調査隊
佐渡政直は東京で生まれた。
幼年時代をそこで過ごし、小学校卒業とともに親の仕事の都合で引っ越した。
故郷への凱旋がこのような形になるとは、子供の頃は予想もしなかった。
対“世界樹”調査班の一員として、あとかたもなく滅びた故郷を見ることになるなんて。誰が予想できただろう。
今回の調査チームは三人
皮肉屋の同僚・結城ナオミ(ユウキナオミ)
明らかに精神に異常をきたしている上司・鮎貝卓
……間違いない
個性的過ぎるこの2人のフォローのために、政直は加えられたのだ。
装甲車両のハンドルを握りながら、政直は耐えなければならなかった。
「はっながさいた~はっながさいた~
真っ赤な真っ赤な真っ赤な真っ赤な真っ赤な真っ赤なは~なが~」
何故か延々とリピートされ続ける鮎貝のだみ声に、まず耐えなければならなかった。
(今、真っ赤なって、何回スクラッチしたよ…)
突っ込みを入れたいのを、必死に耐えなければならなかった。
「鮎貝さん、すげえっす。今日って、歌声で樹を枯らす作戦っすか?」
ナオミの遠慮会釈のカケラもない発言に、いちいち胃を揺らされるのを耐えなければならなかった。
「植物にだって心はあんじゃねえの?オレサマの美声に感動して、人間を養分にするのに気が引けるかもしんねえぞ?」
いつものことだが、鮎貝の創造する理論は全くの意味不明だ。
「またまた~。花、皆殺しにする気バリバリにしか聞こえないっすよ?」
ナオミは相手が仮にも上司であることを記憶していないらしい。
……やはり、間違いない
個性的過ぎるこの2人のフォローのために、政直は加えられたのだ。




