調査隊2
三人はかつて若者のメッカとして栄えた区画に到着した。
聳え立つ巨大建造物の一団は、蔦と花に覆われていた。僅かに建造物の面影だけを残してはいるが、赤と緑に覆われた巨大なものが国内のファッション界の象徴であったことは、在りし日の姿を目で見た経験がなければ絶対にわからない。
今や、花のテリトリーは急速に広がっている。国内は既に一部のシェルターで守られた建造物と、樹が生息不能な高地や寒冷地に人間は全て追いやられてしまった。
これ以上、人の住処を奪わせるわけにはいかない。そのために、彼らは調査に来た。圧倒的な繁殖力と生命力、なによりも人間だけを栄養分として生息するという特異な生態のために、人類の受けた被害は壊滅的なものだ。
今や問題は国内にとどまらない。被害は既に海外に飛び火し、国際問題にもなっている。世界中に花が広がりつつある。世界を滅ぼす危険のあるこの植物を、人類はなんとしてでも止めなければならないのだ。
政直たちは装甲車の外に出た。空気は完全に樹の種で汚染されている。調査隊員はガスマスクを被り、全身を密閉できる防護服で覆う。脱ぐときは改造によって作られたエアロック内で行い、防護服は使い捨てにするのが原則だ。
防護服を着まわしていたせいで汚染されたシェルターがあることから、これは絶対に守られなければならない。もはや生物兵器と同等の扱いである。




