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メッセンジャー11

「はっ…?」

男には政直が何を言っているのかわからないようだった。

「そんな理由で動く人間がいるわけないだろ。ふざけるのもいい加減にしろ」


政直の方こそ、男が正気でものを言っているように聞こえない。

「いや、普通そう考えるだろ?助けたいって、そう思うだろ?実際やるかどうかは人次第だろうが、考えるくらいするだろ?」

政直にとっては、それが人間として当然のことだった。


男はしばらくの間、呆然とした後

「こ…い…つ……

本物のバカだ!」

と、笑いだした。


「何が可笑しい?」

政直は苛立って男を睨んだ。こいつは極上のクズだと心で構えた。


「笑わずにいられるか。オレをここに放り込まれたのは、黒くてデカい陰謀のせいだと思ってた。『メッセンジャー』を拉致るなんざ、この国を潰そうとする売国奴の仕業以外に有り得ないはずだからな。

だけど、違ったんだわな。バカが勝手に暴走してムチャクチャやって、オレは運悪く巻き込まれただけだったんだからな」

なぜこの男が政直と同じ所にいるのか、ようやくわかった。少女を連れ去られかけた事件の責任が、この男に降りかかったのだ。男が政直に悪態をつくのも無理のないことだった。




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