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 再開です。お待たせしましたm(__)m




 今回短いです。



 おちびちゃんズの襲撃(避けたけど)を受けて父さん以外の家族が集合した、燈 紅蓮です。あ、一番下の三女・真紅シンクはメイメイさんに連れられてあとから来ました。父さんはギルド本部で仕事に追われていることだろう……ドンマイパピィ……。


 いくら一瞬で遠くの我が家に帰って来れるからといって白の王家にコキ使われすぎだよね。まぁ、王家と言うよりも王妃に……ってのは言わなくても周知の事実だよ。


 かく言う私もコキ使われてはいるのだ……でも、父さんに比べればまだまだマシだと心の底から思うのよ。



 さて、嫁さんの診察結果も聞いたことだし、家に帰ろうかな……って、思ったのだけど……



 そうは問屋が下ろさない。おちびちゃんズの辞書に「さっさと帰る兄と義姉」は無いのだった。






「あのねあのね~、今日は……」

「お前ばっかりズルいぞ!」

「にいちゃあのね……!」

「おれにもしゃべらせ」

「おにいはだまってて!」


「(女の子はいくつでも恐い…)」



 はい、我が家では女性が有利です。え?私?私は……ここを出た身なので論外ですよ勿論。


 そんな女傑一家は流石母さんの子供たちだよね。別に弟たちが不甲斐ない訳じゃないよ。女性陣がパワフル過ぎるのが原因です。だってね、この前帰郷したと時は……



 あの時はクリスマスで(※番外編参照)、プレゼントを持って帰ってきたときだったな……。



 弟たちがプレゼントを巡ってケンカを始めてね……あ、辰砂は参加してないよ。お行儀よく座ってケーキ食べてたし。


 それで……うん。あろう事か弟たちが……次女がおめかししていた服にケーキの生クリームを着けちゃってさ……あの時の怒り様はまさに母さんの子供って嫁さんと八雲と思ったよ。


 そのあとの長女のお説教も長くて弟たちにはかなり堪えてたけどね。自業自得だから助けなかったけど。


 私の静止を無視して起きた事なんだから、キッチリ反省してもらわないと。ね?



 そんなことがあってから(ホントはその前から予兆があった)どうも弟たちは妹たちに頭が上がらない。そんな妹たちも自分の直ぐ下の弟(三つ子だから同い年)の辰砂には甘いけどね。末っ子真紅はみんな甘いけど。



ええっと、あぁ。帰ろうとしたけど妹や弟たちに囲まれて帰れなくなっています。嫁さんは避難して私から離れている。うん。今に見てろよ藍苺ランメイ……明日のおやつ抜きにしてやろうか? 一人だけ逃げやがってからに……おっと、嫁さんに弟たちがくっついているのも……それはそれで腹が立つな。よし、今回はよしとしよう。まあ、本当におやつを抜くなんてしないけどね。……嫌いなものを混入させることはあるかもしれないけどさ。





 例えば……ホウレン草とか?






     ********





 今の俺の率直な感想……「なんかレンのやつ……怒ってね?」だ。どうしたんだ? まさか、俺がレンの弟たちから逃げたのがダメだった?………いや、だって……あの猛牛並みの突進を受け止めるなんて、万全のコンディションならまだしも今は下腹部が………うっ……忘れてたのに思い出したら痛みがぶり返した。前世のベルもかなりの痛みを耐えていたので覚悟してたが…マジで女ってスゲーのな。こんな痛みに毎月耐えてるなんて……俺には無理だ。


 うっ…無理でも耐えないといけないんだけどな。これから何年も……気が遠いぜ。これで痛いなら出産の時の痛みってどんだけ強烈なんだよ。あの、あの(・・)人前で泣かない叫ばないベルさんも喚いてた……思い出しただけで顔から血の気が下がったぜ……。



 男ってあの痛みで死ぬらしいな。てことは、俺ってこのまま妊娠でもしたら……死ぬのか?



 あ、でも、俺が認めるのはベル…今のレンだし。あいつは……その、役に立たないって言ってたしなぁ……その点は気にしなくてもいいよな?



 ………おいおい、俺ってば、産むの前提で考えてなかったか?無理無理!……いや、レンとの子供なら大歓迎!…じゃなくて!!



 はぁ、なに考え点だろ俺。薬が効いてくると副作用で頭がボーッとするって言われたけど、もう薬の効果が出てんだな……そうだよな。うん。そうだそうだ。






 これじゃまるで……痛みで死なないなら産んでもいいって言ってるみたいだ。







         ******







 弟たちに引っ付かれて多少揉みくちゃにされたが、メイメイさんと八雲がおちびちゃんズの面倒を引き受けてくれた。なので何だかボーッとしている嫁さんは話しかけるが……


「いや、でもなぁ……うん。」

「(上の空……)」



 なにかに悩んでいるのか返事がない。


 そう言えばおちびちゃんズから逃げた辺りから何かブツブツ言っていたような気もする。私は耳が良いからね。狐耳を出していなくても結構高性能。


 何か悩みでもあるのかな?仕事関係で悩みがあってもなかなか言い出したりはしないからね。人一倍負けず嫌いだからね、弱味を人に見せるのが嫌なんだって昔言っていたな。それとも鎮痛剤の副作用でボーッとしているかのも。あれは協力な分、注意力散漫になるからね。協力な鎮痛剤ってのはそんなもんだよね。


 

 っと、本当にどうしたのかな? やっぱり痛みが酷いのかな?



「ねえねえ、泊まっていくよね?」

「にいちゃ!とまってってぇ!!」


「いや、無理だから。私も仕事あるし。店を空けっぱなしにはしてられないからね」


「「「えぇぇっ!!」」」



 盛大な弟達からのブーイング。仕方なかろう……私の家はあくまでもあっちの店なのだから。


 こうしてちょくちょく帰ってくる方が希なのよ? 元来妖怪ってのは巣立つと生家には戻ってこないんだからね基本的には。私たちが前世の記憶に人間だった頃の習慣とか諸々あるからこうして帰ってくるのであって……特に年の離れた兄弟は他人と変わらない…まではいかないけど、結構ドライな付き合いらしいし。



 母さんも父さんも生家には帰らないそうだ。親も帰ってこいとは一切言わないらしい……が、孫の顔は見せろとは言われているとか。黒の国に実家があるからあまりいきたくないらしい……特に父さんは黒の王族と確執が……どうのこうの。


 あれだ、黒の王族は何かと白龍の一族に関わりたいらしく(母さん曰く御執心)、父さん達が子供の頃に王族の一人と婚約してたらしい。勿論それは政略的なものだ。前世が日本人の父さんはそれに猛反発。何かと一途な白龍一族の当時の長もその婚約には苦笑い……かなり強引なものだったらしい。あ、その当時の長は私の父方の祖父……父さんの父親ね。今は父さんの一番上の兄が継いでるらしい。ちなみに公爵様だ。



 政治的には誉められたことじゃないけれど、貴族として息苦しい生活を強いられてたかも知れない身としては……父さんの行動力グッジョブ( ̄▽ ̄)b



 さて、そんなわけで祖国には容易には帰れない(両親曰く帰りたくない)ので父方の祖父祖母は一年に一回孫の顔を見に来るのだ。あ、因みに私は一回も会ったことがない……苦手なんだよね、祖母祖父は。



 てか、老人が苦手。何を話さばいいのかサッパリ見当がつかない。それに仕事後忙しいし……



 あ、母さんの方は放任主義で別段会いたいとも思わないらしいので誰も会ったことがない。多分……たまに母さんに似た人が私の店に来るのだけど……関係者だよねあれは。伯父さんかな?母さん末っ子だって言ってたし。




 おっと、意識を飛ばしていたらさっきよりも弟たちのブーイングが酷くなっている。別に無視してた訳じゃないぞ。考え事だよ考え事。



「それよりも……今日の勉強はもう終わったのか?」


「Σ(゜Д゜)」

「(゜ロ゜;ノ)ノ」

「!!(゜ロ゜ノ)ノ」

「!Σ(×_×;)!」

「(´▽`;)ゞ」

「終わったよ?」



 上から順に緋翼ヒヨク紫紺シコン紫音シオン春麗シュンレイ萌葱モエギ辰砂シンシャだ。


 どうやら……と言うかやっぱり勉強途中で抜け出してきたのか……辰砂は終らせてきたようだけど。辰砂偉いぞ!



「なら、勉強終わらせてこい。私は遊ばないぞ……折角お菓子も土産に持ってきたのに……辰砂は偉いぞ。ほら、どんなに時間かかってもいいから終わらせてこい。」



「辰砂だけズルーい!」

「っ!」



 萌葱のブーイングに他の子達も共鳴したかブーイングを始める。しかし、春麗だけは……



「私たちが途中なだけで辰砂は悪くないよ。ほら、行こうよ…ねぇ?」

「ぶーぶーぅ」

「萌葱、豚腹とんぷくみたいだぞ!」

「だれが豚なのよ!!」


「…………」




 萌葱も悪気があった訳じゃない。ちょっとおどけただけである。しかし辰砂にはそうは思われていないらしい。辰砂よ、姉兄達は結構お前には甘いぞ?



 その証拠に他の兄弟たちにはおやつとか分けたりしない弟たちもあげたりしてるし? 妹たちも何かと構おうとするし? 本当に本人だけだよね気が付いてないのは……下界を知らないから世間一般の兄弟を知らないんだろうね。



 コレってある意味外に出ない弊害何ではないか?





 母さんにこの事進言しとこうかな?







 紅蓮コウレンは基本子供には優しいです。ですが、弟妹達にはちょっと引きぎみなんです。家族としてどう見るべきか、ちょっと迷っているのかも。前世の我が子の事もあるので少々複雑なのかもしれませんね。



 ここで紹介を少々しましょう。




 *トウ 紅蓮コウレン



 我らが主人公。生家のうじハクだが、とある事件で燈の氏を王から賜った。正直重荷にしか思ってない。ちょっと子供の頃に魂だけ異世界放浪をしてチート力が増しているが、性格的に生活に役立たないことは使わないタイプ。その為養われ夫と回りから見られている。嫁さん命だが、回りに悟られていない……ツンデレかもしれない。前世は女性で旦那と子供が居たが死に別れたが、旦那とは今生でも結婚している。前世の記憶と異世界放浪の記憶が膨大なので本の形をした媒体に移しているらしい。



 母親譲りの薄藤色と父親譲りの紅の瞳にそっくりの顔を持つ美人さん。現在話数では16歳の170センチ弱。しかしいつも前髪で目を隠しているので不気味にしか見えない。基本的に優しいが嫌いな奴には容赦が無い。


 今は生家を出て白の国の下町で雑貨屋兼元締めを勤めている。実際の地位は子爵。




 *トウ 藍苺ランメイ



 この話の我らがヒロイン(でも心は男?)。本当は白の王族の一員だが、一族のイザコザに巻き込まれるならと王の機転と紅蓮の母親の協力で8歳の時に紅蓮と偽装結婚をして王族の籍から除名された。その出生にも秘密があり色々と複雑。全ては黄の王――お馴染みのKY陛下―の所為である。



 母親譲りの黒に近い紺色の髪に、琥珀か真鍮の様な瞳の一見すれば儚げ系美人。現在話数では16歳の165センチ前後。儚げ系の見た目を口の悪さと男らしい態度で破壊している。紅蓮命だと回りはふ触れ回っている節がある。実は前世では男性で紅蓮の旦那の記憶を持っている。




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