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食い物の恨みは恐ろしい

 八咫烏を覚えているだろうか?




 あの、「母さん主上主義」の八咫烏です。あいつの所為でひと騒動あったけど……まぁ、それが母さんの怒りに触れて一時的に左遷紛いな目にあってたけど……今は実家に戻ってます。


 そして、これも覚えているだろうか?



 白の王族御一行(王子二人と姫一人侍女一人+おまけ二人)に出す予定だった餃子の具に使おうと思っていた竹の子を……何者かが盗んだことを。

 皆には言ってなかったが(言いそびれた)、アレは食いしん坊の妖怪を八咫烏がけしかけて……まぁ、間接的にあいつの仕業だったのでした。気付くのには時間はかからなかった。そのけしかけて共犯になった妖怪は直ぐに私に謝りに来たからだ。青い顔して冷や汗ダラダラ……見てるこっちが居た堪れないほどかわいそうに見えたよ。




 その色々と私と反りが合わない八咫烏と只今対面中……何でも母さんの負担になることを持ち込んだ私にたいしてもの申したいらしい。



「言いたいことがあるならはっきり言いなよ」


『貴方は……いえ、何でもないです』



 昔から言いたいことをあまり言わない性格の八咫烏は前にも増して口下手になったようだ。呼び止めといてなんだよ……こっちは忙しい。たまの休みを実家で過ごしているってのに、それに竹の子も早く茹でないと夕食に間に合わない。


 にしても……こ今回の件……誰も母さんの眷属はは動かなかったのか?それとも止められてた?母さんならやるだろうね。結構手段は選ばない方だから。程度ってものがあるけどね。



『また貴方は……厄介ごとを持ち込んだのですね』


「厄介ごと? 街をより良くするための事は厄介ごとなの? それはそれは…」


『何です』


「別にいいけど、それなら母さんを支えようとか思わないわけ?こうして愚痴を言いに来る暇があるならさぁ」


『………』




 口を動かすなら手を動かせ。その方が良いときもある。特にいつかはしなければいけないことを後回しにするのはあとが大変だ。早い内にやっといた方が後々楽ってもんだ。それに、出来ることをやらないのと出来ないのでやらないのは違うだろう?


 確かに自分に利益の無いことをするのは気が引ける。だが、後々自分にとって良いこともあるかもしれない。人生は何があるかわからない。確実にできることはしておく……異世界で学んだことだ。後悔するくらいならやってしまう。

 それにコレは……貴族としての義務だ。えーっと…何て言ったっけ?“高貴なる義務”?ってやつ。



 爵位を不本意で貰ったけれど、なってしまったからには責任を持たないとね。





 それにしても八咫烏の抗議の仕方ってのは……なんとも子供じみている。気に入らなければ嫌がらせをして自信の意思表示をする……傍迷惑な。

 アレから8年経つが、その性格と手段は変わっていない。全くと言っていいほど変わっていない。


 何でも、弟妹達にも色々と吹き込んでいるみたい。



 例えば……私は親をなんとも思っていない親不孝ものだとか……まぁ、家にあまり帰ってこないし、色んな事を家も持ち込んでくる。厄介事もあっただろう。否定はしない。


 曰く、若と言う立場(母さんの眷属にとっては敬うべき息子…らしい)を利用してやりたい放題……とか。仕返しに丸坊主にしたことまだ根に持っているんだろうか?


 一応言い訳すると、私は仕掛けてこない限りはなにもしない……仕掛けてきたら……分かるよね?





 二度目はやんわり(紅蓮的には)ですが、三度目以降は丸刈り程度ではおさまりません。紅蓮は基本てきに家族の中でも容赦ありませんから。


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