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事件解決……か?

 

 ――藍苺side――



 あの誘拐犯を捕まえてから今日で二日が過ぎた。




 俺もあの忌まわしい記憶と何とか折り合いをつけた。……夢にあの時の激昂しているレンが現れたのは…秘密だ。恐ろしい((((;゜Д゜)))



 俺も事件の事情聴取でやたら暑苦しい騎士と冷静で眠たそうな騎士に当時の状況とあの犯人のボコボコに腫れた顔と泣いて逮捕してくれと懇願してきた理由を何度となく聴かれた。

 ま、その辺りはレンも反省して正直に話したけどな。その時の騎士たちの反応ったら……可笑しくて笑える。

 何でか二人同時に事情聴取をしたもんで面白いものが見れた。



 あの何がしたいのか最後まで良くわからなかったご令嬢は両親にこっぴどく叱られ当分の間外出禁止と再教育を受けるはめになった。俺的にはザマァだけどな。その為に田舎もド田舎な場所に連れていかれたらしい。これで買い物には用意に出てこれないな……何せあの場所、買い物しょうにも村も農村も無いんだからな。あるのは森だけ。あ、動物は居るかな。



 レンの両親の麗春レイシュンさんと朱李シュリさんは厳重注意に留められた。お咎めはない。まあ、赤の他人だが人質をとられて身動きできなったってのが決め手になったらしい。

 レン曰く、国の象徴の白龍は慈悲深いと言われていて尚且つ国は白龍に甘いのでこの程度で済んでいるらしい。本当ならもっと重たい処罰を受けていた。


 だかレン曰く、麗春さんはその事を逆手にとって危機を回避した様だ。

 自分は子供たちの安全を確保するという名目で安全な家に引き篭もり、朱李さんだけギルドに残して置いたと言っていた……しかも白龍である朱李さんが人質をとられて動けないことを前提にして。

 レンに対してもあえて早めに伝えることはせず、「我が子の身を案じて」作戦で遠ざけていた。その反面、自身は眷属やあらゆる力を駆使して犯人の居場所と裏にいる他国の貴族を追っていた。


 むしろ他国の貴族の方が本命だったようだ。




 国のゴタゴタは王家に任せて俺はいつも通り魔物を狩るだけだ。




 レンは王太子(俺の一応兄)と何らかの取り決めをしていたようで下町の改変に乗り出した。どうやら王妃様(俺の一応義母)も乗り気で色々と手を貸してくれる。

 活字普及率は下町は低いからな。



 前にも言ったけど、


 この弓矢の的みたいなつくりの王都。その外側の円が下町だ。中心に城があってその回りに一般市民のすむ場所もあるんだが……中央は活字普及率ほぼ100%なのに1歩外側に行くとこれほど違うなんて……な。

 田舎の方がもっとまともに読める人間は多いって。今まで王族は何を見てたんだろうな。



 っと、そんなわけで今レンは頭を悩ませている。



 俺も見たけどこの国の教科書のなんと薄っぺらなこと……ゆとり教育で薄くなったな教科書よりも薄っぺら。まあ、あれは政府が悪いよな。


 そんな教科書に絶望したレンは「なら作ってしまえ」と先生方を呼んで会議中だ。


 俺も一仕事終えて帰ってきたのにまだ会議は難航してるのか続いている。盛り上がっているのかもしれない。中から時折オオーと感心した声が聞こえてくる。


 でも、いくらレンでも計算関係はお手上げだろう。


 何せ前世むかしから計算は苦手だったもんな。まぁ実際は苦手とかとはちょっと違うんだけどな。人には色々とあるんだ。





「あ、終わったのか?」

「うん。まぁ……大体はね」

「疲れてんなぁ…休めないのか?」

「今は休めないかな……ああ、八雲……皆さんお帰りだからお見送り宜しく」


「了解でス」



 今日は起きていた八雲が客人である先生方を裏口までお見送りに行った。手にはお盆を持っていたから何かしらおみやげとして渡すのだろう。



「俺に手伝えることは?」

「ん~?……そうだね……嫁さんパソコンで文章打つの得意だったよね?」

「まあ一応サラリーマンだったし……人並みには」

「今度母さんが作ったタイプライターで文字打ってくれない?」



 お、珍しくレンが折れた。いつもなら何かと頼らないのに……今回は相当疲れてるな。

 珍しく弱音吐くのか?俺は大歓迎だけど。頼られるって男冥利につきる?だろう。今女だけど。



「私もパソコンで文字打つくらいならなんてこと無いんどけど……分身合わせても人手が足りない……」

「うわぁ……そりゃ大問題だな(;・ω・)」

「うんピンチってやつ(^_^;)」



 あれ、やけに弱気だな……コレは本格的にきてるな……。




 本格的に疲労困憊気味のレンに代わって俺が料理を作ると名乗り出た。こんな時こそ頼れる男ってのを見せないとな。女だけど。



 疲れている時は胃に優しいものを作ろう。脂が多目の揚げ物とかは却下だな。汗を欠く類いの疲労じゃないから塩も押さえた方がいいかな……

 熱中症には味噌汁くらいの塩っけが良いらいし。これレンに教わった。真水飲ませるより塩分補給が大切なんだってさ。汗欠くと塩分無くなるからな。逆に熱中症を起こしたやつにスポーツドリンクは逆効果って話だぞ……理由は知らんがダメらしい。



 うん、それならそれの得意料理、肉じゃがにしよう。俺もレンも前世むかしから肉じゃがの肉は豚肉派だ。牛はあまり食べない。高いし……アレ?レンに良いように洗脳されてないか俺……

 ま、いいか。



「ホントに一人でできる?」

「おう、ガキじゃないんだしできるって」



 心配性だなレンは。……まぁ……確かに前にひどい失敗したけど、今回は同じ鉄は踏まないぞ!

 まさかコショウとナツメグを間違えてポテチにかけるなんて……あれは少しトラウマになった。風味って大切だな。あれは拷問に等しい。特にポテチと認識して食べたもんだから頭で想像した味と全く違くて……多分混乱したんだ。ホントにひどい出来事だったよ。



 あれは俺も懲りた。味つける前には調味料を確かめようって心に刻むほどに。



 さて、心配そうな、でも愉しげなレンがテーブルに伏せながら見守るなか、俺は料理を開始した。




 先ずは材料を揃えないと……ジャガイモは……



「ジャガイモは床下の収納に入ってるよ。玉ねぎもね」

「冷蔵庫に入ってると思った」



 レン曰く“丁度冷蔵庫に入れといたのは使い切った”らしい。ジャガイモと玉ねぎを取り出すために床下収納の扉を引っ張ってあけた。

 大きめの床下収納の中身はとてもキチンと整理されて見やすかった。目当てのジャガイモと玉ねぎも直ぐに見つかり使う分だけ取りだし扉を閉めた。

 日に当たると直ぐに目を出すジャガイモは暗く温度を低く設定している床下収納に入れておくのが都合が良いらしい……。こんなところに術を使ってるのか……床下式冷蔵庫だな。



 次の材料は……糸コン。



 この糸コン、レンのお手製だ。一体いつ作っているのか不思議だが……まぁ、気にしたらキリがないと思う。

 それから豚肉……と、こんなものかな。



 ん? ニンジンは入れないのか?


 俺がニンジン嫌いなの知ってていってる?




 自分から入れるわけ無いだろ!










 藍苺ランメイの作る肉じゃかはインゲンもニンジンも入ってません。


 紅蓮コウレンの作る肉じゃは代々豚肉です。確かにインゲンもニンジンも入ってませんが……他のおかずでその分カバーします。






 

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