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 藍苺ランメイが絡むと凶暴になる紅蓮コウレンさん。



 捕まえようと思った矢先……しくじった。



 いや、私でなく……嫁さんが護衛しているご令嬢が要らんことをしたからだ。




 ふう。どうしてくれようかあのアマ……。




 犯人の頭は突如起きた壮大な物音にビックリし、同じく茶の国の貴族の次男坊は慌てふためき箪笥の角に足をぶつけていた。ザマァwwwww



 おっと、つい草を生やしてしまった。



 貴族の次男坊――長いので以降ボンボンと呼ぼう――は痛めた足(小指と思われる)で不自然な歩き方で急ぎ部屋を出ていった。少しあとにまた物が落ちる音がしたので階段を踏み外したのかもしれない。ボンボンを追いかけた弐の話では


(まるでコントの様に見事な大回転)



 を披露してくれたようだ。体張ってんなぁ。




 っと、こうしている内に冷静さを取り戻した犯人の頭が物音がした一階付近に向かってしまった。

 どうやら私もあの衝撃的な音に冷静さを失っていたようだ。私もまだまだだな。



 基本的に私は店番が主な仕事だからこういう時にいち早く反応できない。

 異世界ではそうでもなかったが、平和ボケしたのかもしれない。ここ数年は至って平和だったからね。




「(ちっ!抜かった。)」

《ターゲット……一階に降りて何者かに接触……ご令嬢の様ですね。藍苺様も後から追いかけてきたようです》



 あのご令嬢ホントに何してくれちゃってんの。


 どうしてまた屋敷に入ってきた。




 どうせ嫁さんの制止を振りきって暴走したのだろう。ドンマイ嫁さん……。




 案の定ご令嬢は犯人の頭に見事に捕まっていました。嫁さんも人質にご令嬢をとられ手も足も出ない状態で犯人の頭と睨み合っていた。



「どうやって逃げた……まぁいい。上玉が手に入ったんだ……おい!誰か来い!………何だ…誰も居ねぇのか?」


「放しなさい!私を誰だと思っているのです。」


「うるせぇ女だ。黙ってな!」



 ごもっともです。嬉しくないけど犯人と同じ気持ちです。

 犯人にナイフを首に突き付けられ少しは大人しくなるかに思われたが全く大人しくならず、益々煩くわめき始めた。




「諦めなさい!貴方以外は全員捕まりましたわ!」


「なんだとォ!?」


「きゃっ!」


「(俺どうすれば良かったんだろ?)」




 言わなくてもいいことをベラベラと話すご令嬢……何か?あのご令嬢はヒロイン気取りなんですかね?わざと敵に捕まりにいってないかい?気のせいですか?



「おい!そこの上玉……こっち来な。このうるさい女がズタズタのぼろ雑巾にされたくなきゃ……」


「くっ……(てか、何でお前捕まったよ)」




 あぁもう。見てられない。



 自分にも落ち度はあったよ。それは認める。けどさ、勝手に戻ってきて勝手に捕まって……もう何がしたいのよ。

 それに許せないのは嫁さんを巻き込んだことも許せん。体調だってまだ完全じゃないのに……




「分かった……(ちっ!一応護衛だし……はぁ)」



「来ては行けません!」


「うるせぇ!」



 もう何がしたいのよ。コント?これコントなの?三文芝居もいいとこ。



「へ、この煩い女よりもお前の方が高く売れそうだな……」


「なっ!」




 あ?テメェ誰の嫁さんに言ってんだコラ。それと触るな汚れる。お前も何「何であの子だけ…扱いが…」とか呟いてんだよ。高性能な私の耳には筒抜けだぞ。


 あとやっぱりアンタはヒロイン気取りのミーハーな逆ハー狙いの女なのね…もう良いから嫁さん睨まないでくれる?穢れるから。




 私は嫁さんを睨むご令嬢とちょっとその顔に戸惑った嫁さん――そして気が付いていない犯人の前に躍り出た。



 隠れて気絶させれば良かったのに?



 あぁ、別にそれでも良かったんどけどね。




 恐怖って目に見えた方が記憶に残るでしょ?






「どうしてまた戻ってきた?」

「!!…っ…ビックリした」



 うん。影からいきなり出てきたらそりゃビックリするよね。現に他の二人は……ほら、吃驚しすぎて口が開きっぱなしになって呆けてるよ。とても滑稽で笑を誘うよね。



「あー…うん、そのかくかく然々で……」

「なるほどご令嬢の暴走だな」

「はいその通り」


「て、テメェはっ!」


「ん?何?お前私を知ってるのか?なら話は早い………大人しく御用につきなよ」



「こ、こいつがどうなってもいいのか!」



 血迷ったのかご令嬢を盾に私を脅そうとしてきたので一言



「どうぞご自由に」


「な!」


「えっ!」




 別に私は正義の味方でもないので人質なんて通用しない。これが嫁さんなら話は違っていたけど。

 この犯人は選択を誤ったのだ。ご令嬢に人質としての価値はない。私にとってはヌイグルミにナイフを突きつけて脅すようなものだ……ま、ヌイグルミの方が可愛いから大事かもしれないけどね。



「どうぞどうぞ。勝手に捕まって人の仕事に首を突っ込む奴なんて……ご令嬢のご両親には勝手に戻って捕まり、犯人に楯突いて亡くなりましたって伝えとくよ…」


「な、なんで……」



「あのさ……みんな勘違いしてない?私はあくまで命令で犯人を捕まえようとしてたのであって、誰でも助ける正義の味方じゃないんだよ」




 特に仕事の邪魔をする奴なんて知らん。こっちは寝不足で眠たいんだ……さっさと片付けて寝たいの。イライラしてんの。





 え?………容赦無しだなぁって?



 敵にまわったのはそっちだろ。人の所為にしなさんな。



 フフフ……嫁さんに手を出そうとした奴は……皆総じて地獄に堕ちなよ。














 何があったのかはその場に居た人だけが知っている。



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