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紅蓮さん本気(半分)出します!

 キレるのは次回辺りです。

 驚いた。



 まさか藍苺――嫁さんが居るなんて……!


 しかも連続女性行方不明及び誘拐犯に捕まってるなんて!!




 聞くところによるとギルドで受けた依頼でとある豪商のご令嬢の護衛を任されたらしい。

 それって……どう考えても体のいい厄介事の押し付けですねわかります。


 ま、嫁さんも薄々怪しいとは勘づいてはいたみたいだけど。



 チッ、あの双子の片割れのどっちか……赦さん。




 それにしても私の嫌いなタイプねこのご令嬢は。正義感だけは人一倍。だけどそれを解決するのは人任せ……人に任せてふんぞり返るならまだ(イラつくけど我慢できるから)いい。けど、無自覚で周りを引っ掻き回し更に状況を悪化させて……それで解決したと思ってる勘違い女は大嫌いだわ。



 それに嫁さんの静止も振り切って誘拐犯の前に出るなんて……それで捕まったんなら世話ないわ。



 捕まるなら一人で捕まりなよ。うちの嫁さん巻き込んでんじゃねぇーぞ。

 そんな感情も含めて静かにしていることや約束させるとことのほか静かになったことに安心していた。




 こんな独り善がりのおバカさんを目の届かない所に置いたのが間違いだったわ。どうせなら何処かに閉じ込めて暴走しないように大作しとけばよかった。



 イガグリ以来の天敵だぜ……ハァ……






 何が言いたいのかと言うとね……あのご令嬢――もうおバカさんで良いや。そのおバカさんがやらかしました。


 事の発端は時間をちょっと遡る……








 ――五分前――




 私は捕まっていた嫁さんとおバカさんを外に無事逃がした。後はこの犯人を縛り上げて御用にすること。捕まえた後必要になる証拠も分身たちが集めてくれた。これで役者は揃った。



 地下室の牢屋はまだ他にも在るらしくそちらの方に行き捕らえられていた女性たちを保護して予め決めていた場所に転送する。彼女らの健康状態は至って健康そうだが、精神的な疲れと消耗は激しいだろうと医者に見せるように八雲に言伝てを託した。

 転送先は王宮の旧後宮……そこで殿下と王妃様が保護してくれる手筈だ。


 後は残りの犯人を気絶させ捕らえるだけ。一人も逃がす積りはない。



 特にギルドで暗躍していた奴等は特に許さない。




 例え赤の他人の人質の子供がどうなろうとも……



 家族にてを出した者には報復を……




 残りは頭だけ。全員を片付けた。後二人……のこりは上に居るのか?



 階段を上がると一人何かぶつぶつと愚痴っていたので後ろから殴って気絶させる……ホントにコイツ傭兵に仮にでもなれたのか?ギルドの入試試験もう少し見直した方がいいな……特に上位に上がるときの試験はもっとハードなのにしないと。



 その殴り倒した奴の顔を見て何か見たことがあるような感覚を覚えた。あれ?コイツ……王宮で見かけた事あるぞ!


 多分だが……どこかの男爵の次男坊か三男坊だったはず。そんなに王宮なんて出入りしないから確かとは言いがたいけど。


 そうなると色々と厄介だ……主に私の風当たり的に。





(あぁ~。ヤバイなぁ……)



 ま、それは後でどうにかするとして……私がこんなことで諦めると思ったら大間違いだ。


 私を宮廷魔術師や騎士団たちと同じだと思うなよ。こんな権力だけで見逃して思えると思うな。



 こんなバレやすいのにバレ無かった訳は多分だが貴族が一枚噛んでいたからだろうね。

 宮廷魔術師の中には私よりも優秀な術師なんて大勢いる。人探しに特化した術師も居ることだろう。それなのに誰にも犯人を捕まえられなかったのは何処かに遥か上で握りつぶされていた所為だ。



 宮廷魔術師は庶民出の人が多い。騎士団も白騎士以外は庶民で構成されている。どんなに証拠を掴もうとも片っ端から潰されたんだなぁ……だから私にお株が回ってきたわけね。迷惑な。



 あ、白騎士ってのは貴族のエリート集団(笑)で、それ以外は実力重視の本物のエリート。でも生まれが低い所為で……色々と大変らしい……頑張れ縁の下の力持ち!


 私は黒騎士の味方です。気さくでまだ話が合うから。




 他にも紅騎士、蒼騎士があるけど紅騎士は暑苦しい体育会系の熱血突撃隊の集団だし、蒼騎士は何かよそよそしくて冷血(と噂の師団長)が指揮する防衛戦のエリート……対して黒騎士は何でもござれの臨機応変に対応する特殊部隊……何より気さくなんだよね。

 特に特別に騎獣を持つことを許されているから餌さとかウチで卸してる分面識もあるし。(騎獣かわいいし)



 ま、その分変人集団とか言われてるけど、それだけ色んなスペシャリストが集まってるんだよ……


 変人なのは認めるけどね。



 そんな紅、蒼どちらにも属せなかった……とは言ったら終わりなんだけどね…。




 そんな彼らも貴族が握り潰していては……無理だろうって話ね。




 さてと。気絶させたコイツの兄が白騎士に居たはず。ソイツの上司か父親のコネかで握り潰しているのならそれは白騎士団にとっても不利になるだろうし、貴族ってのは世間体と自分達の権力に過剰な執着を持っているものが多い。

 ふぅ……殿下方には苦労を掛けるだろうけど、今後の事を思うと今のうちに掃除しておいた方が楽だろう。



《最上階・3階にターゲット確認。それ以外にも生体反応あり……国内の貴族とのデータ照合中……該当者ナシ……国外の王族並びに貴族》のデータ照合中……該当者あり


(そう。何処の?)



 流石クラウド仕事が早い。私が指示しなくてもやってくれる辺り分かってるねぇ。



《お褒めに預かり光栄です。……此方がデータになります》




――――――――――――――――――――――――――



 名前:オウ 海栄カイエイ


 称号:茶の国 貴族 次男


 階級:準男爵


 備考:男爵家出身。一応父親に土地を分けてもらうも内政には向かずすぐに投げ出し財産を食い潰し現在は持ち土地を持たない。キナ臭い事に手を染めていると専らの噂。他国との非公式な繋がりがある可能性あり。




――――――――――――――――――――――――――




 あぁ……黒に限りなく近い。いやこの場所にいるって時点で黒か。



 それにしても面倒な事になったな。茶の国の貴族がこの事件に関与してるなんて。



 だか、知らん。見逃すと思うなよ。嫁さんを捕まえた奴らはコイツに売られそうになったんだ。許すわけないでしょ?





 丁寧に容易に縄が解けない様に確り入念に縛って犯人を転がしておいた。あと、何かの拍子にコイツに躓いたりするのも嫌だから端に寄せておく。転んだら痛いし。



 慎重に階段を上がる。元は貴族の持ち物だった屋敷とあってかなり広い。だが3階部分は1階や2階よりも小さめな造りのようだ。部屋は3部屋しか無い。

 その3部屋のうち人部屋から犯人の残りの一人と茶の国貴族が居るようだが……もうひとつの部屋から微弱な生体反応があるとクラウドが指摘したので一応見てみることに……


 そこに居たのは衰弱して倒れている子供だった。




 恐らく人質にされていた子供だろう。すっかり衰弱して言葉も話せない様で意識もない……ろくに食べ物を与えられていない様だ。奴らの罪状に幼児虐待も付け加えておこう。

 


(八雲……今手は空いてるか?)

『(勿論ッス。今、皆さんに説明が終った所です。どうかしたんですか?)』

(人質に取られていた子供を発見した……かなり衰弱している。今から送るから医者に見せてくれ)

『(了解しましたボス!)』



 現在王宮にいる八雲に医者の手配(捕まっていた女性たちを見ていたのだから違う医者を手配する必要があった)してもらい子供を転送する。宮廷に仕える医者ならあの程度の衰弱は大丈夫だろう。



 じゃ、次ね次。




 逃げることも想定して分身の壱と弐に待機させ、逃げられたら追いかけてもらう。

 本当は逃げてもらった方が色々と好都合なんだけどね……一網打尽にするなら末端まで捕まえないとね♪



 さて紅蓮はいったい誰にキレるのでしょうね?



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