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日本はサービス過多らしい

 他の作品とクロスオーバーです。私の作品なので興味がおありでしたら覗いてみてくだされば嬉しいです。


 

 どうも。ただ今店番中の紅蓮コウレンです。


 教科書作製しようかと思っていたら分身達に「休んでろ!!」の一言で店番に追いやられました。まさか自分の分身達に押しきられる日が来ようとは思わなかった。個性を持たせるとこうなるのね……後悔はしてないけど。



 作業は分身達に任せて私はのんびり―――出来ないんだよね~~



「蓮ちゃん、このお野菜どうやって食べればいいんだい?」


「炒めても煮込んでも美味しいよ……でも炒める場合は茎がちょっと固いかもしれないからお婆ちゃんの場合は茎だけ茹でてから炒めると良いよ」


「そうかい……面倒だねぇ……」


「葉っぱと別けるのはちょっと面倒だけど栄養は高いから……面倒が嫌なら煮込むと良いよ…鶏肉に煮込むのがオススメ」




 ただ今接客中。今来ているお客様はお得意様のお婆さん。ちなみに何故か下町の年上の皆さんには蓮ちゃんと呼ばれています……一応ここでは雑貨屋のレンってことで通っているからいいんだけど……中身30過ぎのオバチャンにちゃん付けってのも……無いかなぁ…と。

 まぁ、旅した年数を足すとミイラになるからまだ良いのかなぁ……なに考えてんだろ私は。




「じゃあ煮物にでもしようかねぇ」


「毎度あり」




 今日は明日が週末だからか買い物に来るお客が多い。こちらも商売なので嬉しい限りだが、こうも多いと教科書作製の作業の方が楽な気がしてきた。

 あ、ちなみに嫁さんは今日は上級者向けの狩り場で採取クエストをしているらしい……道に迷わないといいのだが……奏がいるから大丈夫だとは思うけど。



 八雲は毎度のことながら夜の店番の為に仮眠をとっている。そろそろ分身に店番を任せて休みを取らせてもいい頃なんだが……どうも八雲は毎回その話を交わしているだよね。何か不都合でもあるのだろうか?


 ま、体を壊さない内に休みは強制的にとらせる様にする。いつものことだ。





 ――――客の波もある程度退いた。だが、お昼にはお昼休みを利用して買い物に来る人が大勢いるのだ。まぁ、食材を卸している食堂や広場で店を出している屋台とかにも客は集中するけど、下町の大勢いる住人をその店達では賄えていないのが現状だったりする。食べ物扱う店が極端に少ないんだよね……。



 だからウチでおにぎりとかサンドウィッチとか肉まん・あんまんとか手軽に食べれるモノを買ってく人が列を作ってます……朝に買って行く人も増えてきているけど、朝はやっぱり慌ただしく仕事に行くからかこうしてお昼に回に来るのかな?


 ま、儲かるからいいんだけどさ。



 一人でこの客の量を捌くのは骨だ。




 そんな時ってのは何かが起きたりするもので……







「忙しい時期にすまない」


「いいえ、仕事ですから」



 不穏な妖力を検知したとかなんとか……で、王太子殿下直々に調査依頼が来たわけだ。何処のバカだよホントに迷惑な……



 店番を作業中の参に任せて出てこないといけなくなっただろ。



 そんな時だ……不思議な電波を受信したのは。


 あ、電波ってのはクラウドの言葉ね。




 何でも勝手に召喚された不運な子らしい。声のトーンは低めだが、何処か子供っぽいのが印象的だった。


 件の強大な力を検知した件と繋がりがありそうだ。



 それに………もしかして……私はこの子を知っていると思う。多分異世界で私は会っていると思う……それもかなり親しい友人だったかもしれない。


 まぁ、それは今は置いとくとして……




 彼のヒントをもとに場所を割り出すのには差ほど時間は掛からなかった。家宅捜索に必要な許可を殿下に貰う事の方が大変だった。



 そして見事ビンゴ。許可が降りるまでの間の時間で過去の記憶をサルベージして思い出したけど、白熊くんだったのね。そう言えばそんなことも会った気がする。確かあの時は白熊くんの腕輪に直接干渉して強引に彼方の世界の私に話し掛けたって言ってたな……時間軸バラバラだから混乱しそうだ。




 そして白熊くんが囚われている邸に家宅捜索。貴族の邸に家宅捜索って本来はもっと時間が掛かるらしいが、元からキナ臭い怪しさ満点のお陰で殿下も許可を王から貰うことができたらしい……日頃の行いって大切なんだと痛感しました。



 やっぱりというか、当主のオッサン

この騒動を否定してさっさと私を追い返そうとしたが、こっちは確信と白熊くんからのSOSを貰ってるから引き下がるわけがない。家宅捜索の許可を記した書面を鼻先に突き付けて半ば強引に邸に入った。



 白熊くんの話によると窓もない部屋らしいので、監禁と言ったら地下室、隠しものも地下室の法則で地下室に向かう…勿論オッサンも着いてくる。



 このオッサン前に娘を私の嫁に……とか強引に言ってきた一人で、きっぱり断ると今度は嫌味で攻撃してきた…私の嫌いな奴だったりする。


 何かの式典で一年に一度は王宮に招かれるのだけど、毎回のしつこさに辟易してたのでとことん言い負かしてやろうか?


 ちなみに今の格好は真っ白です。貴族として振る舞うときは白龍としていなければいけないので髪も目も白い姿です。着物は白を基調に細々とした物を紅や藍で着飾っている……正直言って動きづらい。



 でもそこまで頭の回らない私に言い負けするって……正直当主として才能なかったんじゃないの?

 悪巧みの才能も無かったようだけど。



 中々進まない話に焦れたのか白熊くんは立ち上がったので制して暴れないように……って元から暴れるような子でも無かったわ。待っててねの意味を込めてウインク……柄じゃなくて内心鳥肌出てたけど気づかれなきゃいいや。



 こうして貴族のオッサンは一ヶ月の謹慎処分と今後定期的に監査が入ることになり、今回の被害者白熊くんは元の場所に帰るまで内に世話になることになった。



 今さらだけど……白熊くんを見たときの嫁さんの反応が怖い……主にモフモフしそうで……




 


 白熊くんはこの世界に来てました。



 

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