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悪の華11
だが
「オレは真実を話しますよ」
政直はきっぱりと言い切った。
「何故だ?
こんな世の中で、君一人だけ良い子ぶってどうする?馬鹿馬鹿しくならないか?第一、無駄じゃないか」
有働はそう言いながらも、表情に驚きは表さなかった。
「こんな世の中だからこそ、です」
政直の瞳には澱みがなかった。
「この国がこんな有様になったのは、人間の自業自得です。
誰かが変えなくちゃ、状況は悪化するだけです。オレの力じゃ、きっと変わらないでしょう。でも、だからといって間違ったことを間違ったまま、わかってるくせに誰も変えようと努力さえしない。そんな繰り返しじゃ、花なんて現れなくてもこの国はいずれ終わってしまいます。
オレがやれるのは、今どきこんな空気読めないヤツがいるんだってことを公にすることです。しかも、政府の重鎮が集結してるこの東京ドームでね。
誰か、オレのやることに考えを巡らせる人がいればいい。もしかしたら誰もそんなこと考えもしないかもしれないけど、やらなきゃ成功率はゼロのまんまです。
無駄かもしれないけど、オレはたった一人でも嘘より真実を選ばせてもらいます」




