メッセンジャー14
「ヤツがどっから来ただ?そんなの知るかよ。オレみたいな末端の人間にいちいち細かいことレクチャーしてるほど、政府に余裕あると思ってんの?おまえ、つくづく本物の馬鹿だな!
国の技術の粋を尽くして、ようやっとヤツが何を言おうとしてんのか解析し始めた段階なんだよ今は。ヤツがどんな危ない化物か知りもしないで、助けようと思ったから拉致するとか…この国を潰すのは『ヒトクイツツジ』じゃなくて、お前みたいな行動力だけはある馬鹿なんだろうよ!」
政直にとって、この男は重要な情報の宝庫だった。
おそらく、末端のいち研究員なのは嘘ではないのだろう。知らされていることと、そうでないことがある。だが、この男は自分が知らされているごく一部のことが、知らされていない者にとってどれだけ重要なことなのかを理解していない。
国は花にヒトクイツツジという名前をつけていたのだ。しかも、名前をつけたのにも関わらず、政直のような調査隊員にすら知らせていなかった。
「あの子は、どんな恐ろしい化物なんだい?オレにはただの子供にしか見えなかったけどね。あの子と会話することに、あんたらは成功してるのか?」
政直は質問を続けた。
相手が罵倒したいだけであることは、百も承知だ。だが罵倒しながら情報を与えていることには気付いていない。研究員らしき男が冷静さを取り戻すまでが勝負だ。




