丸投げ良くないと思う今日この頃 4
この人(紅蓮)まだ怒ってるんですよ。多分
無事に目が覚めた藍苺とギルド長室にて事件の詳細説明を受けている。今ここ。
犯人の受付は隠そうとしていた不思議な石をバレたのなら仕方ないとベラベラと聞いていないことまで喋り始めた。
自分勝手な言い分が殆んどだったので要点だけをまとめる。
その1
自分は愛されていて全ては自分のもの
なにこれ。聞いたときに頭に浮かんだのは前世で聞いた頭お花畑の痛いヒロインがまともな悪役にざまぁされる話だ。本当に存在していたとは思わなかった。横で一緒に聞いていた藍苺もギルド長(父)もとんでもないモノを見る目で犯人を見ていた。わかるよその気持ち、創作物の中の人物ならいざ知らず現実に居るなんて驚きだよね。
その2
周り(この場合両親と兄)がやっていたこと何だから許されて当たり前
犯罪に許されるとか言い訳は通用しません。当たり前ですね。
その3
ギルド長がタイプだったが冷たくされたのでターゲットをそっくりと噂の息子(私)に変更して色々と画策
お粗末な画策(笑)をするのはやっぱり子供以下の計画だったね。そして迷惑だから勝手にターゲットにしないでください。
あと、あなたが見たギルド長の愛人は私の母親です。よく誤解されるけど私の母親です。並ぶと姉妹(姉弟ではなく姉妹)に見られたり、夫婦で並ぶと父娘に見えたりしますが夫婦です。だいたい同い年何ですよ見えませんね。あと、父は浮気出来るほど器用でもないし、度胸も無いのであり得ません。母にベタ惚れなので無理です。
そして重要なことですが、私は一切あなたには興味がないので。え?そんなちんちくりんのチビは趣味じゃない?
良かったこっちも願い下げです。
その4
依頼書の偽装は父親のを見よう見まねでやった。
もうコイツバカなんじゃないの。
結論、真相とかもういいからさっさと役人に引き取ってもらってくださいお願いします。
あと、ここ重要。藍苺はあんたよりも数千倍いや、ミジンコと太陽並みに差があるから。化粧で塗り固めすぎなその顔と香水臭い体臭よりもずーーーーっっとましだから。比べるのもおこがましいから!!
後にギルドで紅蓮の乱~事件は受付で起きている~編と銘打たれ噂は広がるのであった。
納得いかない。どうして私の乱になるのさ!
※インパクトの問題だと思うよ
場所が変わりまして自宅の茶の間にて藍苺と私は━━━━
「どうして最近巻き込まれ事故多発してるの?」
「私も聞きたい」
ちゃぶ台の様な大きくて頑丈な作りのテーブルに崩れるように倒れ付しています。もう疲れたよポチ。モフモフさせてくれない?
『遠慮なくどうぞ』
「癒しのモフモフ~━━━」
「俺にもーー━━━」
もふもふ〜〜
「「癒される~・・・」」
二人でポチの魅惑の濡れ羽のモフモフに顔を埋める。最高のモフモフである。癒し大切。
一時間程堪能した辺りで漸く正気に戻ったので未だにモフモフにしがみついている藍苺を横目で見つつ、今後の重要な問題の解決に頭を悩ませる会議をする。
今日は何だかもうなにもしたくないので実家からデリバリーを頼んでみた。もうね、私の実家別世界だと思うんだよ。ここ数ヵ月でも変わりようには頭を抱えたよ。
遠い空の向こうでサムズアップしている我らが頼れる母が「宣伝よろしく!」としている姿が見えたのはきっと疲れて見えた幻覚だと思うことにした。
届けられた料理はピザ━━ふっくらパンピザでどこか昔にCMで見た耳までチーズたっぷりとソーセージが入ったやつ━━とコーラ━━何故あるのかは聞かないで。マミィクオリティです━━とポテトのLサイズでした。よく海外ドラマとかで見るセットな見た目です。ちょっと疲れているときには辛いですね。今度は丼ものを頼もうと思いながらも全て食べました。美味しかったです。
お腹もふくれて二人とも眠くなってきたので今日ももう寝ようかと思う。昨日と全く同じ気もするけどもう寝たい。精神的になんか疲れたよ。全く進展してないけど、どうせ明日は藍苺は大事を取って休みだし、もう寝よう。
結局会議出来なかったけど眠いから仕方ない。
お風呂で溺れそうになったのは藍苺の希望により省くことにする。寝るの危ないね。
そして次の日
「胃が重たい」
「やっぱり疲れているときにあのカロリーはダメだったね」
二人とも胃が重くてグロッキーでした。まあね、そうなるよね。
「きっと食べてすぐに寝たのも胃に良くなった」
「でも睡魔には勝てない」
「本当にそれね」
いつもなら食べてから一時間ほど経ってから就寝するんだけれど、このところの疲れですっかり忘れていた。体調管理も出来ないなんて情けないね私達。
今日の朝御飯は刻んだ大根の葉と小松菜のお粥だけでした。後緑茶。
朝食の後はまったりして過ごす。勿論店の方はしっかり対応しましたとも。下町の皆の優しさで泣きそうになったのは秘密ね。
そしてゆっくり出来る時間帯になったところで話し合い開始です。
「まず、貰う領地ってどこ?」
「うーんと、ここ」
地図を広げて白の国、現在位置のまん中から東の端まで指を動かし黒の国との国境辺りで止める。
「うわぁ、本当に端っこ何だな」
「世界で唯一の黒の国との陸続きだからね」
説明しよう。
黒の国は他の国との境に大きな割れ目が存在している。地獄の境目と呼ばれる黒の国を覆う亀裂は海にもあり、船でも航行不能な自然の要塞と化しているのだ。自然なの物かは不明だが。
なので大昔から鎖国状態で謎多き国なのである。だから攻め落とそうとしても無理なのだ。国交もあちらからの一方的なものが殆どでそれもとても少ない。
しかし攻めてくるわけでもないので白の国にとっても他の国からしてもあまり重要視されていない少し不気味な国と言う印象なのだろう。
そして世界で唯一この白の国には地獄の境目が存在しない場所があるのだ。
その場所は広い土地が有るものの、その場所までの道は険しく鬱蒼と繁る広い森を抜けなければならず非常に不便な場所で、場所としての重要性はあるのもも誰も手を出そうとはしなかったとか。旨味がないことに貴族は手を出さないだろうしね。
そんな訳で私に押し付けてきたのです。
ふざけんなよ本気で。




