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俺の嫁(今は夫)がキレて恐いのだが……

 連日投稿中


 今回は藍苺視点です。

 いや、本当に恐かった。



「おい、お前の旦那ヒョロイのに肝っ玉だけは図太いな」


「失礼だぞ……まぁ、支部長は怒らせると恐ろしく恐いことは周知の事実だろうが」


「比較的オレ達は怒らせたことないからなぁ~。その片鱗は見たことあるけど


「聞こえてますけど?」


「「!!!?」」


「あ、紅蓮ひさしぶり~。元気してたか?」


「まぁ、見ての通り」




 切り込み隊長と突撃兵のギルドの前衛組二人が至極驚いた顔をしているが、レンは時たま気配を消して人の背後に立つので仕方ないことだと思う。ビビるよなそれ。俺も何度ビビったことか。



 そして比較的レンと交流のあるもう一人の前衛組のルルトさんは慣れているのか平然としている。これが慣れか……俺の場合はただ単に俺がビビりなだけかも。ホラー耐性は有り余るほどあるのになぁ~。



 そして最前列に移動してた騎士組も若干数名青ざめている……どうしたあんたら騎士だろ?死線いくつも乗り越えてきた……訳じゃないんだよな、この国最近戦争してないし。

 腑抜けって程でもないけど場数は俺の方があったりする……これで大丈夫か白の国。







「それにしてもちょっと王都から離れただけでコレとはな……やっぱりこの中途半端な人数だと襲いやすいのかねぇ?」


「まぁ、少数精鋭が揃っているなんて思いもしないでしょうし、地味めに装ってはいますが一目で高そうな馬車に数人の護衛……襲ってくださいと言ってるようなものですよね~」


「……それと分かっていて放置してたのか?」


「それは殿下を危険な目にあわせて…」



 確かに。でも、いくらレンでもそこまで考えなしではないだろう……そうだよな?



「殿下は出立前にこう述べました。「城の外の現状を見てみたい」と。私はそれに忠実に且つ、安全に見せて差し上げただけです。勿論危険分子とおぼしき輩は排除済みですよ勿論」


「…………」




 

 お、ギルドメンバーはおろか騎士組までも唖然としてるぞ。流石レン、仕事が速い。いやでも、いつの間に……



「嫌ですね~、私が殿下を訳もなく危険に曝す分けないでしょうに……ねえ?」

「エ? ア、ハイ。ソウデスネ」



 やっぱりレンに逆らったらダメだと再確認した俺たちであった。もうレンは両親のチートっぷりを棚にあげて普通だとは言えないんではないか?










 ―――――そんなこんなで道中何事もなく(色々あったが)俺たちは問題の村に着いたのであった。




「これは………」


「想像以上ですね…」

「………あ、うん……」




 ―――村の状況に唖然。



 何がって―――




「ようこそ御越しくださいました、王太子殿下」


「ささ、こんな場所では寛げないでしょう…あちらにお部屋をご用意しております」



 いかにも~な悪代官な見た目のオッサンが胡麻すりしながら気色悪い笑顔を振り撒いている。絶対腹の底では煙たがってるかどうすれば取り入るかとか考えてそう…



「失礼ですが、殿下は視察に来られたので直ぐにでも村の状況をご覧になりたいとの事。それとも……見られたくない…等と言うことは有りませんよね勿論」


「あ、当たり前ではないですか!」


「ええ、勿論そうでしょうね」



 初っぱなから我が旦那様(レン)は機嫌が悪いのか言葉の端々に棘がある言い方をしている。

 確かに貧困に困っている村に来たのに……贅沢に塗り固められた歓迎を受けたら「なに考えてんだよ」と怒りたくもなるよな。


 でも落ち着け。頼むから落ち着いてくれレン。






 

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