きてもらわないと



「そろそろ最後の村だよ」

「・・・( -_・)??」

「最後の村に立ち寄ろうと思うんだけど・・どうする?今日は野宿の予定だけど運が良ければ屋根がある場所で眠れるかも」

「━━━宿があると思うか?」

「…無いと思うよ」


 小さい村には宿が基本的に無い。旅人は通りすぎるかそもそも来ないことが多いからだ。あっても意味がないそうと思うのは偏見だろうか。



 でもたまに私たちのような変わり者が立ち寄ることもあるので友好的なら何かと引き換えに寝床を提供してくれる良心的な村もあるとは思う。でも大体は歓迎されないかも。閉鎖的な村が殆んどだからね。中央から離れれば離れるほどその傾向は強くなる。白の国でこれなら他所ではどうなんだろう。少し怖いな。



「ネロ、少し速さ緩めて━━━で、どうする?」

「男のレンなら未だしも、女の俺って危ないんじゃ?」

「男装する?」

「そしたら益々俺ら何の組み合わせだよ。男女なら夫婦って言えるけど男同士って━━」

「旅の坊っちゃんとお供の従者?」

「俺がお供?」

「私がお供」


 ネロが駆け足に変わりゆったりした速度になったので揺れる。目の前に村も見えてきたので早々に決めないといけない。



「俺じゃ精々従者見習いにしか見えないだろ」

「私だって威厳無いよ?」

「俺よりはマシ」



 私達二人揃って線が細くて頼りなく見えるから旅では嘗められる危険がある。悔しいけど男に言えないと言われる事は数知れず、二人並べば百合っぽいとニコニコしながら知り合いのマオに言われた。少しショックだった。


「で、男装する?」

「しない。何かあれば全力で叩きのめす」

「…人間相手には手加減してよ」

「生卵を握るみたいに手加減するよ」


 それ割っちゃうってことだよね?この前の力加減間違えて生卵グシャァしたじゃない。

 え?振りじゃないからね、止めてね。ね?



 結局はそのままの格好で村に入ることにした。因みに私達の見た目は二人とも軽装。胸を保護する革鎧を着物の上に着るものだ。下は袴の様なものをブーツの中にしまうタイプの不思議なものだ。例に漏れずメイドインマミィだ。


 持っているどの服もまじいが掛かっている物なのでどんなに着込んでも暑くないし蒸れない。寒さにも対応している優れもの。革鎧も見た目よりも頑丈で普通の刃物ではうっすら傷がつく程度に押さえてくれる。


 藍苺の軽装は腰にもついているが私のは着けていない。私は邪魔に感じるからだ。籠手も一応二人ともしている。私は少し特殊なものだが。


 多分服装的には『都会から来た物好きの変人』の旅人と思ってくれるだろう。


 村に入る前に武器を装備しておく。私は軽めの剣と弓矢を、藍苺はいつもよりは小さめなロングソードの様な剣を装備する。平和的な村なら良いけどガチでヒャッハーな世紀末の様な村も有るそうなので抑止力として見える位置に装備する。


 友好的じゃなくても手を出してこなければ御の字なんだけど・・・果たしてどうなるかな?










 結論から言おう。見た目戦国時代の農民、中身が割りとヒャッハー族なもよう。


 これって悲報?それとも朗報?


 どっちにしろ殿下経由で白の王に報告しないとダメでしょうか。



 あ、待ってこの村お隣さん予定なの?


 ・・・え、嫌なんですけど。







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