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悪の華2
「買収って…一体なにやってんですか有働さん!?」
政直は呆れかえった。
「凄いだろ。ここにいる三人の看守と…監視カメラがあるのは気付いてたか?その警備員も、既に買収済みだ。政府はケチでろくに給料出してないから、寸志の賄賂で仲間を買える。
……タネを明かすと公安には多くの知り合いがいてだな、信用出来そうなのを何人かツテがあれば、後は芋づる式に儲け話が広がる。ここに来て数日、やることの大半は貯金との相談だったってわけよ」
有働は自慢気に武勇伝でも語るように聞いてもいないことを喋り始めた。
「それどころか、薄給の癖に賃金滞納は日常茶飯事ですからな」
「こういうことでもないと首をつるしかない」
「これで借金を返すアテができましたよ。国の中枢で働いててワーキングプアですからね。トホホ」
看守達が自虐話に花を咲かせ始めた。
(つくづく終わってるな……)
中央の腐敗を噂で聞いていた政直だったが、これほど末期的な状況にあるとは思っていなかった。
「それでだ。佐渡君、オレはここを出たい。オレにはやらなくちゃならないことがあるからな。裁判ではオレが無罪放免となるよう証言してくれ」
有働は悪びれずに言い放った。




